おっちゃこちゃい

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22服目:2024/4/6(土)炉 透木釜 濃茶(茶碗荘)/薄茶(貴人点)

季節がどんどん巡りゆく今月は透木釜(すきぎがま)。 暖かくなるにつれて釜を火から遠ざけるとのことで、3月は釣って炭から遠ざける「釣釜」、4月は透木をかませて炭から遠ざける「透木釜」。 ちなみに、表千家では3月に透木釜、4月に釣釜と逆なのだそう。 私は基本的に月2回お稽古に伺っている。 3月は、うち1回が稽古茶事だったので、釣釜のお稽古は1回のみ。 4月は、うち1回が再来週の花月になる予定なので、透木釜のお稽古も1回のみの予定。 ということで、いつも以上に一期一会感の強い春

    • 21服目:2024/3/24(日)炉 釣釜 徒然棚 濃茶/薄茶

      春はつりがま炉の季節後半である3月に登場するという釣釜。 小さめの釜が天井から吊るされて、五徳がなくなっていた。基本的には他の炭手前と同じだが、敵は蓋にアリ。 釜がゆらゆら揺れているので掴みにくい。 つまみが掻立鐶というのか安定しない仕様でさらに掴みにくい。 帛紗ごしにつまむので掴んでいる感覚がほぼない。 と三重苦で大苦戦。 さも簡単に見えて、見るとやるでは大違い。お点前のほとんどがそうなのだが、これは特にそうだった。 茶巾絞り、再履修ところで、茶巾の絞り方がいまだにお

      • 【源氏の道】4帖:山崎ナオコーラ『ミライの源氏物語』

        モストオブわかりみが深い茶の歩みの道しるべになればと触れ始めた源氏物語だが、本書は淡交社から出ている。淡交社は茶道にまつわる雑誌や本を数多出版している出版社で、本書は同社の茶道誌『なごみ』での連載をまとめた一冊だった。知らずに手に取ったが、なんだかご縁を感じた。 現代に生きる人が源氏物語を読んだときに感じるであろう「違和感(特に差別意識)」について真摯に向き合い、自身の解釈が書き綴られている。 おかげで、これまでの源氏関連本の中で、最も自分と近しい目線で読め、なんだかホッ

        • 【雑記】2024/2/10(土)Taylor Swift The Eras Tour@東京ドーム

          Welcome to Tokyo 日本公演4daysの最終日に参加した。誘ってくれた友に感謝! チケットの金額にひるんで一瞬躊躇したけれどそんな時はこの金言。 買わない理由が値段なら、買え。 買いたい理由が値段なら、買うな。 テイラー、トキオ、プライスレス。 答えが出たのでいざ東京ドームへ! 17:58開演。 テイラー・スウィストが登場した瞬間、圧倒的な存在感とその佇まいのかっこよさに涙が溢れてきた。たった1人の人間が、5万人以上の観客の熱量を受け止めて大きな力で弾き

        22服目:2024/4/6(土)炉 透木釜 濃茶(茶碗荘)/薄茶(貴人点)

          2024/3/10(土)稽古茶事

          早春の稽古茶事(上巳の節句)年始に「2024年は4回稽古茶事をしましょう」と先生からうれしい提案があり今日はその初回。各季節2回ずつ計8回行えば社中の全員が役回りを一巡できる算段。今回の私は正客を担当。テーマはひな祭り。 なんて淡々と記したが、この稽古茶事は、ひとえに2週連続ですべての準備をしながら笑顔で全役割の指導をしてくださる先生の胆力とお人柄なくては成立しない!!ということも感謝を込めて冒頭に記しておきたい。 根性なしの私は正客として参加しただけでHPゼロに近づいた

