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【虎に翼 感想】 7/19 高瀬のキャラメルは気持ちを溶かす


寅子、裁判官としての階段を上る

寅子は高瀬を守った。高瀬だけでなく、三条支部の皆のことも。

森口氏との一件。穏便に済ませては、森口氏だけでなく杉田兄弟にも借りを作ってしまうし、自分がいなくなった後も、高瀬は一生縛られてしまう。この先も、したいようにできるように、怒りたいときに怒ることができるようにするために。だから処分をしたのだと、高瀬に求められた寅子は、皆の前で、自分の言葉で説明をした。

皆が支部長室から出ていった後の力が抜けた寅子に親近感しかない。下から上に吠えまくっていた寅子だが、実のところ、上から下にものを言うほうが難しいし、何倍も労力がいる。東京家庭裁判所の面々のことも懐かしく思い出したんじゃないかな。

寅子は少しずつ、裁判官としての階段を上っている。


高瀬のキャラメルは気持ちを溶かす

今日も高瀬が夜遅くに令状を貰いに来た。
帰り際のキャラメルと、そして、兄との思い出話をしてくれたところにジーンとしてしまった。「支部長の考えを、きちんと言葉で聞きたい」との思いに応えてくれた寅子への、高瀬なりのアンサーだったのではないか。

「おいしいものは、一人で食べてもつまんない」
この先も少しずつ、優未を通して優三さんを投影させてくれるのだろうか。
夜中だからと寝させないで、一緒にキャラメルを食べてくれてよかった。歯なんて何度でも磨けばよい。一緒に磨いている姿にも幸福感があったのだから。
寅子は高瀬との関わりの中で、相手の気持ちに誠実に応えることにより、相手にも自分の気持ちが入り込んでいくことを、実感として得たに違いない。

変顔、まったく伝わらなかった上に1から100まで説明をしなければいけなかったところからしても、いまだ二人には溝があるのは否めない。だけど寅子は丁寧に話をしたし、優未も聞こうとした。深夜という時間帯がよかったのだ。この地球上に二人しかいないような静けさの中で、優三さんに見守られながら話をしたことで、気持ちも少しずつ解けていく段階に入ったのだ。

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航一、ちょくちょく来るなと思っていたら、寅子も思っていた。
寅子は、高瀬だけではなく、自分も杉田兄弟に借りを作らないよう根回しをしていた。寅子と杉田兄弟の話を聞いていた航一も察したようである。

杉田(弟)のほうが融和性がある。気が弱いだけかもしれんが、先日の航一との会話のときもしかり、引くときは早く引くタイプだ。


新潟地方裁判所本庁へ

寅子は、てん補制度により、本庁で週1回、刑事裁判を担当することになった。
地方の民事部で一人の裁判官が複数の支部を担当している例にお目にかかったことがある。月曜日はA支部、火曜日はB支部と持ち回りになるから、裁判官がいる日(曜日)を事前に書記官に聞いておいて、それに合わせて書類を提出できるようにしていた。

相変わらず元気に挨拶する寅子にビクッとする航一を横目に、さりげなく初登場する裁判官の入倉(岡部ひろき)。
たかしの次はひろき。昼の再放送の時間帯、『ちゅらさん』のマチャアキ(堺正章)に続いての小春。ときどき人間関係が混乱する。

ルッキズムというのは相対的評価でもあるのだろうか。航一が上司であることは、彼を卑屈にさせてしまっているのかもしれない。入倉がルッキストであるならば、担当する裁判でも物事を表面的に見てしまい、問題が起きそうで嫌な予感しかない。航一に、どこで髪の毛を切っているのか教えてもらうがよい。

昼休み、かねてより航一が誘って(?)くれていた、新潟地裁の近くのハヤシライスとコーヒーが美味しいお店に、早速行くことになった。意外と寅子が積極的だ。いや、相手をその気にさせるのは、これが初めてではなかったな。

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お店の前に到着……の前に、向かいの司法書士事務所の看板が、とっても風情があると思ってしまった。
地域によっては今でも見る光景だが、地方では裁判所と法務局、役所などが隣接している。そして法務局の周辺には、登記申請を主な業務とする司法書士事務所が多く存在している。だからこの看板が映ることで、新潟地方裁判所と新潟地方法務局が隣接している設定なことが推測できるのだ。

細かい説明は省くが、「仮処分」「仮差押」などの手続きを行う際には、裁判所に書類提出→法務局で供託のため、なるべく早く回る必要がある。だから隣接していると、とっても便利なのである。
さいたま地方法務局が、以前はさいたま地方裁判所の隣にあったのが、離れた場所に移転してしまい、東京・埼玉の事務職員界隈で惜しむ声が出ていたことが思い出された。
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……さて、思い出に浸っている間に、寅子と航一は噂のお店『Light house』に到着した。
航一が先に店に入り、店員と会話を交わす。その声は、寅子の思い出を呼び起こす声……まさか、まさかの涼子との新潟での再会であった……。


次週予告

涼子とお玉はなぜ新潟にいたのか。
稲さんとも久々の再会。待ってました!
とうとう優未に変顔が伝授されてしまった!
優未は航一に馴染めるか!?
来週もいろいろあるぞ、寅子!


「虎に翼」 7/19 より

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