【感想】森見登美彦『四畳半神話大系』
アニメも観た。けれど今回の感想は小説の方が主。
というのも、やっぱり森見登美彦作品は小説で読んでこそだよなぁと思うからだ。めくるめく四畳半を中心に送られる主人公の大学生活。蛾の大群の襲来とともに締めに向かい、欄干から落下した小津が入院し、次のループへ向かう……この流れが好き。
確かにアニメのように、別世界線が複数描かれ、最後の最後で繋がった四畳半世界から蛾の大群が吹き荒れるのも楽しいが、というか怪しげな妖気を垂れ流す占い師大好きなので沢山見れて嬉しいのだけれど。やっぱり、こう、なんていうの?蛾の大群の盛り上がって参りました~!感を味わってしまうと、あっもう次の世界線へ?と思ってしまって。
物足りなく感じてしまうんですねぇ。
いや、好きですよ。アニメも。
というかアニメと平行して原作を読んで、アニメを半分ほど観たところで原作を読み終わった身なんですけれどね?
いやだって蛾っていうモチーフがいいじゃないですか。
巡り巡る薔薇色ではない大学生活の転機に現れるのは、これからの華やぎの世界からやってくる、薔薇色の世界に息づく蝶ではなく、蛾。
まるで平行世界の私が貴様だけ先に行かせてなるものかと怨念を込め送り込んだ使者のように、どす黒い糸で結ばれた平行世界の私を逃さぬと言わんばかりじゃないですか。
だから終盤に襲来する蛾の大群が大好きなんですけれど、アニメ版だと白くなっちまって。
でも脳内の想像より気持ち悪くて良かった。
そしてあの語りというかあのテンション?テンポ?を本で読むのが堪らんのですよ。忌まわしき古文の授業の唯一の成果なのかなんなのかは識りませんけれど、あの文体で本を読んでいると、こう、読み本読んでる~!って感じがしてテンションが上がるといいますか。音声で聞くのも良いんですけれどね。やっぱり森見登美彦作品は本で読んでこそだなぁと思うわけですよ。
そして読んでる途中に英語訳ってあるんだろうかと思って調べたら、英題は「The Tatami Galaxy」。
いやおもっくそネタバレやないかい笑
銀河のように円環に渦巻く四畳半……。やめて差し上げろ笑
んでまあ『四畳半神話大系』を読んで、よっしゃ次は『夜は短し歩けよ乙女』じゃあ!と思って意気揚々と図書館に行ったら貸し出し中ってね。おかしいな。数日前ネットで検索をかけたときはまだ貸し出し中では無かったはずだが……。この世界線私は貸し出し戦争に敗北したようです。大人しく、図書館警察に捕まらないよう、今借りている本を読んでしまうことにします。
借りる時が楽しみだなあ!
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