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コーヒーの味の違いってなに?!〜マルテ珈琲焙煎所に聞く商品開発とコーヒーへのこだわり〜

小布施まちイノベーションHUBでは、6月下旬から7月にかけて学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校・N中等部との連携事業「食いしん坊なあなたのための腹ペコライターワークショップ」を開催しました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、完全オンラインでの実施ながらも、小布施町の4つの事業所(マルテ珈琲焙煎所さま、社会福祉法人くりのみ園さま、オブセ牛乳さま、KUTEN。fruit&cakeさま)並びに町内のライター・大宮まり子さまのご協力のもと、商品や小布施の魅力を記事にまとめた生徒たちの作品の一部を紹介します。プログラム序盤の6月に町内外を問わずに大人気の4つの事業所の商品をお届けし実食。その後ライターとしての働き方や心得を学んだのち、生徒自らが考えた質問を直接事業所の担当者に尋ね、記事にまとめていきました。

取材・文 = 春日(S高1期・ネットコース)
元岡宏文(S高2期・通学プログラミングコース)
写真 = 春日、マルテ珈琲焙煎所より提供

皆様は、小布施という町をご存知でしょうか?

小布施とは、長野県の北東に位置する町で、長野県内で最も面積の小さい自治体です。
しかし、小さいながらも小布施には葛飾北斎をはじめとする数々の歴史的資料があり、町自体も、優しい地元の人々や、古き良きを体現したような美しい街並みのある場所で、京都など、様々な名のある観光地にも引けを取らないような魅力が沢山詰まっているのです。
そんな小布施の一角に店を構えているのが、ここ「マルテ珈琲焙煎所」です。

このお店は、マルテ珈琲焙煎所を営む鈴木夫妻が、築120年の蔵を改築して作り、「コーヒーを日本茶と同じ感覚で飲んでもらう」ことをコンセプトにしています。

マルテ珈琲焙煎所店主である鈴木芳彦さんの祖父は、「マルテ製茶」という名で製茶業を営んでおり、そこから「マルテ」の名を引き継いで作られたお店になっているのです。

また、マルテ珈琲焙煎所では常時25種類ものコーヒーを提供しています。
このコーヒーは、小布施にきたら必ず買うという人がいるほどの絶品で、新鮮な豆の香りと優しい口当たりが至福のひとときを与えてくれます!

静岡に生まれ、東京で仕事をしていた鈴木さんは、なぜ小布施町を選んだのでしょうか。それは鈴木さんと奥様との出会いが関係していました。

奥様と結婚することになり、挨拶にと彼女の親戚の家に足を運んだ鈴木さんは、そこで小布施の人たちと交流をし、その中で小布施の魅力を知り、この町で暮らしたいと考えるようになったのだそうです。

今回は、そんなマルテ珈琲焙煎所の代表である鈴木芳彦さんに、インタビューさせていただきました!
その中で、私たちが知ったマルテ珈琲焙煎所のこだわりを小布施の魅力と一緒に伝えていきたいと思います!

今回取材をさせていただく、 マルテ珈琲焙煎所 代表 鈴木芳彦さん。
静岡県磐田市の製茶業を営む家に生まれる。 マルテ珈琲焙煎所創業前は、
東京でグラフィックデザインの仕事をしており、今でも商品のデザインを自ら手がける。

小布施町への移住と開業

ーー先日マルテ珈琲さんについて書かれた記事を拝読致しまして、その中で、「東京のコーヒー店との出会いが、コーヒーへの興味を深めたきっかけ」だとおっしゃっていたのですが、東京で珈琲焙煎所を開くという考えはなかったのですか?

