アルトデウスBCレビュー・感想

PlayStation VR版が2021年4月15日(木)に発売されるアルトデウスBC

「Oculus Quest 2」版をクリアしたのでレビュー・感想を記す。

クラウドファンディングにも出資しているが今回は一人のユーザー、ゲーム好きとして忖度無しで正直にレビューしていきたい。

クリアしたのは3月18日。
12月4日に開催された発売日イベントに参加し次の日からプレイを始めたのでじっくりプレイする事が出来た。

まず一言。率直に

『とても面白かった』

VR機器を持っている方には是非とも体験して欲しいし、自分の様にこの為にオキュラスクエスト2やPlayStation VRを購入しても後悔はしないだろう。

この最高のPVを観てビビッと来た方は今すぐこのnoteを閉じゲームを購入して前情報一切無しで是非プレイして欲しい


今まで多くの様々なゲームで遊んできたがとにかく新鮮で感動的な体験が出来た。
VRに命をかけ革命を起こそうとしている様な方々が作っているだけありVRならでは、VRでしか体験できない世界がそこにはあった。

このゲームはストーリーを主軸に置いたアドベンチャーゲームだ。

アクションゲームでもなければノベルゲームでもない。

自らが主人公クロエとなり物語へ入り壮大なストーリーを体験する。
それはVRでしか表現出来ない体験だった。

VR映像と立体音響などによるそこにいるという感覚。

没入感。

ちなみに筆者はこのゲームをクリアするまでに何度も泣いた。泣く度にヘッドセットを外し涙を拭う必要があった為、その度に中断したのも良い思い出だ。

このゲームが生まれていなければ、出会わなければ、VRという世界に一生触れずに生涯を過ごしていただろう。

この素晴らしいストーリー、ゲーム体験を味わえなかっただろう。


製作スタッフに感謝を述べたい。
『ありがとう』と。

ここからは分類しながら良かったところ、気になったところを挙げていく事にする。
あくまで個人の感想だがもし購入を迷っていてこれを読んでいる方がいたら参考になれば幸いだ。

■VR■
VR専用ゲームだからこそ他のゲームでは体験できない要素、演出がある。大きく分けて三つのパートに分けられる。・ロボットアクションを楽しめるマシンアクションパート・ライブを楽しめるライブパート・会話と選択をして物語を進めていくアドベンチャーパートだ。


マシンアクションパートは説明するまでもなく自らがアニメの主人公になった気分でパイロットになれる。
VRによる視覚的迫力。
マシンが自分の手や頭とシンクロした動作をした瞬間には感激するし、熱い展開、シーンには心躍り鳥肌が立つ。
出来れば極力動画などは見ずに是非自らの目で体で体験して欲しい
(※PS VR版はモーションコントローラー、デュアルショック両対応)

ライブパートは歌媛ノアによる大迫力ライブを鑑賞する事が出来る。こちらもVRならではの迫力ある演出が楽しめるので是非自身の目で確かめて欲しい。

そしてゲームの主軸となるアドベンチャーパート。
こちらはキャラクターとの会話、選択(リブラシステム)がメインだがこれが読み進めるだけの従来のノベルゲーム・パートではなくアドベンチャーパートと呼べるのはVRならではの要素が大きい。

まずキャラクターが生きている。目の前に確かに等身大のキャラクターたちが存在している。
かすかに呼吸、鼓動をして揺れており、プレイヤー自らが動けば視線で追ってくるし、キャラクターに近づいたり横にまわったりも出来る。
逆にキャラクターからプレイヤーに向かって手を差し伸べてくるシーンもあれば攻撃をしてくるシーンもあるのだがその迫力はVRならではだ。
また、念入りに作られた立体音響により声は確かにキャラクターの立ち位置から聞こえてくるので視線外からでも存在を感じる事が出来る。
プレイヤーであるクロエの発する声の音響にも拘りがある。

オブジェクトを掴んで拾うといった普通のゲームでは体験できないVRならではの要素もある。

■ストーリー■

このゲームはVRゲームに珍しくストーリー重視で長くじっくり楽しめるゲームになっている。

リブラシステムと呼ばれる選択肢によるストーリー分岐があり複数のマルチエンディングになっている。

マルチエンドだがよくある一般的なマルチエンドゲームと違い、それぞれのマルチエンドはトゥルーエンドへ向けたルートでもあり周回しマルチエンドを解放してしていく事で最終的にトゥルーエンドへ到達する事が出来る。

これがとても上手く作られておりストーリーが練られているのでプレイヤーだけが各キャラクターの真相など記憶を保持したまま周回する様なものなのでループもののアニメの重要キャラクターになった気分でストーリーを楽しく進めていけるし、同じ様なシーンでも新たな選択肢が出てきたり前回と違った選択をした場合はとてもワクワクする。

ストーリーは時には熱く、時には感動的なシーンが描かれる。

とにかくストーリーが良い。

トゥルーエンド以外のストーリーも他のマルチエンドゲームにありがちなオマケ的なストーリーではなく一つ一つがとても一つの結末としてしっかりと成り立ち人によってはそれをトゥルーエンドと捉えられる様なストーリーになっている。

