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#10 終わりがあることの美しさを教えてくれた本


オシダナ(推し棚)は、小布施町民の方々、テラソ利用者の方々の推しの本たちをご紹介していくコーナーです。不定期更新。

テラソに素敵な期間限定インターン生が来てくれました。テラソ設立時に栗小生だったという彼女。おすすめの一冊は?
※ 多少ネタバレを含みます。

 
小林:2冊の絵本で迷ったのですけど…多分図書館にあるのはこっち、と思って選びました。


志賀:それは…(図書館になさそうな点も含め)2冊とも気になる…!選ばれなかった方からお伺いしても?

 小林:初めて誕生日にもらった絵本なんですけど…『たんじょうびはふねにのって』という本で、主人公の名前を自分の名前に変えられるんです。両親がよく寝る前に読み聞かせてくれていた、一番深い記憶にある大切な本です。


志賀:な…なんて素敵なエピソード!それは確かに図書館には絶対ない…。小林さんのためだけの、愛が詰まった大切な一冊ですね。絵本は昔からずっと好きなんですか?

小林:そうですね。よく両親から読んでもらっていたとは思います。おすすめの本、って言われたときに「どうしよう…本読まないな…」と思ったのですが、「好きなら何でも!最近自分も絵本しか読まない(笑)」ってスタッフさんに言ってもらえて、ほっとしました。今はそんなに読まなくても、絵本に身近さは感じています。

志賀:思いがけず小林家の愛情に触れられて嬉しい気持ちのまま、もう一冊の選ばれた本が気になります!

小林:佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』です。

志賀:きました!不朽の名作。理由をお聞きしても?

小林:ずっと存在は知っていたんですが、実は読んだのは最近なんです。私、Youtubeのゲーム実況が好きなんですが(笑) その配信者が泣ける本としてこの本を紹介していたので初めて手に取って読んでみました。
そしたらものすごく心動かされてしまって…はじめて泣かされた本ともいえます。

志賀:わかる…。私、小さい頃にこの絵本読んだ時にはよくわからなかったんです。よく死んで生き返る話だなーくらいにしか。大人になって読み直して、こんなに深い話だったの!?と驚愕したし、とても重く響いてくるものがあったのを覚えています。小林さん的には、特にどんなシーンが心に残っていますか?

小林:最後のほうの3ページが全部好きです。
ねこが「一緒にいても良い?」と聞いて、白猫に「ええ」と受け取ってもらえて、幸せに暮らしたあと二度と生き返らずに終わる最後までのページ。
あそこで心をつかまれました。

志賀:(無言の頷き)…心をつかまれたとおっしゃいますが、もうちょっというと?

小林:なんだろう…なんだかすごく美しいって感じたんですよね。
これまで私、「永遠」とつくものが好きだったんです、永遠の命とか、永遠の愛とか。でもはじめて終わりがあるっていいなと思って。終わりがあるって美しいなって思ったんです。

志賀:なるほど。小林さんの価値観が動いた絵本でもあるんですね。大人になって読む絵本には響くものがあるよなあ…

小林:そうなんです!小さい時に読まれたの羨ましい…。小さい頃と今でどう感じ方が変わるのか知れないことが残念です(笑)

志賀:(笑) 今度、大人が改めて絵本を読む会とか、やりましょうか!

小林:…!やりましょう!

志賀:小林さん、素敵なエピソードをありがとうございました。



追記:
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