小布施町で珈琲焙煎所を開いたのには、いくつか理由があるのですが、自分が住む場所と、焙煎所ができる土地の両立を考えた時に、自分が住みたいところを優先したいというのがあったんです。
当時は想像でしかありませんでしたが、小布施に住んだら心地よいだろうというふうに思いました。
もう1つは、マーケティング的な観点です。
東京にコーヒーのお店はたくさんあると思うんです。でも小布施町には、当時そういったお店がなかったんですよね。
「1番大きい湖は琵琶湖」でも、2〜3番目とどんどん答えられなくなっていくと思うんです。となると、どのエリアで1番になるかという視点も大事かなと。
住みたい場所と、マーケティング的なもの。総合的に見て、小布施に決めました。

開発に一番時間をかけた商品

ーー今まで開発された珈琲の中で、1番時間がかかったり、苦労した商品があれば教えて頂きたいです。

そうですね、色々な意味で時間がかかったものは、「ブレンド 北斎」です。

小布施は、江戸時代に晩年の葛飾北斎が立ち寄ったと言われている場所です。
私はデザインの仕事をしていたというのもあって、北斎という名前の存在が大きく、ハードルもその分高かったんですね。
なので、その名に恥じない味を作るというのは大変でした。
それから、北斎の絵画を使わせていただくというのも、ある程度ステップを踏まなければいけなかったので、そういう意味でも時間がかかりました。
絵画のイメージに合うコーヒーを作るというのも、難しかったです。
普段と異なる豆を使用したり、ロースト方法を変えたり、苦労はしましたが、おすすめのコーヒーです。

商品開発での『こだわり』

ーー今回頂いた『オブセブレンド 夏』、『中煎り』、『深煎り』、『ご褒美』と、コーヒーに明るくない私でも、4種それぞれ味の違いを感じられたのですが、それぞれどのような思いやこだわりで開発したのでしょうか。

中煎りと深煎りはお店を始めた当初からあった商品です。
中煎りのコーヒーが1番ベーシックという位置づけで作っています。
深煎りもバランスよく、ミルクを入れても合うように、そして飲みごたえのある味を意識しました。
どちらも、酸味が全く無いわけではないが、マイルドで普段飲みができるような、くせが強くないものをという思いで開発しました。

ご褒美は、中煎り・深煎りの1年後くらいに開発された商品で、深煎りなんだけど、華やかさを感じられ、深煎りほど重くなく、強くなく、後味はフルーティで......など、そういった所を意識して開発しました。
位置づけとしては、中煎りと深煎りの中間という感じでしょうか。

のブレンドは、商品名に『オブセブレンド』と付けていて、小布施の特徴を踏まえて、かつ四季に合うコーヒーというのを意識しました。
小布施町って、夜は結構涼しいので、昼間はアイスで飲みたいけど、夜はホットが飲みたくなる。
そのため、アイスでもホットでも楽しめるような商品になっています。

ーーよろしければ、他の四季のブレンドについても、こだわりを教えてください。

「春」のブレンドは、小布施町は花がとても綺麗な町ということで、フローラルなブレンドになっています。

「夏」のブレンドは、先ほども説明した通り、ホットでもアイスでも楽しめるように開発しました。

「秋」のブレンドは、小布施は秋のフルーツがたくさん採れるのですが、その中でもぶどうをイメージした印象になっています。
ジューシーでフルーティ。飲みごたえは軽めのブレンドです。

「冬」のブレンドは、ビターマイルドを意識して作りました。
小布施町は雪が降るくらい寒いので、お家でゆっくりコーヒーを飲んでいただいて、ホッとしてほしいという思いで開発しました。

味覚的な話になってしまうのですが、夏は何となく味覚が鈍化していると感じるので、しっかりした味のものをと意識しました。
逆に、夏から涼しくなった瞬間に、今までの濃い味が重く感じるので、秋になると繊細でフルーティに。また寒くなるとマイルドに。
春になるとマイルドが野暮ったく感じるので、華やかで軽やかに......
そんなこだわりで開発しました。


ーー今回頂いたコーヒーに合わせる、オススメのスイーツなどはありますか?

