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【虎に翼 感想】第61話 大庭家、相続問題発生


昭和24年4月

花江がワンオペになっている。しかも頑張ろうとしてしまって、はるさんと同じようにできなくて落ち込むが、また頑張ろうとしてしまっている。これはまずい。しかし寅子は忙しすぎて気が回らない。申し訳ないと思いつつ、花江の厚意に乗っかってしまっている。

優未ちゃんは幼稚園に通い始めた。お母さんとの時間が少ない問題が発生しそうではある。
道男にとって猪爪家は実家みたいなもんだな。優未の相手をしていて微笑ましい。笹ずし生活は充実しているようだ。よかった。花江の癒しにもなっている。


寅子、特例判事補に就任

家庭裁判所の庁舎が完成した。
愛のコンサート、“日本コロンコロン株式会社” の文字に期待が高まる。
稲垣も、声がいいから歌えばいいのに。
普段の会話に裁判用語が入るのは、”あるある” かもね。

汐見夫妻に娘が誕生した。かおるちゃん。ママから取って ”香” かな?後で教えてほしい。

寅子は、特例判事補に就任して忙しい日々を送っている。終戦から4年経ち、家族の問題にケリをつけて人生を進めていきたい人々が、家庭裁判所に大勢訪れている。寅子は家事審判を担当する。

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子の氏の変更許可申立……一度、ミスしたことがある。
離婚して妻が夫の戸籍から抜ける場合、妻筆頭者の戸籍を作ってから、子の氏の変更許可申立をして、子どもを夫の戸籍→妻の戸籍に移すという、2段階の手続きが必要になる。
妻側の依頼を受けた際に、子の氏の変更許可申立の手続きをするよう伝えるのを、弁護士も私も怠っていたことがあった。だから妻から問い合わせがきてしまった。”子どもが私の戸籍に入っていない” と。
この母子の場合は、少しくらい遅れても大丈夫ですよ、という件だったので助かったが、DV案件の場合は注意が必要だ。
離婚後、子どもが夫の戸籍に入ったままの状態で、妻と子が引っ越しをして住民票を移すと、夫が自分の世帯の住民票や戸籍の附票(住民登録の履歴)を取得した際に子どもの転居先が載って、居場所が知られてしまうおそれがあるのだ。
トラブルのおそれがなかったとしても、母親からしたら1日も早く自分の戸籍に入れたいはずだ。だから申し訳ないことをした。ヒヤリハットの例として、ずっと心に留めていた。


大庭家、相続問題発生

再会の発端は、寅子の元に、亡き大庭徹男の妾である元山すみれが訪れたことだった。なんだか粗雑な人である。

遺言書検認の場では、寅子も梅子も久々に “スン” となる。寅子、よく耐えた。梅子は離婚したと思っていたから、この場に来たのは予想外だったよね。事前に知り合いであることがバレたら、担当を外されたかもしれないしね。

梅子は離婚していなかった。“絶対に離婚しない作戦” に出たようだ。姑の常が離婚に反対したのかもしれない。“対妾” という点では利害が一致し、共同戦線を張れる部分もある。明日以降、そのあたりの事情も教えてくれるだろうか。

長男、徹太は弁護士になっていた。立ち振る舞いが、以前にも増して父親そっくりになっている。既に結婚もしているようだ。モラハラ夫一直線ではないか。
次男、徹次は、徴兵され戦地で負傷して復員した。完全に荒んでいる。以前、幼い頃の姿が映ったシーンが一度だけあったが、光三郎を気づかう優しいお兄ちゃんのように見えた。一体、戦地でどんな光景を見てきたのだろうか。
三男、光三郎くん……変わらず優しい子でうれしいよ……寅子と同じ顔をしてしまったさ……。

「遺言者 大庭徹男は、死亡の危急が迫ったので、昭和24年3月25日、自宅において、左の証人3名の立ち合いで、その一人、辻文雄に対して、左の遺言を口授した。
1.元山すみれに、全財産を遺贈する。」

検認申立書の記載によると、死亡したのが3月27日。遺言を口授したのがその2日前の3月25日。家族に知られずに自宅に人を呼べたのか。揉めそうな展開である。

寅子が読み上げる「元山すみれに全財産を遺贈する」の言葉にざわつく大庭家。そんな中でも、弁護士の徹太は冷静に文面を確認する。遺言の有効性から争うつもりかもしれない。
そこにすかさず、ささやき梅子が光三郎に、“遺留分” の存在を助言する。新民法も学習していると思われる梅子に、寅子が嬉しそうな顔をしたのを見逃さなかったぞ!
なお、ドラマでは配偶者の相続割合は3分の1と出たが、民法は何度か改正されているから、現在の配偶者の相続割合は2分の1、残りの2分の1を子が等分する。
梅子は、さっさと遺産分割をして、死後離縁すればいいと思うよ。

民法が改正されてから2年しか経っていない。
改正前であれば、家督相続で全ての財産を相続できたはずの徹太と、改正前であれば一銭も受け取れなかったから、最低、遺留分だけでも受け取りたい光三郎。
それぞれの立場での思惑がある。
徹太も梅子も、それ以上になんか考えていそうで心配……新たに3月26日付の遺言書が出てきたりしないだろうな……考えすぎだ。私の悪いクセ。


「虎に翼」 6/24 より

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