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モノクロのストーリーテラー

――ザザ降り、さざめく余韻と窓際の花瓶
少女の敗血の痕にモノクロの記憶は藻屑と消えた
遭難と死を繰り返す日々は遺された水のような――
無機質な残数をゲームセンター或いは、
愛亡きふりをする愛という憎悪の片隅で
壊れた目のまま粉砕するみたいだ。
さあ、雨音鳴るままに____
閉ざされたベッドにカッターナイフを突き刺せば
今にも欠落しそうな爪と瞳から零れ落ちる
「理由なき理由」は今日もまた偏頭痛を催した

「黒い太陽を掴め、渇ききったプールサイドの
少女たちの死体と共に」

――3階から解き放たれた猟犬について
嬉々として話す教師の水死体は
左手のアルコールと閉ざされた瞳孔の目線から
震えのアドバンテージともいえぬ、
然し、どうして居住地の存在しない私の部屋の様な廃墟にいるのか、ワタシには理解が出来なかった。
「凍りついた感性のままに盆踊りを踊りたい!」
太鼓の達人に身を隠せ
ワンミスコールは命取り
革命性の無いステップが
いつかギロチンカラーに染まるから! 
――そう叫び散らかす三時間の狂気は、
奇数を忌む私が目視できないシーンに、どうしても「名も無き薬」を求めたくなる衝動に駆られる。
繰り返す××年前の記憶は、あの時………………おけば、メデューサの筏の悪夢を見ることも無かったと、
スルツェイのチケットがほくそ笑む。
――いつまでも藻掻く夕空は鴉と錠剤に浸されていて
消えゆく花火の記憶すら、僕らは忘れてしまうから
海辺のカフカを砂の城に埋めるべきだというのは、紛れもなくルッコラの葉が渇ききった後の
破綻したストーリーテラーである。
「語り部」はいつも、リブロースを切り裂いた後の貴方と貴女のナイフに遺されていると、複雑骨折したマイクスタンドの夢想家は結末を嘯く。
――それでも首を吊ったピエロは
爽やかな笑みをずっと浮かべていたんだ

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