ご褒美ブレンドには、チョコレートが合うと思います。コーヒー自体に苦味が強いので、ダークよりも、ミルクチョコレートがオススメです。

中煎りのブレンドであれば、マイルドかつバランスのとれた味になっているので、小布施の栗菓子や、らくがん、和菓子など、繊細な味のものに合うと思います。

深煎りのブレンドには、ミルク系のケーキがおすすめです。深煎りは飲みごたえがあり、ミルクが合うように作っているので、とても合うと思います。

また、マルテ珈琲焙煎所の店舗では、
・「砂糖やミルクを入れた状態で楽しみたい」
・「苦味のしっかりあるブレンドが良い」
など、好みや要望に合わせたブレンド選びもしてくださるそうです!

と、いうわけで......

そんな、こだわりの詰まった4種類のドリップバッグコーヒーを飲ませていただきましょう!

(今回は、ホットから、冷めていく過程それぞれを味わいました)

まずはコチラ、『オブセブレンド 夏』をごくり。

爽やかかつ深みのある香りが印象的です!程よく酸味も感じられ、苦味やコクのバランスが良い、飲みやすいコーヒーだと感じました。

個人的には、冷えた状態の味がとても好みでした。
「夏」と言うだけありますから、アイスで飲むにも良さそうです!

続きましてはコチラ、『中煎り』をごくり。

とにかく飲みやすいんです!!私はとても好きな味でした。
苦味は4種類の中で最も少なく、私のような、コーヒー初心者には手が出しやすい!
今回頂いた4種類の中では、バランス型といった感じでしょうか。
味にトガリがなく、毎日でも飲みたい味です!

飽きが全くこない......!

続いてはコチラ、『深煎り』をごくり。

深煎りは香ばしく、重厚感のある味わいでした。
酸味は4種類の中で1番少なく、苦味はつよいので、甘いものともマッチしそうです!
苦味はありますが、どこかマイルドで、お仕事中の人にそっと差し出したい、そんな優しい味がします!

最後はコチラ『ご褒美』をごくり。

飲む前から、複雑で華やかな香りが鼻腔をくすぐります。
「なるほど......ご褒美......なるほどな......」と、香りだけで納得させられてしまいました。
苦味が初めに来るのですが、後味はフルーティで、次のひとくちについ手が伸びる、クセになるコーヒーです。

特別な日に飲んでいただきたい、そんな繊細さが伺える味わいです。

今までの私は、「コーヒーはコーヒー!全部同じじゃないの?」なんて思っていましたが、一つ一つ全く違った味わいで、コーヒーの奥深さを実感しました!
皆さんにも是非、お気に入りのコーヒーを見つけていただければと思います!
というわけで、「コーヒー超初心者 わたし」の飲み比べレポでした。

まとめ

いかがでしたか?
店主のコーヒーについてのこだわりや、マルテ珈琲焙煎所の、そして小布施町の魅力を伝えることができていましたら幸いです!

そして、この記事を読んで、「マルテの珈琲は飲んでみたい、だけどいきなり県をまたぐのは......」という方、朗報です!
マルテ珈琲焙煎所には、オンラインショップがあります!!
お取り寄せをして、マルテ珈琲の新鮮なコーヒーをまずはお家で楽しんでみてください。
パッケージも素敵なので、贈り物にもオススメです!

下のリンクからチェックすることが出来るので、ぜひ覗いてみてくださいね!
https://shop.marutecoffee.com/collections/all

(今回ご紹介した商品も購入できます)

ですが!
マルテ珈琲焙煎所には、素敵なお店の雰囲気や、自分好みのコーヒーを選んでいただけるなど、リアルならではの魅力も満載ですので、ぜひ小布施町を訪れ、直接購入することをお勧めしたいです!

この他にも、小布施町には魅力的なところが盛りだくさんですので、皆さんもぜひ足を運んでみてください!
その際には是非、マルテ珈琲焙煎所へ!

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