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バイト死ぬ程辞めたい~「一般常識」とクイズ番組~

バイトから帰って来てノホホンとしている自分を後ろからぶん殴りたくなってから、ストレスが止まらない。俺はバイト先にいるだけで一時間につき1115円を貰える。
俺にはやらなくてはならないことが無数にある。しかしその無数の全てをバイト先で実行することができない。でも金を稼がなきゃ直にパソコンの画面すら光らなくなる。本当にムカつく。

俺は自分にとってどうでもいいと思うことを記憶することができない。というかどこかで記憶しない!!と決めているのだと思う。
がしかし年齢を重ねるにつれ、自分にとってどうでもよくても覚えておかなくはならないことが増えている。例えば「手続きに関する期日」とか。
だから俺は今日、自分の左手の甲に極太マッキーペンで「期日」を書いておいた。バイト先の事務所で社員さんが電話越しに謝っているのを見かけた。
支店長からの電話だったらしい。内容は、施設の偉い人から(うちのコンビニはその人に頭が上がらない)支店長の元へと直接電話が来て、「左手にメモを取っている男の子がいて「見栄えが悪い」「不衛生」なので注意をしといてくれ」と言われたので、落合君に注意をしておくように、とのことだった。

施設の偉い人以外は「バカバカしい」と心の底から思っていたのは皆の表情からして確かだったが、支店長に注意された上司は立場上「手の甲にメモを取らないように」と俺に言うしかなかった。
俺はあまりにも馬鹿馬鹿しくて、施設のクレーマーも、支店長も、支店長からの指示を受け立場上、一応俺に注意をした社員含め、その全員が本当に心の底から馬鹿馬鹿しくて腹の底から大声で笑ってしまった。
本当に辞めたいと心の底から思う。
こんなことに一秒でも時間を割いている大人がいることに、俺は怒っている。
施設の偉い人は隕石が落下してこないことを心から祈るべきだ。
レジを打っている最中に遠くから隕石が落ちてくるのが見えたとして、確実に全員が死ぬことが分かった時、俺は全力疾走でそいつの部屋まで行く。

手の甲は俺の身体であり、お前らのものではない。なのに俺は手の甲に書かれた文字を誰かの命令によって自分の手で消さなくてはならない。
制服は、「役割を与え人格を剥がす」ためにある。
本当に気持ちが悪くて吐きそうになった。

「社会一般的に」「それは一般常識だよ。」としたり顔で口に出す人が大勢いる。その一言で俺をねじ伏せれると勘違いしている。
「社会一般常識」はバカのためにある。ここで言うバカとは「自分の頭で物事を考えることを辞めた人達」のことだ。こいつらは「ルール」に依存して脳味噌を使うことを完全に辞めてしまった。「社会常識」を語る阿呆のために「社会常識」はあるのだ。

俺は昔からクイズ番組があまり好きではない。何が面白いのかさっぱり分からない。あれ程までに生産性がないのは逆に凄い。
いい歳こいた大人が「知っているか」「知らないか」ということをその場だけで競いあってポイントをもらって、ガッツポーズして、一体なんなんだ。
俺は「知っているか」「知らないか」ということだけで差が付くことに心から興味がない。
「一般常識」は一つのジャンルとしてクイズ番組で出題されることがある。これは偶然ではない。

左手の甲に極太マッキーペンで大きく、バッテンを書き右手に下手くそな字で「手の甲にメモを書いてはいけない」とメモをしておいた。忘れてしまいそうなので。



落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。