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生活のかけら

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日々の生活で考えたことのかけら
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#生活のかけら

Lights will guide you home

最近、バスを逃す機会が多い。 徒歩30分の帰路を歩くのにも慣れてきた。冬の夜空は空気が凛としていて、頬を撫でる風が冷たくて、割と好き。だから、たまには歩いて帰るのも良い。そう思える。 そして、目につくのは街路樹を飾っているイルミネーション。 この前、友達に「東京は普通に過ごしていてもイルミネーションに遭遇できるから良いよね」と言っていた。確かに、そう。適当な駅前でも、この時期は綺麗に飾ってくれているので、煌びやかな光景が目前に広がっている。私のほぼ無人で歩く帰り道を、照らし

鈴の音色と通学路

最近、バスに乗る生活を始めました。 今までは、20分程度なら駅まで歩いていく、という生活を送っていたのだけど今回生活の拠点に選んだ場所が駅からどんなに頑張っても徒歩23分だということ(なんて微妙な距離感…!)、そしてバスの網羅具合が凄まじく、便利だったことからバスの民になりました。 夜遅い時や、歩きたい気分の時は変わらず徒歩だけど、新たな交通機関の選択肢が増えたのはちょっと良いな〜と感じています。 今日学校の前を通った際に、沢山の小学生が乗ってきました。 大半がランドセ

浮かしておく、

最近、ミッドサマーが動画配信サービスにて公開されたみたいで色々な考察をまた見かけることになった。 実は最近になって、ちゃんと本編を通して見たんだけど(それまでは断片的なクリップ等を見ていた。アメリカではよくあること) 「日本の文化に少しでも触れて育った人は恐怖なんて感じない映画だろうな」とぼんやり思っていた。 一神教を信じ、その長い歴史の中で文化を踏み躙り、吸収し、継承されてきた文化と歴史を歩んできた文化圏の中で育った人からしたら、この映画は底知れない恐怖がきっと尾骶骨の

秋彩

金木犀が復活した。 台風でほとんど落ちちゃって、朝夕もぐっと涼しくなったから今年は短かったな…と油断していたら日中の夏日のお陰、見事返り咲いていた。 世の中は金木犀で賑わっているけど、私の家の近くの香りは銀木犀から由来しているものだと最近気付いた。バス停まで歩けば、金木犀の木もあるんだけど、家の一番近くは銀木犀。 金木犀も銀木犀も、日本では自然発生しない植物だから、この花や香りを好きな人が植えたもの。そう考えると、愛しさが込み上げてくる。この話、好きすぎて、この時期になると

22時の車窓から

夜ってやっぱり、優しい時間。 東京のインフラって本当にすごいし、便利だけど、使っていく上ではやっぱり致命的なシステムエラーがあると思う。 事の発端は、静岡から帰ろうとしていた時、よくあるように、今回も首都高付近で様々な理由による渋滞が発生して、駅解散より、家に行っちゃった方が現実的だった事。そして、理由のもう片方がマップ上で調べてみたら同乗していた友人のほとんどが直進距離だと意外と近くに住んでいることが発覚した事。電車で移動しようとすると一度新宿や池袋…都内に出ないといけ

surrounded by the scent of pikake, i close my eyes

どうして、君に電話をするのだろう。 シンプルな答えを出すと、君とお話ししたいことがあるから、なんだけど、どうして、君に、話したいんだろう。 「深夜、よくあることだね」と君は苦笑して言った。 自分のことをしながら、それでも、私が言葉を紡ぐのを待っててくれる。ちゃんと理解しているか、確認してくれる。無言の時間が流れていく、埋めようとしない。 君は慰めの言葉はかけないし、考えていたことが頭から抜け落ちたら諦めてよく分からない最終過程だけ言ってくる。気の利いた言葉も言えないし、自

街全体が雨に濡れる日

散文。 今日起きたら窓の外は土砂降り。もう、アスファルトに叩きつける勢いで雨粒が天から落ちてきている。昨日降ると言われていた雨が倍増しになって今日中に降ろうと決めた勢い。実際夜には止むらしいし。 友達とキャンパス近くで食べる予定だったお昼はリスケ。まあそうでしょう。そうだろうよ。気持ちは分かるがちょっと哀しい。でも家で掃除なりなんなりしていると、いやでも1人の時間って最近ないから重要だよな、と考え直したりするのでもう情緒なんてあってないようなもん。 キャンパス近くのご飯

17度から13度

秋!って感じるこの温度感が何気一番好きかもしれない。日向に入っている時は暖かくて、夜はパキッと冷たい風が漂っている。それをたった1日の内で感じられる秋は素晴らしい。 昨日は結局邦画デーだった。 邦画は物語や動きを見るというよりは登場人物同士の対話と空気感を眺めるものだと思っているので、実は映像で見るより小説で読む方が密度も高くて好き。でも、映画は堰き止められない空気感がふわんふわんと流れていって、そして終わっていくからスナップ写真のような、アルバムを眺めているような気がして