ちなみに筆者はトゥルーエンド以外のエンドストーリーで泣いたのである。

■音楽■

このゲームを語る上では絶対に欠かせないのが音楽だ。
全ての音楽が素晴らしく、耳に残り感動を誘う。
誰もがクリア後はサントラを欲しくなってしまうレベルだ。
ここぞというシーンなどで流れるヴォーカル曲もどれも最高だ。

基本的に名作と呼ばれるゲームには良い音楽が付き物だが筆者が今までやってきた多くのゲームの中でも間違いなくトップに入る最高の楽曲たちだった。

■キャラクター■

イラストレーターLAMさんによるキャラクターデザインがとても良い。素晴らしすぎる。   

このゲームは壮大な物語が描かれるが登場人物はそう多くない。
厳密に言えばホームページなどに載っているキャラクターたち、つまり8人しか主に出てこない。
しかし、だからこそ一人一人のキャラの個性が際立ち、魅力的で愛おしくなる。
VRによる等身大の存在感。
そして息を吹き込む声優陣。
キャスティングが完璧だ。

ゲームに限った話ではないが知名度ではなく求めているのはお芝居、演技力。
昨年プレイしたとある大作ゲームや、最近観た映画ではあまりにキャラクターに対する声のお芝居に違和感を感じ物語に度々集中出来ない事があった。
(映画なら字幕に変えれば済むが…)

他人のレビューなどをみても同じ指摘をしている人がいたので自分だけではないのだろう。

その点、アルトデウスは完璧なキャスティングにより違和感が全く無くスムーズに物語に没頭出来た。

出演された声優の皆様に拍手を贈りたい。
素晴らしい演技だった。

ちなみに筆者はクラウドファンディング特典としてガヤボイスを事前に収録し送ったのだがその声を聞き見つける事が出来なかった……PS VR版では見つけれたら嬉しい。。。泣

ここからは少しプレイしていて気になった点を挙げていく。

・アリアドネシステム
これはシーンを選び戻って選択をやり直す、つまり
"フローチャート"なのだがスタイリッシュなデザインな故に視点を動かさないと見にくく少々分かりにくい事があった。そのスタイリッシュなデザインにも意味があり好きなのだが。
スティックで視点を動かせたら良かったかも。

・巨体が目の前で動いている時の振動(揺れ)や、巨体が地に足をつけた時に砂埃が起こらない事に物足りなさを感じてしまった。
しかし製作インタビューなどを読んだらオキュラスクエストのスペックにより出来ない事もあったそうだ。
実際爆煙など一部のエフェクトがPS VR版では追加されているのが確認できた。
個人的にオキュラスとの違いでPS版の楽しみの一つだ。
揺れに関してはここぞというシーンでは揺らすが極力『酔い』を避ける為になるべく減らしているそうだ。
個人差はあるもののVR慣れしていないと酔ってしまう方への配慮だ。
個人的には別のゲームの様に酔い対策オンオフみたいな項目がオプションにあれば嬉しいと思った。

・リブラシステムによる選択肢を選ぶ事が多くあるのだが周回時に前回選んだ方が分かる様な色づけなどあれば分かりやすいと思った。ストーリーに変更が無いのにスキップ出来ないシーンもたまにある
(個人的にはスキップを多用しないのであまり気にならなかったが)

ちなみに周回時で物語に重要な決断を下す時は特殊な演出が入り進むべき道を選ぶとそうでない時を選んでしまった時で分かりやすくエフェクトが入るのは良かった。


気になった点はこれくらいだった。
ちなみにオキュラスクエスト2ではロードが全く無いのも快適であった。

★総評★

長々と書いてしまったがとにかくこのゲームは自信を持ってオススメ出来るVRゲームだ。
クリア後に達成感などはあってもロスがあるゲームは珍しい。
筆者はクリア後にロスになった。
それはVRというのが大きいだろう。
このゲームでは常にキャラクターたちがこちらを見つめているし、話しかけてくる。
第三者視点ではなく自らがクロエとなり物語に入り込んでいるのでその世界に自らが『生きている』のだ。

是非踏み込んで体感して欲しい。

そして、、、



『この光景は夢じゃない』


■キャスト
クロエ:CV.鬼頭明里
コーコ:CV.奥野香耶
ノア:CV.花守ゆみり
アニマ:CV.石川由依
ヤマト:CV.小林裕介
アオバ:CV.荒牧慶彦
ジュリィ:CV.芹澤優
デイター:CV.速水奨

■スタッフ
監督:柏倉晴樹
キャラクターデザイン:LAM
シナリオ:小山恭平 / カミツキレイニー / 高島雄哉
メカデザイン:I-IV
音楽:郡陽介 / 高橋邦幸(MONACA) / kz(livetune)

オープニング主題歌「DESIRE」ASCA

テーマソング「Save the World」

テーマソング「Sunlight」R!N










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