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守破離を続けていって,分野や領域を変えて,同じところに何周か立ち戻って,ということを繰り返しながら独自の視点を探していかないと腐ってしまう.

風景がどう見えるかということを考えながら,自分の中に練り上げられたコンテクストを探している.解像度の高いレンズで覗くような研磨感を成長とともに見出しながら,ボケの滑らかさを老化や忘却の中に探している.やがて老化しきって,独自のボケとピントの合わない滲みでできた世界しか見えなくなるとしても,それが味があるオールドレンズになれるように毎日を生きている.

そういえば,今月写真を沢山撮ったんだけど,未来館の展示オープンがもうそろそろなので,それが終わったら写真集的な要素も上げていくので購読者の人はお待ちください… 文章は動きながら書けるんだけど写真は動きながら現像が出来ないので創作的な身体が日々徹夜作業に入ってしまうと写真の絵作りができなくなる.代わりといってはなんだけど,エッセイ成分が多くなる時期のNoteを過ごしている.絵で語る意味と言葉で見出す何かの往復の中でイメージと物質,自然と物化の間を探求しながら.

研究と創作の二律は重要な柱だと思っている.創作しないと研究したい観点が見つからない.極論すれば何に興味を熱く持つか,ということは精神性を保つ上で重要でそのサイクルを続けないと社会を定点観測できないのだなぁと痛感している.無目的にインプットしても仕方ないし,何かを頭の片隅に起きながら,探しながらのインプットが滑らかに繋がったときにいいサイクルが生まれると思っている.

今日は表題のように守破離を続けていく話.研究に限らず,分野や領域を変えて,同じところに何周か立ち戻って,ということを繰り返しながら独自の視点を探していかないと腐ってしまう.価値観が固定化されると指標を作った人の指標を満たすゲームになってしまう.ゲームプレイに神性が宿ることを否定はしない.ただ,ゲームの枠組みを変え続けることで,世界への共感や一体感が得られるのも実感する.そのどちらも重要なんだけど,と思いながら常に全身全霊で社会科見学している.自分の価値観が固定化した状態で見てると他人の価値と自分の価値を指標で比べたがるけど,指標化されているものに価値があることは認めながらも,指標化されないものを探し続けることに重きを置きたいと思って生きている.指標化されたものを守るのも楽しそうだ,でも僕はそれが苦痛になってしまう日も多い.今日はそんな話.

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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から2年以上経ち,購読すると読める過去記事も800本を越え(1記事あたり5円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で…

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