          2024/3/10(土)稽古茶事

          【源氏の道】3帖:『源氏物語の教え』

          今回は大塚ひかりさん著『源氏物語の教え――もし紫式部があなたの家庭教師だったら』。 転ばぬ先の杖いしいしんじさん訳の源氏物語を読んだ際、当時の常識や価値観の違いに戸惑いすぎて楽しみきれなかったので、源氏の世界を歩くためのガイドブックにも触れてみようという魂胆。苦手意識が再燃する前の、転ばぬ先の杖というか。 その判断は正解で、第1章からさっそく膝を打つ内容。 源氏物語に触れて「感情移入しづらい…」「理解を示せない…」という感想を持ったのは、それが当時の現実だったからか。

          【源氏の道】3帖:『源氏物語の教え』

          【源氏の道】2帖:いしいしんじ『げんじものがたり』

          源氏の道、2歩目として手にしたのは、周辺本ではなく源氏物語そのもの。いしいしんじさん訳による京都弁で綴られる源氏物語だ。初手で原書は無理だろうと、著書を読んだことのあるいしいさん訳から入ることにした。 光源氏、クズすぎるやん…読みながらまず思ったのが、読みづらさ…! 文体や、古典的な単語の読みづらさではなく、当時の常識や慣習が飲み込みづらすぎて、物語を楽しむ余裕がないほどに混乱した。 特に女性が「人」として扱われていなさすぎるあまり、性暴力が頻発しすぎていてげんなりした

          【源氏の道】2帖:いしいしんじ『げんじものがたり』

          【源氏の道】1帖:D・キッサン『神作家・紫式部のありえない日々』

          末摘花よ、ありがとう茶道に入門以来、源氏物語にまつわる単語に触れる機会が少なくない。 中でも源氏物語を強く意識する契機となったのは、茶杓の銘に「末摘花」を使ったときのことだ。 初心者教室でいただいた手帳に、月ごとの銘の載っているページがあり、ある日、薄茶のお稽古の問答中、そこから銘を拝借し「末摘花です」と答えた。すると、先生と正客役の同輩が「あら、源氏物語ですね」「ですね〜、赤鼻の」と会話を広げてくださった。が、肝心の亭主役の私には、何のことだかさっぱり……。 借り物の

          【源氏の道】1帖:D・キッサン『神作家・紫式部のありえない日々』

          16服目:2023/12/24(日)初炭点前・薄茶平手前

          merry CHAristmas eve!しょぼくれていたいつかのメリークリスマス(B'z大先生)から日々じわじわと元気を取り戻し、クリスマスにお茶でも点てようかしらという気持ちになっていることが、まず私はうれしいわけさ。(誰?) さらに、先生からは、暮れの元気なご挨拶のお返しにと「茶道手帳」をいただいた。思いがけないクリスマスギフトに感謝! お稽古中の写真撮影をやめてみようと思った矢先の手帳。なんてすてきなセレクトなのでしょう。年始から毎回のお稽古で見知ったことをこの手帳

          16服目:2023/12/24(日)初炭点前・薄茶平手前

          18服目:2024/1/14(日)初釜

          師匠あるある言いたい楽しみにしていた初釜。昨年のお正月に支部の初茶会には参加したが、初釜は初めて。はやる気持ちで地区の貸茶室へ。 まずもって。 茶室に入ってまずもって言いたいのは、我が師匠あるある。 我が師匠あるある、早く言いたい。 ご配慮どんだけ…!!! 8畳間いっぱいに茶器やら食器やらお道具がてんこ盛りに用意されていて仰天した。 先生、いつからご準備なさっていたのですか…。もしかしてここ数日ほとんど寝ていらっしゃらないのではないでしょうか…。前日にちゃちゃっと用意

          18服目:2024/1/14(日)初釜

          17服目:2024/1/7(日)濃茶平手前

          2024年もやっぱり楽しい2024年最初のお稽古。2週間足らずしか経っていないのに、気持ちも新たに清々しい気持ちでお稽古ができた。 今日は先生のご自宅ではなく、公共の茶室を借りてのお稽古。生徒は私を含め3人。 濃茶平手前を1人に対し1時間も(!)丁寧にお稽古をつけてくださった。 表現を変えると、指摘するのに1時間かかるほど拙いところがてんこ盛りだった!とも言える……。 でも、いくら指摘されても、ぜ〜んぜんネガティブな空気ではならないのが、先生とこの社中の好きなところ。や

          17服目:2024/1/7(日)濃茶平手前

          【読書】2023年の読んでよかった!

