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日向坂46 東京ドームコンサート セットリスト[縛りなし考案バージョン]

概要、前回の反省点

前回は、「東京ドームコンサートにおいて意味を持つ曲の扱い方」や「演出やセットリストの定番を崩す」などという縛りがあって、納得のいくセットリストは完成したものの、完成するのにかなりの時間を要しました。

なので今回は、「『約束の卵』を1曲目に歌う」だけをルールにして自由にセットリストを組んでみました。前回と異なる点・ポイントは以下の通りです。

  1. オープニングブロックを”真面目な曲”のみで通す(東京ドームコンサートの特別感を演出)

  2. その日初めての”楽しい曲”を『Right?』にしてその後の流れを作る(雰囲気をグラデーション的に明るくしていき『ドレミソラシド』でピークに到達するイメージ)

  3. ジョイラの後に初期メドレーを配置し所謂ラストスパートブロックの流れを作る(アニバーサリーコンサートらしく歴史を振り返る演出。初期メドレーをやるなら『JOYFUL LOVE』の後ろにして厚みを出したかった)

  4. 『声の足跡』、『青春の馬』、『川は流れる』でフィニッシュ(フェードアウトしない。しっかりカットアウトする)

  5. 真面目なブロックをA、楽しいブロックをBとした場合、[A → AB → BA → A → B → A]となり、「前回よりも抑揚が出来ていること」、そして「フルサイズを満遍なく配置すること」で、時間の長さから来る充実感を感じることが出来る

これらを軸にして完成したセトリがこちらです。それでは解説していきます。※アンコールの解説は割愛します

セットリスト

本編
- OPENING VCR
 約束の卵

 Overture
 ってか
 期待していない自分
 アディショナルタイム
 こんなに好きになっちゃっていいの?

- INTERLUDE 1
 耳に落ちる涙
 君のため何ができるだろう
 Right?
 ソンナコトナイヨ
 アザトカワイイ
 ドレミソラシド

- MC 1

 ハッピーオーラ
 車輪が軋むように君が泣く

- BRIDGE VCR 1
 イマニミテイロ
 沈黙した恋人よ
 もうこんなに好きになれない
- INTERLUDE 2
 JOYFUL LOVE

- BRIDGE VCR 2
 ひらがなけやき
 僕たちは付き合っている
 永遠の白線
 NO WAR in the future
 キュン
 誰よりも高く跳べ!
 キツネ

- BRIDGE VCR 3
 声の足跡
 青春の馬
 川は流れる

アンコール
 ホントの時間
- MC 2
 君しか勝たん
 日向坂
 ときめき草

ブロック1

- OPENING VCR
 約束の卵

 Overture
 ってか
 期待していない自分
 アディショナルタイム
 こんなに好きになっちゃっていいの?

結局、セットリストはオープニングとクロージングが一番重要だと考えます。何から始めて何で終わるか。もちろんその過程も重要ですが、なんだかんだそのコンサートを象徴する大事な要素です。印象に残るコンサートかどうか、即ちそのコンサートがこれまでのコンサートと差別か出来ているかどうかは、この2曲次第だと思っています。

今回のオープニングは『ってか』にしました。念願の東京ドームコンサートなので、緊張感を持たせるために終始笑顔で歌う曲は候補から外して、22人で歌える曲であること(日向坂46の楽曲であること)、これまでにオープニングに抜擢されたことがないこと、『Overture』のBPM的なスピード感を殺さない曲であることなどを加味してこの曲にしました。というよりこの曲しかなかった感じです。

というのも、今回はオープニングからではなくクロージングから考え始めて、『声の足跡』と『青春の馬』を使って締めることを早々に思いついたので、上述の理由に併せて「馬は2021秋ツアーのオープニングだったし、声もここで使うし、ってかしかないか」と自然な流れで決まっていきました。

