「自閉症の基礎知識」サービス提供責任者当時に書いていたブログからそのままコピペ【2006/03/20(月)03:35】

自閉症について

さてさて、皆様いかがお過ごしでしょうか?私は今月も休みが無いのか、はたまた1日くらいはたなぼた的に降り注ぐのかなんて考えながらの毎日です。独身だからやっていけているものの、奥さんいたらとっくに家出をしとりますわ。

「そんなに仕事が好きなら仕事と結婚すればいいでしょ!!」

って言われそうです。「両方好きなのよ~…。」とか言いながら泣きますよ、きっと。ああ、だから結婚できないんだ!…ま、20代も数年残ってる事だし、結婚はまだ早いか。うんうん、そうだそうだ…きっとそうなんだ、同級生が次々と結婚してるけど、きっと夢に違いない!あはははっ!(←現実から羽ばたいた瞬間)

…は!?ココは誰?私はドコ?
…今日は専門分野に突入です。そんなに難しい事は書かないつもりですが、漫画抜きなのでつまらない&わからないかもしれません。おまけに長いです。興味ある方は、その辺を了承の上続きを読んでくださいませ。


今回は、自閉症についての基礎的な説明をします。そもそも、自閉症だけで分厚い本が書けちゃうくらい深い分野なので、事例なんかとかは別の機会で書きたいと思っとります。

まず、自閉症とは発達障害(先天的な脳機能障害)の一種で、主に対人交流に困難を抱えるグループのことを指します。つまり、自閉症ってのは引きこもりやうつ病などのような心の病ではなく、アルツハイマー等の認知症(昔で言う痴呆症、ボケ)と同じように脳の病気だという事です。自閉症と言う言葉の意味から誤った認識を持っている人が意外に多い現実があり、それがいらぬ誤解を生んでいる事も多々あるようです。

自閉症の3大特徴

1、社会性の障害
つまり、他者との交流がスムーズに行かない事です。一口に自閉症といっても様々なタイプがあり、大きく4つに区別できると言えます。

・孤立群
1人遊びを好み、他人が存在しないかのように行動してしまうタイプ。ちょっと詳しい人だと自閉症といったらこのタイプを思い浮かべる人が多いかもしれません。極端な感情の変化がなければ表情が変わる事はなく、他者と目を合わせる事も殆どありません。どんな人ごみの中でも人を避けようとはせず、来る人来る人に肩をぶつけて歩いたり、子供がうずくまっていれば物のように踏み越えて行くでしょう。また、怒りや喜びなどで気分が高揚すれば、静まり返った教室でも大都会のスクランブル交差点でも奇声を発したり大声で笑ったりもします。一般の人達にはいわゆる気が狂った人という目で見られる事も多いと言えます。しかし、高い所にある物が欲しい時やジュースのふたをあけて欲しい時などは、相手の手を引っ張ってその場所に連れて行ったりします。目的が達成すると何事もなかったように無視する状態に戻ってしまいます。逆に、目的が達成されないと、達成されるまで泣いたり騒いだり暴れたりし続ける事もあるのも特徴です。しかし、このタイプは集団・組織の長を見抜く力があり、何か要望がある時(だけですが)は、間違いなくリーダーや係りの人の所に行きますが、何故判断できているのか現在では説明できない謎となっています。本能でしょうかね?相手の強さや組織のリーダーを見抜く力は野生動物の大半は持っている能力なので、その能力が退化せずに残っているのでしょうか?よくわかりませんが…。

・受動群
他人を避けようとせず、話しかければ応答のあるタイプ。相手の問いかけには応じるし、手をつないでも振り払ったり避けたりはしませんが自分からそれらをするかと言ったらまずしません。目を合わせても直ぐに逸らす訳でもなく見詰め合う事もできますが、やはり自らはしないでしょう。このタイプは行動障害(問題行動)が最も少ないと言われているので、家族や介護者サイドから見れば最も楽なタイプであり、一般の人達と関係を築きやすいタイプとも言えます。

・積極奇異群
他人と交流をしようとして話しかけるのだが、一方通行になりやすいタイプ。相手が話しかけてきても返答しなかったり、遮って話を続けたりする。ただし誰にでも同じように積極的かというとそうではなく、自分の世話をしてくれる人、優しくしてくれる人、つまり自分にとって有益な人を選んでいる節があります。家族で言えば母親、学校ならば担任や気さくで優しい先生、サークルなどならリーダーに対して積極的に質問したり自分の事を伝えたりする傾向が強いようです。特に男性の場合、女性に向けられる事が多く、相手の顔の間近まで迫ってきて目を強く見つめながら一方的に話しかけたりします。孤立型とは逆で、体に触れる事を好む傾向があり、手を握ったり体を抱きしめたりする事もあります。一般人から見るとその行為は異様で嫌悪感や恐怖すら与えてしまうもので、逃げられたり警察を呼ばれてしまったケースも聞いた事があります。しかし、本人にとっては相手が嫌がっていたり怖がっていたりしている事実になかなか気づく事はなく、良い人間関係を築けるケースは稀です。そしてこのタイプは、自分の思い通りにならなかった時に攻撃的になる場合があります。例えば、上記の事が受け入れられなかったり、誰かに注意されたりすると、力任せに相手を殴り飛ばしたり、家に帰ってから星一徹ばりのちゃぶ台返しをしてみたり、想像できうる限りの乱暴な言葉を使い罵ったりします。ただし、事が済むと対象者に対してしつこく謝ったり反省したりする事も多いのが特徴です。しかし、謝って相手が許してくれた瞬間から何事もなかったように普段どおりに戻ってしまい、また同じ事を繰り返すケースも多い気がします。

