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モノトーンに溺れる絵筆

業火の縹靑/燐藍
火傷に彩られた青蔦
火刑に陥った水面は、未だに翡翠色を保ったまま
白日の焼け跡だけが、眩いほどに鮮やかで――
――訪れた宵闇に彼岸花咲き誇り
祈りの様な10/0.7の狂炎が
酩酊に浸された如月を柔らかに抱擁した__
0.7
0.2
0.0
0.1
0.
霞みゆく左眼の記憶に収斂されし、鮮烈な水彩画
木枯らしに滅び去った世界に
幽かな奇数の照光が射し込む
枯葉、或いは朽ち果てた亡骸に
手向ける造花の花束を求め
彷徨う巡礼者にとって、その光はあまりにも鋭く
__
――
長襦袢の入水 水の中の彫刻刀
それらは滑らかな愛撫と彩色を切り裂き
刻刻と浮游せり白目の鯉は
啄む静脈血を離すことができなかった
肥大化する喜劇≒悲劇を模写したはずの
(少女)の指先は不規則に震え続けて……
私がモノトーンを選択してしまった季節に
空白と暗譜すら鮮やかに忘却する
脱落者の車道、昏睡に浸るルンペンの足跡
色を零す口紅と血痕、逆行する封なき手紙
――此処に描かれた極彩色の煉獄すら
渇ききったモノクロだというのに

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