見出し画像

#13 記憶の奥に潜む師匠

オシダナ(推し棚)は、小布施町民の方々、テラソ利用者の方々の推しの本たちをご紹介していくコーナーです。不定期更新。

本日お話を伺うのは、デザイン部の講師も務められている小布施在住デザイナー小島有さん。小島さんの大切にしている一冊とは。

志賀:最近は週1くらいで顔合わせていますが、本の話するのは初めてですね(笑)小島さんの大切な一冊、なんだろう…デザイン系かな…。

小島:デザインのも1冊持ってきたんだけど、もう1冊絵本も持ってきちゃった。

志賀:じゃあ絵本から!

小島:みんな知っている超有名なあれです。中川李枝子さん・大村百合子さんの「ぐりとぐら」

志賀:しかもシリーズ一番最初の本!巨大カステラのやつですよね。

小島:そうそう。もうこの本は全子どもが憧れてきた道と言っても過言ではない気がするんだけど、もれなく自分も含めた小島家の全員が好きだった。何度も読み聞かせしてもらったし、自分でも何度も読んだ記憶があるから、俺にとって懐かしい1冊なんだよね。

志賀:私にとってもです。あのカステラをつくりたくて何度失敗したことか…

小島:わかる。絵本からやりたくなることってあるよね。俺は地味に卵を見つけて工夫して運ぶシーンが好きなんだよね!自分の体より大きなものを工夫して担いで運んでいるのが何とも言えず好きで。

志賀:そのシーン好きなのニッチですね(笑)

小島:この本は、デザイナーになるきっかけを与えたというわけではなくて幼少期に何度も読んでいたから思い出深い…というだけなんだけど、でも挿絵の魅力とか絵で印象を与えられるっていいなっていう潜在的な記憶には繋がっているかも。読むというより眺めてた記憶があるから。

志賀:なるほど。確かに、角がちょっと折れてたり紙の質感から何度も読みこんでいる跡が伝わってきます。もう1冊も聞いていいですか?

小島:アンディ・ウォーホルの画集なんだけど…。

志賀:画集持ってきた人初めて(笑)

小島:これは、俺がすごい!と思ったデザイナーで、この人の作品を見て触発されることが多いんだよね。手元に置いて勉強させてもらっている。出会った時期は割と最近なんだけどね。

志賀:(パラパラと中身を見ながら)なんだか私の知っているウォーホルの作品とちょっとイメージ違うような…

小島:そうなんだよ!これは、それこそ有名なキャンベルのスープ缶とかのPOP時代よりもっと前で彼が商業デザイナーとして活動していた頃の初期の画集なんだよね。俺はこっちのテイストが好きで、線の書き方とか色の使い方とかすごく影響を受けてる。

志賀:いいなあ。そういうビビッとくる人がいるって素敵ですね。ウォーホルは小島さんにとって一番影響を与えている人なんですか?

小島:いや、別にそういうわけではないんだよね(笑)やっぱり色んな作品を見るし、自分のタイミングによっても好きな作風って変わるし…。他にもミッフィーのデザインをやっているディック・ブルーナとかからも影響受けていると思うよ。

志賀:!!!わかる!!!小島さんのシンプルでパキッとした雰囲気の線とかって確かにミッフィーだ!ポップで原色に近い強めの色合いの組み合わせが好きなイメージあります。テラソの物語祭のデザインとかもそうですよね。

小島:そうだね(笑)結構、ああいうの多いかも。

志賀:作品の背景にある人の影を紐解いていくの興味深いです…。作風が変わった!って感じたらまた是非インタビューしたい!今日はありがとうございました。

記事をお読みいただけるだけでとても嬉しいです。ありがとうございます。 もしもサポートをいただける場合は、図書館企画の運営費として大切に使わせていただければと思います。図書館の進化プロセスを今後もご一緒できたら幸いです。