・形式ばった大仰な群
過度に礼儀正しく振る舞い、その為に非常に努力するタイプ。最も知的能力が高く、良好な言語レベルの人達です。社会や人付き合いのルールに厳格にこだわって何事も対処しようとするが、本当の意味でそれらのルールを理解していない事が原因で、時間経過や状況変化に伴う対応の微妙な変化についていけず、独特な行動をとってしまい上手くいきません。例えば、家族に対して馬鹿丁寧な言葉で話しかけたりします。また、雑誌に、彼女を作る為には積極的に主導権を握るようにと書かれていれば、見知らぬ女性に「キスをしてもよろしいでしょうか?」と尋ねたりもします。自分がくすぐられる事を好むならば、親切心から初対面の人に対してもいきなり脇腹をくすぐったりします。


2、コミュニケーションの障害
細部にこだわった不自然な話し方,言葉通りの解釈,非言語コミュニケーション(視線,表情,身振り)を使用したり、理解するのが苦手な事が多いです。例えば、「警察は何故必要か?」と尋ねられた際にイギリスの内務大臣をしていたロバート・ピール卿が1829年にロンドン警視庁を創立したという歴史的背景から返答を始めたりする。また、冷蔵庫から麦茶を飲む際に「母さん、冷蔵庫からペットボトルに収められている麦茶を取り出して、ミッキーマウスの描かれしグラスに注いで飲んでもよろしいですか?」などと、不必要に細部までこだわったり、古風な表現をしたりします。
言葉通りの解釈も大変生活を困難にさせており、いわゆる社交辞令は理解できません。例えば、養護学校の恩師に偶然会って「今度私の家の近くに来たら遊びにおいで。」と言われたら、次にその先生の家の近くを通るのが早朝だろうが深夜だろうが絶対に遊びに行く事でしょう。それどころか、「近くに来たら」を聞き逃していればもっと大変な事態になります。その先生が北海道や沖縄に引っ越したとしても会いに行こうとするでしょう。もし、家族や介護者が止めても「先生は遊びにおいでと言った!」と納得するまでは一苦労も二苦労あるでしょう。…と、いうか、実際一番良く聞く事例がコレだったりします。自閉症とかかわりを持つ養護学校、特殊学級、各種福祉機関の方はくれぐれも軽はずみな事は言わないように心がけて欲しいものです。その一言で家族や本人はとても苦しんでいる現実を理解して欲しいですね。 


3、想像力の障害
ありもしないことを想像する能力に困難があるために、特定の活動や興味にこだわってしまうことです。基本的にはおままごと・お医者さんごっこなどに代表されるごっこ遊びができません。なかには、ごっこ遊びらしき事をしている場合もありますがよくよく観察していると、ごっこ遊びではなく完全になりきっていたりします。アニメの主人公になりきって、ヒロインと結婚すると言い切る場合さえあります。ごっこと割り切っていないので、それを否定されたり自ら気づいた時に気持ちをどう処理してよいかわからずパニックを起こしてしまう事も少なくありません。


その他の特徴

☆許容範囲の障害
自閉人は非自閉人に比べると、許容範囲が狭いとされ、許容範囲を超える関わり方をされると、パニックになることもあります。しょうがないな、っていう感覚が乏しく、予定外の事や願いと違う結果を受け入れる事が難しいと言えます。ちなみに「パニック」とは泣いたり騒いだり暴れたり自傷したり死んだように動けなくなったりする許容範囲を超えた時の衝動的行動の総称です。(←意味わかるかなー?)自分ではどうしてよいかわからなくなった時に混乱して取る行動ですかね。(良い例えが浮かびません)


☆感覚過敏と感覚鈍感
特定の音,臭い,肌触りが極端に苦手だったり、全く痛みに無頓着である場合があります。耳元で皿が割れる音を聞いてもピクリともしないかと思えば、隣の部屋の赤ちゃんの鳴き声や外でほえる犬の鳴き声に耳をふさいで苦しんだりします。また、特定の布や壁などを撫でたり叩き続けて笑っていたりします。その人にとって好む感覚、どうでもよい感覚、嫌う感覚が極端にわかれているという事だと言えます。

☆極端な得意,不得意
得意な領域,興味のある領域では優れた能力を発揮する反面,苦手な領域の習得は大きく遅れます。猫と犬の区別がつかないかと思えば、青森から九州までの新幹線の停車駅を順番通り言えたりします。

☆同時処理の困難
集中を切り替える事が苦手で、複数の事を同時にこなすことが困難な場合もあります。環境が変わるのはもっとも苦手な事の一つと言えます。

☆遂行機能の障害
計画的,継続的に取り組まなければならない、物事を遂行する事に困難がある場合があります。

☆etc.
他にもありますが、まあこの辺で…。


…と、ここまで書きましたがほんとにさわりだけです。詳しく書いたら本になってしまいますので、詳しく知りたい人は本を買うなり、もっと詳しく載せてるサイトを探してください。
何故この説明を書いたかと言うと、今後、障害を持った方への介護・支援の中での出来事なんかも紹介していきたいと考えており、知的障害を持った方の大半は自閉症だから(または自閉傾向がある)なのです。

尚、(もちろん悪意はありませんが)不適切な表現がありましたら訂正謝罪させていただきますので、お気づきの点はご指摘ください。よろしくお願いいたします。
またまた、長文乱文最後までお読みくださいましてありがとうございました。




今回参考にさせていただいたのは


ローナ・ウィング著の自閉症スペクトル~親と専門家のためのガイドブック~
という本です。それに私なりの知識と経験に思っている事を少し上乗せした感じです。
この本、その名の通り親や専門家にはいいのですが、「このブログで初めて自閉症を知った」なんて方には少々難しいかもしれません。が、もし興味のある方、本格的に勉強したい方は読んで見てもいいかもしれませんよ。


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