【虎に翼 感想】第104話 寅子と航一の合意結婚
事実婚の合意
寅子と航一は、入籍するのをやめた。それは決して “結婚をやめた” とイコールではない。
互いに遺言書を残して、それを婚姻届のような扱いにする。
つまり “事実婚” を選択したのだ。
愛情の搾取。
寅子は、婦人弁護士としての地位を確立するために、優三さんの提案(告白)に乗じて結婚し、名字を変え、弁護士、裁判官としてのキャリアを重ねてきた。
その負い目を、結婚して10年経った新潟の地で、他人の結婚を機に認識させられていたのだ。その負い目はこれからもずっと続く。
航一は、寅子の愛情を搾取した上に成り立つ人生を、よしとしなかった。
寅子は前の晩に夢を見ていた。年を取った二人が河原を散歩し、互いが大切にしていた元夫、元妻の思い出を話し、笑い合う姿。
それはまさに、寅子の “夢” だ。
夢を叶えるのに、法的な婚姻関係は必要ない。
どちらかが妥協するでもなく、折れるでもなく、二人は事実婚の合意に至った。
これで丸く収まったというふうにはしたくない。二人は現行の法律の中で最善を尽くしただけだ。より多くの人が、自分が望む選択を、法的に保障される世の中になることを願っている。
星家での遺言書の取り交わし
一部、推測もあるが、佐田寅子の遺言書の内容は下記のとおりである。
遺言書にはお互い、 “3分の1を相続させる” と書いた。昭和55年に改正されるまでの民法は、配偶者の相続割合は3分の1だったから、法律に忠実にしたと思われる(今は2分の1)。
百合が優未から「おばあちゃん」と呼ばれて泣いている……朋一とのどかからは「百合さん」と呼ばれているから嬉しかったのね……。
その朋一とのどかは……なんだかスンとしている……優未の中学進学に合わせて同居することになっているから、花江の心配しているとおり、いろいろあるのは同居してからなんだろうな。
原爆裁判、第2回弁論準備手続期日
第1回期日から3か月経ち、第2回弁論準備手続期日が開かれた。
事件番号:東京地方裁判所 昭和30年(ワ)第5391号
裁判所ごと、事件の種類ごと(ここでいう(ワ)のこと)に番号がつく。
昭和30年5~6月頃の提訴で5391号だと、年間で1万ちょっとだ。平成~令和の東京地裁では年間3万を超えていたから、件数はまだまだ少なかった。
被告である国側は、裁判所の指示どおり答弁書を提出した。
一般的な答弁書の文言である。原告側訴状の「請求の原因」に対する答弁と、被告の主張も書いてきただけ丁寧だと思ってしまった。この規模の裁判だから当然ともいえるが。
それに対して原告ら代理人は、求釈明申立書を提出した。平たく言えば、こちらの質問に答えよ、ということである。
第1回期日で、被告は裁判所から、次回期日までに答弁書を提出することを指示されていた。その答弁書の提出から第2回期日までの短い期間で原告は求釈明申立書を出してきたことになる。
今のところ、双方とも、次の期日に出してもよい書面を早めに出してきている印象だ。
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狭い法曹界。裁判所では知り合いに会ってしまう。私も前に勤めていた事務所の弁護士先生と東京地裁のエレベーターで一緒になって気まずかったことがある。
寅子は、期日を終えて廊下に出てきた雲野弁護士、岩居弁護士と偶然顔を合わす。
寅子からしたら、両弁護士と轟が会っていることは意外な事実だった。寅子が担当の裁判に関わることだから、やぶ蛇となってしまい、そそくさと立ち去る。
雲野弁護士は足腰が弱ってきている。あの体を支えるのはきついことだろう。本人もこの裁判を終えるまでは頑張りたいと思っているはずだ。
竹もとでのサプライズ
15分最後まで観終えてからの、梅子の「あら、何なのかしら」がじわじわくる。
直明と玲美の結婚式も無事に執り行うことができた。懸案だった花嫁衣裳は誰が着る問題は、和装と洋装を両方取り入れることで丸く収まったようである。
直治はなんの曲を演奏したのだろうか。
竹もとでこれまでの礼を述べる直明の姿に、梅子とともに歴代の直明が思い浮かぶことよ……。
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直明が寅子と航一を竹もとに呼び寄せた理由……
あぁ……女子部の皆(&轟)が揃っている……そこには香子の姿も……(涙)
よねの “不本意だがお前のためだからやむを得ん” とばかりの顔……(笑)
中山先輩は、まだ泣いておりません!
寅子にこれ以上、心躍るお祝いはあるでしょうか!?
さあ、明日の金曜日は、女子部の皆の、この10年余の人生をまとめてうかがいましょう!
「虎に翼」 8/22 より
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