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【虎に翼 感想】第43話 直言の懺悔室

朝ドラのセオリーをことごとく覆す朝ドラだ。

優三さんの死亡告知書を直言が隠していたのは、決して娘を思ってのことではなかった。“寅子に倒れられては我が家がダメになる” との思いからだった。

アドラー著『問題児の心理』を愛読書とする直明も、直言の心理は読み取れなかった。

「結婚相手、優三くんか~、花岡くんがいいな~って思ってた。だよな。」と、流れ弾に当たる、はるさん。

「寅ちゃん、優しくする必要ない。罵倒してもいい、きちんと伝えるべきだ」「寅ちゃんのせいにするのか」「許したくなかったら許す必要はない」
よく言った!と思ったのもつかの間、
「花江ちゃんがどんどん強くなって、いやだな~と思ったことがある」と返される花江。

後ろで流れるとぼけた音楽に飲み込まれそうだが、そんな今こそ、戦病死した今こそ、優三さんの言葉をもう一度思い出したい。
「全てが正しい人間はいないから」

優三さんもお気の毒だ。
両親は早く亡くなり、大事な場面でお腹を下しやすい体質は、高等試験の不合格と戦病死のためでしかなかった。
意を決して寅子にプロポーズしたが、義理の両親には “花岡が良かった” と思われ、事実上、婿扱い。
直言に死亡告知書を隠されていたことも、それを上回る懺悔で話がそれ、「お父さんは、いつも応援してくれていた」と、思わず寅子も言ってしまう流れでうやむやになる。
挙句の果てには筆者にも、昨日は、写真のカメラ目線が全然できていないと笑われる始末だ(昨日の第42話、寅子が花江に「写真を飾っていい」と言われた後に写真がアップになるので見てほしい)。
こんなことになっているとも知らずに、優三さんは満州の地で眠っている。返す返すも残念である。

花岡の下宿先を見に行った。佐賀に行く知り合いに実家を見に行ってもらった。結婚相手は花岡くんだと思い込んでいた。周りに自慢できるし、老後も安泰だ。
共亞事件のとき、寅子がしつこくて腹が立った。
はるさんが怖くて、残業と偽って飲みに行ったこともある。
直明が優秀すぎて、本当に俺の子なのかと疑った。
直道とこっそり寿司を食いに行った。
寅子が最初に見合いに失敗したとき、嫁に行かなくてよかったと思った。
優未を“たかいたかい”したとき、鴨居に頭をぶつけたことを黙っていた。
直道が死んだあと、闇市でこっそり酒を買った。

直言の懺悔の数々

“名は体を表す”
ストレートにものを言う男、直言は、どうでもいい懺悔を一生分並べて、満足げに旅立っていった。よかったな。

今日忙しかった私はこれ幸いだ。今日の感想は短くても誰にも怒られまい。

「虎に翼」5/29より

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