ではどのようにオープニングブロックを展開していくか。
今回は「この曲はあの曲とセットで…」みたいな縛りがないので、とにかく色々と当てはめていき、結果『期待していない自分』でさらに加速させることにしました。また、大体のオープニングブロックは例えば最初の1曲ないし2曲を勢いのある曲(カッコいい系、真面目系)にしたら3曲目は”違うテイストの曲”にして空気を壊していきますが、今回は『アディショナルタイム』でさらに攻めます。ただ、このブロックの中では”違うテイストの曲”に位置付け出来るパフォーマンスと雰囲気を持つので、曲単体で見たらオープニングを任せられるようなカッコよさもありますが、この4曲においては緩急として機能しそうだなと思い3曲目にしました。それに、2013年夏に開催された嵐のコンサート『アラフェス2013』のオープニングブロック[Face Down → Crazy Moon → truth]の例もあるため、「インタールードを挟まないノンストップのオープニングブロック」(ちなみに『ひなくり2021』は2曲目の前にブリッジがあった)においては何らおかしい作りではないと思っています。ちなみにこの3曲においては『Crazy Moon〜キミ・ハ・ムテキ〜』が”違うテイストの曲”に位置付けすることが出来、今回のセトリにおいては『アディショナルタイム』と同じ役割になっています。

私はこのATでムービングステージを使ってセンターステージに移動させたいので、到着して曲が終わるまでにおそらく「次は何が起こるのか」という期待が観客に生まれてくると思います。このタイミングで『こんなに好きになっちゃっていいの?』です。おそらく「ここで来るか!」と思わせられるはずです。予想を裏切るのがコンサートなのでしっかり驚かせていきます。

ブロック2

- INTERLUDE 1
 耳に落ちる涙
 君のため何ができるだろう
 Right?
 ソンナコトナイヨ
 アザトカワイイ
 ドレミソラシド

- MC 1

 ハッピーオーラ
 車輪が軋むように君が泣く

オープニングブロックが増幅させた東京ドームコンサートの緊張感の中で、会場を日向坂カラーで埋め尽くすかのような楽しい時間を待っている観客の期待をどこで解放させるか。これがセカンドブロックの焦点になるかと思います。

このコンサートにおける「楽しくて明るい曲を歌うベストタイミング(空気を壊すタイミング)」は、『期待していない自分』の後か『アディショナルタイム』の後になるかと思いますが、①その位置の候補になるであろう楽曲をこの後のブロックで使いたい、その上で②『こんなに好きになっちゃっていいの?』以外で4曲目が務まる曲がない、というのもあって、オープニングブロックはあのような作りになりました。

『こんなに好きになっちゃっていいの?』で締めたオープニングブロックの余韻、つまり『誰よりも高く跳べ!』や『ドレミソラシド』のような楽しくて明るい曲を1曲も使わずに作り出された雰囲気と空間を活かすには、このタイミングで楽しくて明るい曲を歌うのではなく、敢えて引っ張ることでさらに面白いコンサートになるのではないかと考えます。前回は、初期曲メドレーのようなけやき坂46時代の1期生曲が多く選曲されていたこともあって、コンサートの要素としての1期生曲は割愛していたのですが、オープニングブロックの余韻を活かすには『耳に落ちる涙』が機能しそうだなと思い今回は期生曲をしっかり3曲用意しました。また、続けて期生曲を披露することで前回との差別化も図ります。そして『Right?』です。冒頭にも書いたようにここからグラデーション的に雰囲気と空気を変えていきます。その日初めての”楽しくて明るい曲”が、シングル表題曲でもその他の全体曲でも1期生曲でもなく3期生曲になったというのは、オープニングから全て流れとして結果的に繋がっている(約束の卵とOPB4曲が作った空気を受けて期生曲をここに配置し、1期→2期→3期という流れが出来上がったことでRight?から会場の温度を上げていくことになった)という部分も含めて、この構成は我ながらなかなか面白いと思いますね。『Right?』が『どうする?どうする?どうする?』のような勢いのある曲だったらこの構成は完成しなかったでしょう。

