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#3 歴史嫌いを歴史好きにした一冊

オシダナ(推し棚)は、小布施町民の方々、テラソ利用者の方々の推しの本たちをご紹介していくコーナーです。不定期更新。

今回は、サウナにどハマり中の総合政策推進室専門官 兼 小布施町サテライトオフィス管理人の林さんにお聞きしました。林さんの印象深い一冊とは…?


林:ラルフ・イーザウさんの「暁の円卓」です。

志賀:!!!ラルフ・イーザウと言えば「ネシャン・サーガ」じゃないですか!丁度、私達が中高生時代に大流行でしたよね?それなのに私、暁の円卓は読んでません…。


林:
そうですよね(笑)僕の周りも暁の円卓全巻読んだよって人、あまりいなくて…。超長いんです。全9巻。そして歴史ファンタジーものなので、少し今までの作品と比べると系統も違くて途中で読むのをやめちゃった人も多いのだと思います。


志賀:それでも読了されたということは、林さんはよく本を読まれる方だったんですか?

林:それが実はそうでもなくて。読書面白いと思うきっかけとなった「ハリー・ポッター」に出会う前は殆ど読まなかったですし、読むようになってからも頑固に海外のファンタジーものしか読まないという謎の拘りを持っていました。あ、持っている、か。今でもだ(笑)


志賀:ファンタジー偏愛というところまでは分かりますが、海外作品に拘るって…なぜです?

林:僕の中で非日常を楽しむのが読書なんです。だから登場人物に、林さんとか山田さんとか出てきて欲しくない(笑)一気に現実感が出てしまって入り込めないんです(笑)


志賀:なにその理由!新しい!クセ強め!(笑)その中でも、暁の円卓が印象的なのは何故なのでしょう?

林:ちょっと話は逸れますが、実は僕、学生時代は歴史が凄く嫌いだったんです。暗記ものが嫌いで、頭に入ってこないし、覚えたくもなかった。他の勉強に比べても時間の無駄なような気がしていたんですよね。
けれど、暁の円卓を読んでから歴史に対する見方が変わったんです。そうか、歴史って「物語」なのか!と腑に落ちたというか。
この本は一部史実に基づいているところもあって、気がついたら歴史の勉強をしているんですよ。昭和天皇の幼馴染として育ったイギリス人の主人公を通して、昭和天皇の苦悩について思いを馳せてみたり…。それぞれの時代背景や人の思惑が折り重なる、先が読めない物語に夢中になっている自分に気がついたときに、歴史を学ぶのも同じ構造だとハッとしたんです。それまで嫌いだったものが、一気に面白いものに変わりました。そういう意味で、僕に革命を起こしてくれた本なんです。


志賀:
思った以上に深い理由じゃないですか。歴史は確かに物語ですよね。切り取られ方によっても違いますし。生き様や意思決定から学ぶことも多いですし。

林:面白いですよね。今は実用書ばかり読むようになってしまいましたが、今日こうしてハードカバーの本を前にしてみると、懐かしい気持ちになります。全部実家にあるな。懐かしくなってきちゃったな(笑)


志賀:
時間の空いた時に、是非また非日常への旅を!


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ラルフ・イーザウさんは、ドイツ人作家の方で、他にも『盗まれた記憶の博物館』など数々のファンタジー小説をお書きになっています。

どれも引き込まれていく壮大な世界観。是非お手に撮ってお楽しみください!


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