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閉店前のウェアハウス川崎で電脳九龍城を感じに(前編)

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落合陽一です.川崎にあるウェアハウス川崎という九龍城感あるゲームセンターがありますが,11月に閉店されるということで,落合塾の写真部のイベントで行ってきました.中は日本人から見た九龍城の姿がゲーム機によって多文化になっている感じ… そして,今回と次回はひたすらとった写真をあげながら考える.

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中に入るといきなり香港の路地裏感が漂う.確かに,日本で撮ってる感じがしなくなるというのは確かにすごい.

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窓の向こうの明かりや窓枠のテクスチャーも良くできている.

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曇ったガラスの向こうを覗くと部屋もちゃんと構成されている.確かに壁に貼られたチラシは性病治療だったりコールガールだったりするから,一回にダッチワイフが寝ているのも示唆深い.ダッチワイフは電気羊の夢を見るか? という感じ.

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壁のテクスチャーになっている張り紙のリファレンスは一体なんなんだろうと思いを巡らせている.ひたすら性病皮膚病.中華料理メニューを見てると落ち着く.

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チャーハン食べたい,と思いながら廊下を彷徨っている.

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言われてみれば「電脳九龍城砦」確かにゲームとクーロン城の合体した風景は川崎の土地にもハマっているような気がする.すげえ日本感の強さを感じる.サブカル的にペルソナとか廃墟系漫画とかの理想とする風景.風景は風景でマネタイズが難しい.ゲームをする人はゲーム代だけでやりたいし,インスタ映えの人々はお金を落とさない.この間を越境する仕組みを作らないと閉店してしまうんだろうなぁと思う.

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二階に登ればいよいよゲームセンターと廃墟風景の合体.

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レトロゲームと九龍城の食い合わせの良さに気づいたのは天才的だと思う.今の香港の風景がLEDと寂びたコンクリなら,ここは液晶とLEDとブラウン管と寂びたコンクリと日本的ヨーロッパ感のごちゃ混ぜによるさらなるカオス(日本人が望んだカオス)という感覚が強い.

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照明条件を変えると風景が変わる.細かいディテイルが良くできていると思うと本物の九龍城から持ってきたものも多いらしい.

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光の滲みを感じながら九龍城を歩いている気分になる.

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次回はじっくり光の滲みを見ていこう.

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やはり九龍城と日本のミックスが,日本寄りの香港という奇妙な空間を生んでいて気持ちがいい.多分,この感覚は日本のいまここにしかないかもしれない.失われるものを撮っていく美しさは瞬間の美学だろうか.

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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から2年以上経ち,購読すると読める過去記事も800本を越え(1記事あたり5円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で…

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