MC後の『ハッピーオーラ』は、「後半戦もまだまだ盛り上がっていきましょう!」的な話の締め方を予想しているので選曲しました。「ここからは後半戦です。まだまだ楽しんでいってください!」で『車輪が軋むように君が泣く』に行くとは想像出来なかったし、[ハッピーオーラ→車輪]で会場を周って文字通りハピネスな空間にする方が厚みが出るかなと考えたのでこの並びになりました。『車輪が軋むように君が泣く』では『走り出す瞬間』ツアーのようなシンガロングする演出があったら最高です。

ブロック3

- BRIDGE VCR 1
 イマニミテイロ
 沈黙した恋人よ
 もうこんなに好きになれない
- INTERLUDE 2
 JOYFUL LOVE

『イマニミテイロ』がこのコンサートに必要なのはライトおひさまである私でも理解出来るのですが、それをコンサートの最重要ブロックであるクロージングブロックに入れて表現するほどではないと思うんですよね。なぜなら、クロージングブロックでは過去にフォーカスするというよりは”現在”を表現したいので、[声の足跡、青春の馬、川は流れる]の流れに割って入れる曲ではないと思います。

前回の記事では『イマニミテイロ』の後に『期待していない自分』を配置したのですが、「全体曲を基本とし、流れや一貫性、さらにストーリー性などの”意味”を重視する」というコンセプトにおいてはそれが正解だと思います。ただ今回は縛りがないのでどういう流れにするかで考えた結果、所謂「エモい」構成が面白いのではないかと考えました。

コンサートの作り方・進め方として、①「DJプレイのような気持ち良い流れが体感出来るセットリスト」にするか、②「一貫性のある、それぞれが意味を持ったセットリスト」にするか、この二つに一つだと思います。前回は②だったのに対し今回は①なので、このエモーショナルブロックは『イマニミテイロ』のアウトロから、次のブロックへ繋ぐ『JOYFUL LOVE』までに機能する曲を探しました。そこで遂にユニット曲を解禁したのですが、解禁するなら突き抜けた完成度を持った楽曲がいいなと思い、『イマニミテイロ』の後ろにはアウトロから綺麗に繋がる『沈黙した恋人よ』を抜擢しました。そして次の曲は『JOYFUL LOVE』にバトンを渡す役割なので、『まさか 偶然…』のようにさらにスローテンポになってもアレだし、『窓を開けなくても』のようにジョイラ以上の明るさを出さずに進めるには、音源化されていない『もうこんなに好きになれない』が適任だと判断しました。

ブロック4

- BRIDGE VCR 2
 ひらがなけやき
 僕たちは付き合っている
 永遠の白線
 NO WAR in the future
 キュン
 誰よりも高く跳べ!
 キツネ

前回作った『ひらがなけやき』『僕たちは付き合っている』『永遠の白線』の1期生初期曲メドレーをこの位置に持ってきました。これでさらにコンサートに厚みが出ると思います。前回の反省としては、「圧倒すること」に注力して抑揚が少なかったこと、つまり「時間の長さから来る満足感が少なかった」ことなので、この一つ前と後の真面目ブロックを活かすためにも後半に持ってきたという意図です。

前回、「誰跳べとキツネをほとんどのコンサートでラストスパートに持ってくることは思考停止だ」なんて言いましたが、なんだかんだでその使い方で機能することは確かです。でも私はそのような理由のない組み方はしません。このブロックでは、1期生から3期生までが加入していく過程を表現しようとしています。ただ、正式な選曲ではなく所謂ラストスパートブロックとして勢いのある曲を選んでいるため、無理やり感が出てしまいますが、時期的にはそこまでズレがないので大目に見てもらいたいです。

初期曲メドレーの3曲は言わずもがな「1期生活動期」、そこから『NO WAR in the future』で「2期生合流」、『キュン』で「上村ひなの加入」・「グループ改名・独立」、『誰よりも高く跳べ!』で「新3期生加入」をそれぞれ表現。22人揃ったら最後に『キツネ』で会場のボルテージを爆発させてブロックを締めます。本当ならこのブロックにはジョイラやアザカワが正式な選曲として入れるべきなのですが、ジョイラは22人で歌うべきだし、アザカワは終盤で機能するほど実力がないので外しました。

