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親戚にコーヒーを振る舞った話

先日、親戚含め7名に自宅で淹れたてのコーヒーを振る舞う機会があった。

僕はバリスタでもなんでもない。
自宅にコーヒーセットを揃え、豆の状態からコーヒーを淹れるのが日課になっているだけの大学生だ。

コーヒー豆の種類、挽き方、淹れ方などに強いこだわりがあるわけでもない。
美味しくなると言われているコーヒー豆とお湯の量の割合には十分気を使っているが、それ以外のマイ・ルールと言ったら沸騰後すぐのお湯で淹れていることくらいだ(理由は本当にない)。

話を戻すと、その日は親戚同士で集まる用事があり、その後、自宅でくつろいでいた所へ「コーヒーを淹れて欲しいな」を声をかけられたことが発端だった。

二つ返事で台所へ向かい、豆を図り、お湯を沸かす。豆を挽きながら、お湯が沸騰するまで待つ。いつもこの辺で豆のいい香りが漂い始める。
コーヒー粉をフィルタに移し、ドリッパーにセットする。お湯が沸騰したらやかんからドリップケトルに移し替え、抽出を始める。
この時、親戚のみんなは絶えず談笑している。
あの瞬間は居間がすごく賑やかだった。

抽出が終わったコーヒーから順に手元へ渡していった。ホットコーヒーは熱くてなんぼなので、7杯分全てが淹れ終わるのを待つことはしなかった。

淹れたてのコーヒーを口に運んでもらうと、談笑の内容も徐々にコーヒーの方へ流れていき、みんなから褒めの言葉を貰った。
酸味が控えめで飲みやすいだの、苦みがちょうどいいだの、どこそこのより美味しいだの。

いつもは自分のために淹れているコーヒーをみんなに飲んでもらい、称賛の声を頂けるのは非日常的で照れ臭かった。

定年後は街中でこじんまりとしたコーヒー屋を営みたいという微かな夢がある中で、なんだか将来の自分を見ているかのようでもあった。


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