          2023年の読書数は56冊だった。 思ったほど読めていなかったが、良い本との出会いが多かったので、備忘録としてのマイベスト5。順不同。 近藤聡乃『A子さんの恋人』(全7巻)アーティストでもある近藤聡乃さんのコミック。 無駄な線のない絵も好みだし、キャラデザも好み。話の筋ももちろん好み。シンプルなのに重層的で、何度も読み返したい作品。 A子さんが、同じ場所で右往左往しながら自らの手で答えをつかんでいく様子が丁寧に描かれていて、読後感も良い。 「読後感の良さ」は私の中で大切

          【読書】2023年の読んでよかった!

          【読書】宮尾登美子『松風の家(下)』

          (上巻の感想はこちら) 下巻では少しずつ隆盛を取り戻していく後之伴家の姿が描かれる。 物語の後半には、突如、仙台に暮らす辰寿という女性の茶道家の物語が並行して進む。 江戸から明治への移行期について歴史の授業で習った時は、それが如何ようだったかまったく想像できていなかった。だが、よくよく考えれば全ての「白」が「黒」に変わるくらいの出来事だったと思う。天変地異といってもいいだろう。そりゃ、白が黒になったことに気づくだけで10年かかった人もいたにちがいない。 令和の日本だっ

          【読書】宮尾登美子『松風の家(下)』

          【読書】宮尾登美子『松風の家(上)』

          「後之伴家」という架空の茶家を描いたフィクション。 …というテイで描かれた裏千家の物語だった。 利休さん以外の登場人物みんな、名前こそ違えど、ググると“らしき人”や“らしきモノ”のオンパレード。正直「ほぼ事実では?」という気もする。しかし、巻末の解説にもあったように、あくまで「後之伴家」の物語として描いているのだから、宮尾登美子さんが紡ぐ創作物として、詮索しすぎず楽しんだ。 江戸から明治への移行期。おそらく日本じゅうが初にして最大級にひっくり返ったその時期に、完全に文明開

          【読書】宮尾登美子『松風の家(上)』

          12服目:2023/10/29(日)中置・五行棚

          中置用の風炉を置く五行棚今季最後の炉のお点前。 先週に続き中置で、棚が五行棚に変わった。五行とは木、火、土、金、水のことだそう。 木…棚の杉板と竹 火…風炉の中の炭 土…土風炉 金…お釜 水…釜の中の湯 棚の柱となる3本の竹は、それぞれ節が1本、2本、3本と異なる数になっている。 蓋置を棚の下段左に置き、茶杓を引いたあと棚に対して平行にそっと置くのが新しい所作だった。 蓋置を置く際にいつもは右手の親指が手前になるのをそうではなく被せるようにして親指を右に来るよう

          12服目:2023/10/29(日)中置・五行棚

          10服目:2023/9/9(土)席入・濃茶平手前

          茶事に向けて月末に初めての茶事を行うにあたり、席入りを復習。 初心者教室の際に教わったことだが、すっかりきれいに忘れている。特に、日常生活でも役立つ場面がありそうな襖の開け閉めは、ぜひとも覚えたい所作なのに、なかなか身につかない。繰り返すしかないぜよ。 秋のしつらえ茶事では「中秋の名月」をテーマにすることが決まっているが、今日のお稽古も秋らしさ満点だった。 お軸は「閑坐聴松風(かんざして、しょうふうをきく)」 閑坐 とは、妄念を離れて坐禅すること。 松風 とは、茶釜の煮え

          10服目:2023/9/9(土)席入・濃茶平手前