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カエリミチは漆黒の闇。


誘惑に負けやすくしてしまった感のある

私たちが何気なく過ごす、社会の環境。


たとえば、夜中にちょっと小腹がすいた。

なんか食べたい。食べたい衝動に駆られる。


特に一人暮らしなどをしている人など、

誰の目もなく、自由に自分で決断する。

自分を許すように、コンビニに向かう。


でもその自分の欲に「すぐに応えすぎる」と

おそろしいなぁ、と思うこともある。

最近のと違う「ヤバイ」感覚のほう(笑)


これはすべてのことにおいて、

通ずるものがあると想像できたりする。


「欲をすぐに満たさなくても、

実は平気だったんだなぁ。」

って経験をしなくなる、できなくなる。


食べたい食べたいと衝動に駆られ、

すぐに叶えられる環境があると負ける。

誰も叱ってくれないと、監視の目がないと

自分を許してしまう。


でもね、食べたいけど寝ちゃった。

朝になって起きた。あっ。そっか。


食べなくても大丈夫だったんだよな。

食べなくても平気だったな。

そういう経験、ありますよね。


食べたい、食べたいの誘惑の瞬間に

すぐに叶えないでガマンした経験。

これが身につけられる環境がいま、

圧倒的に少なくなってきている。


買うこともそうでしょう?

24時間いつでも、どんなときも。

ネットで欲しいものを買う。届けてくれる。


応えるツールを用意して、囲い込み

消費させ、満足を与え、使いやすく

リピーターになるように万事、整える。


「操作されてる感」にすら気づけない。


そんな環境の日常を繰り返していると、

どこかで戻れないところまで来てしまう。

知らない町に、知らない風景に。


気づけば、すごくわがままな自分がいる。

こんなんじゃなかった「はずなのに」と。


子どものころ、知らない町を一人で歩き、

知らない人に囲まれ、二度と帰れないという

不安に駆られて泣き出してしまったような。


そんな不安さえ、感じさせない環境で

キラキラと明るく、道を照らすかのよう。


気のおもむくままに欲しいものを揃え、

オキャクサマ扱いに私たちも浸り続ける。


消費者である私たちも悪いよなぁと

思いつつ。どっち付かずの顔。


ビジネスは払ってくれさえすれば、

あとはどうなろうが関係ない、

個人の問題だと、逃げるだけ。


知らず知らずのうちに、自分の周囲を

スムーズさと快適さで固めて覆いつくした。

人の心理につけこんで囲い込む。


買ってください、使ってください、

定額で使い放題、〇〇よりオトクです!

ポイント〇倍!急かされ続ける。毎日。


冷静な心理状態を失わせるのには、

十分なデジタル社会の到来を

政府もこぞって推奨していく。


その果てに、何が見える?

叶えて、叶えて、叶えまくって。

できない瞬間、爆発する人間?


ストレスを無くそうとしすぎると、

ストレスをうまく受け流せない人が

増え始め、考えられない事件へ発展する?


もう私たちも薄々、気づいているが

このスパイラルからは、なかなか

抜け出そうという意志を持てないまま。

いつか、ポツーンと虚無感が襲う。


不便なことは、2割くらい残してもいい。

人間の都合に添いすぎず、少し不自由を。

叶えられないことを残す余地を、あえて。


100点取れるなら、80点でいい。

100点でないと、満足しなくなる。

これは実は、すごくコワイことでしょ?


何かをいつか、失ってしまうから。

気づかぬうちに、失ってしまう。

容易に取り戻せない何かを。


いまは、まだ気づかない。気づけない。

しかし、私たちは確実に

判断力を鈍らせていっている状態。


アッチもコッチも立てようと

乱立させてドッチも叶えようとして

判断が難しい、答えが容易に出ない事を

すぐに解決せよと迫る。


ムチャ言うなと。


私たちは帰り道を、覚えてるのか。

あれよあれよとついてきたけれど。

前しか見てなかったよね?


電話番号のようにあっという間に、

忘れてしまうのではないだろうか。


スマホに繋いで指し示す道は

本当に帰れる道なんだろうか。


スマホのライトで照らしても、

最大出力で光を当てても照せない、

漆黒の闇。帰れない私たち。






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