#16:吉田秀和著『音楽 展望と批評 1』
吉田秀和著『音楽 展望と批評 1』(朝日文庫, 1986年)を読んだ。私が吉田秀和の文章と出会ったのは、『LP300選』(新潮文庫, 1981年)が最初だった(現在は、『名曲300選』と改題されて、ちくま文庫から刊行されている模様)。クラシック音楽に魅せられ、熱心に聞き始めて間もない中学生だった私にとって、この本は紛れもなくバイブルだった(もう1冊、諸井誠著『交響曲名曲名盤100』[音楽之友社, 1979年]も、全ページ暗記しそうなくらい繰り返し読んだ)。その頃の私は、これ