ブロック5

- BRIDGE VCR 3
 声の足跡
 青春の馬
 川は流れる

今回のセトリはこのブロックから始まりました。「このブロックのためにどう展開していくか」を考えた結果が、ブロック4であり、ブロック3のジョイラであり沈恋であり…、それらが前回の反省点である「抑揚(ボルテージの波)を作る」ことに繋がり、結果的に繋がったと思っています。

選曲の理由は、「『声の足跡』『青春の馬』は重要な場面で使うべきだ」という認識、この1点のみです。「それならこの2曲を使って締めよう」と始めに決めてセトリ作りが始まりました。ただ最初はこれで行こうとしたのですが他の部分を確認していた時に、こん好きと川の使い方に悩み始めました。元々は、こん好きは車輪の後ろ、川はOPBの4曲目で、特にこん好きの扱いが雑というか無駄遣いというか贅沢というか、勿体ない感じがあったんですよね。そこで色々試してみたら「OPBなら4曲目が面白いかも」と大きな違和感がなかったためその位置に入れて、そこに配置されてた川はクロージングに移動になりました。一番最初にこのコンサートのセトリを作った時もクロージングに抜擢したのですが、その後作るセトリには「川はドームコンの最重要曲だ」と位置付けてオープニングにしたり重要ブロックの中に必ず入れたりしていたので、個人的には戻ってきた感があるというか、最初のインスピレーションやイメージはかなり影響されるんだなと思いましたね。『川は流れる』がクロージングとして機能すると考える理由はここからどうぞ

終わりに、前回の反省点の解消

前回の反省点と懸念していたことは以下の通りです。

「このコンサート自体が大きな演出になっている」ことに頼りすぎて、セットリストが普通に見える(楽曲が中々増えないのにコンサートを頻繫に開催するからこその、グループの限界でもある)

楽しい曲を前半に、真面目な曲を後半にそれぞれ振り切っていて、全体的なボルテージの波数が少なく抑揚がほとんどないため、時間の長さから来る充実感が多くない

「このコンサートにおいて”意味”を持つ曲」があまりにも多すぎて配置に縛りが出来てしまった
日向坂46 東京ドームコンサート セットリスト最終案 - 懸念事項より抜粋

3つ目は、そもそものコンセプトなのでクリア。2つ目は、今回達成したい目標として掲げてクリア出来たと思っています。1つ目は、括弧の中にも書いたようにグループの限界なので見栄えが変わらないのはしょうがないとは思いますが、それでもクリアしなければならない。個人的にはクリア出来たと思っています。

日向坂のコンサートにおいて扱いに困るのは意外と表題曲だと思ってます。特に今回のような歴の浅いグループのアニバーサリーコンサートだと尚更です(表題曲は必ず使わなければならないから)。中でも『アザトカワイイ』は曲がダサい分さらに難しい。『My fans』もその理由で外してるんですけど、『ひなたざか』に収録されてる曲は扱いづらいです。『ソンナコトナイヨ』までとは違う日向坂になってしまった感覚(情勢が様変わりした影響か?)。

ただ、次回行おうとしている「日向坂46 東京ドームコンサートシリーズ」最終回である「理想と予想を極限まで擦り合わせてみた」ではこれらの曲も上手く扱わなければなりません。恐らくユニット曲もかなり披露されるでしょう。ユニット曲は全員参加が最低条件になるでしょうし、1人で4曲も5曲も参加することのないようにしないといけないし、でも人気曲はやった方がいいだろうし、でも乃木坂46のような単調なアニバーサリーコンサートにしてはいけないし、それらを含めて大変になるかと思いますが、彼女たちの一区切りに間に合うようこのシリーズも終わらせたい。その先にある7thもしくは2ndALを含めた新しいセトリを考える日のために…。

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