26服目:2024/6/29(土)貴人点(濃茶、薄茶)/茶碗荘(濃茶)

貴人点、久しぶり

久しぶりの貴人点。茶碗荘も含め、とにかく所作をいつも以上に丁寧に。茶碗を持つのは基本両手。お菓子は高坏(たかつき)に載せて。茶碗は貴人台に載せて。うやうやしく行うのがポイント。お茶を出した後、OKマークみたいに指先をまるくして控える(待機する)のもポイント。

すっかり忘れていたが、以前にやったことがあるお点前なので、先生のご指導に耳を傾け身体を動かしているうちにうっすらと記憶が戻ってくる。

とか言うてますけどほぼ新規ですね……。ごくごく淡い水彩絵の具を何層も何層も根気よく塗り重ねて絵を描いているような気分。

この道を行けばどうなるものか(猪木)

茶道という道の場合、歩み続けると口伝になる。

先生との会話の中でそのことを初めて知り衝撃を受けた。今現在はこうしてnoteに記すことを先生が容認してくださっているから、なんらかの形で記憶の補助機能があるが、先へ進むと、記録媒体自体が存在しないなんて…!

何それすごい!!!!!!!(語彙力)

何もかもスマホで撮影してSNSで情報をシェアするのがスタンダードになり、どれだけ情報を読み込ませて機械学習させるかが新たな潮流になりつつあり、すべてがそこに集約されそうになっているというのに、そもそも記録しないし読み込ませない世界が今もあったことに驚いている。もし矢沢だったらこう言うね。「ロックじゃん!」。いや、矢沢じゃない私もそう思う!

でも落ち着いて考えると、別にロックでも逆に新しいとかでもなく、当然かもしれない。

誰だって自分が心から大切にしていることはおいそれと開示できないし、できれば同じ心持ちで受け取ってくれる人に受け渡したい、共有したいもんね。

ふと、初心者教室の最後にいただいた「許状」という存在にも合点がいった。当時は「半年通った末に入門に『お許しが出た』、とは……?」と心底驚いたが、今は「うん、そういうことだよね」と思える。

千利休さんの時代から約500年。間口は広いけど、「どうぞ」と言われ一歩踏み入れると、その奥は狭い細道。
大切に大切に受け継がれてきた長く続く道の凄みをまたひとつ垣間見た思い。

どんぐりのくせに生意気だぞ

そんな長い道の1合目にいるくせにいっちょまえな感想を抱いた瞬間があった。今日のご相伴は私たちの1年後にこの社中に入られた方だった。とてもスムーズにお点前をされていて、1年前の私とは雲泥の差。ただ、歩き方について苦心されておりその姿を拝見し
🎵この道は〜いつかきた道〜
と思わず童謡が脳内をよぎった。

右?左?引く?かぶせる?え?え?え?半歩で?四歩で?え???……(フリーズ)

そんないつかの自分の姿が重なり共感でしかなくて! 目の前のご同輩は、もちろんいつかの私の何倍もスマートだったけど。

私たち皆、同じ道を歩んでいるのだな〜。道の前にも横にも後ろにも、同じ道を歩む同志の存在を感じて心強かった。

なんて先輩ぶった感想を抱いていますけども。茶道500年の歴史の、たった1年のパイセンの感想なのでドングリの戯言です。

着物の道も歩いてる

7月にはあと2日足りなかったがこの猛暑。解禁しても誰も後ろ指は指すまい!と今日のお稽古には浴衣を着て伺った。

1週間前と前日に着付けを練習し、当日の朝40分ほどで着られた。

参考にしたのは去年と同じくすなおさんの動画

去年の浴衣の着付けから約1年。自分の中ですごく進歩を感じられてうれしかった。

去年初めて浴衣を着て行った時は、お稽古の場に到着した時点で帯が半分ほどけて片手で押さえながらの満身創痍状態だった。でも今日は帰宅するまで着崩れをあまり感じなかった! 少なくとも帯が緩むことはなかった。

明らかに、毎回のお稽古で着物を着させていただいているおかげだ。腰紐を締める時の強度の塩梅をなんとなくつかめかけている気がする。長襦袢も帯揚げもなくコンパクトな半幅帯の浴衣は着付けが簡単だということも今なら実感できる。

帰宅後、この社中に加わることができて本当によかった〜と心から思った。この社中でなくてもお茶を続けることはできていたかもしれないし、それなりに楽しんでいたかもしれないが、こんなにやさしく豊かには楽しめていなかったんじゃないかな。カムサハムニダ。

茶菓・茶花・お軸

茶菓

1.青梅
去年もいただいた青梅。本物と見紛う美しいグリーンのグラデーション。中には梅の実が細かく刻まれて白餡にまざっていた。

2.桜桃
濃ピンクや紫の寒天を5mm角くらいにカットしてまぶしてあり、中にはあんこ。ツヤツヤとみずみずしい見た目が涼しげ。群青色のガラスの器に載せて出してくださったのが、濃色のコントラストが茶室の中で強い印象を与えていて美しかった。

3.越乃雪
新潟のお菓子で日本三大銘菓なのだそう。ありがたくも先生がお裾分けしてくださった。見た目は3cm角くらいの四角い真っ白なお菓子。「落雁系のホロっとした食感のお菓子かな?」と口に入れて衝撃。

し、し、新雪や〜! 新雪の中に足をポスッと入れた時の、雪に包み込まれるようにしっとりと柔らかく沈み込む感じ。
軽くてどこまでも深く踏み締められそうなのに、自然とキュッと足が止まる感じ。
踏み締めた足の周りだけ雪がなくなっている感じ。
それが口の中で起こっていた。
口の中に雪積もってたわ。
(え、どういうこと?)

食感って触感なんだな〜。昔からあるお菓子なのに、まったく未知の感覚のお菓子だった。口の中でシュッとなる感覚が楽しくて、合計で3つもいただいてしまった。感謝。

公式の写真が良すぎる

茶花

水仙

桔梗

姫檜扇(ひめひおうぎ)

先日三溪園を訪れた際、前回のお稽古の茶花だったどくだみが咲いていた。以前の私なら、そこらへんの草(by翔んで埼玉)にしか見えず見過ごしていたと思う。それを「どくだみだ〜!」と気づいたことでガイドさんと話が弾んだ。水引草も咲いていたよ。

御相伴:YMさん

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