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人生を彩る、春夏秋冬 展望台めぐりの旅


幸せについて、ふと考える

人生における幸福度を測るものさしは、結婚までのスピードでもなければ、預金通帳に記された桁数の多さでもない。

どれだけ“自分なりの”幸せに出会えるか、だと私は思う。

これは、短いながら今まで生きてきた経験と、ほんの少しの負け惜しみから辿り着いた結論である。


また一人、同級生が結婚した。
少し前には、無事に子供が生まれたとグループLINEで報告してくれた子がいたし、卒業してから連絡をとっていないあの子のインスタのアイコンが、ウエディングドレス姿の写真になっていたっけ。

みんな、いつの間にかどんどん幸せになっていく。
一方で私の人生には特に大きな変化もなく、同じような繰り返しの毎日。
気付いたら自分だけ置いていかれているような、そんな気分だった。


では、今の私は全く幸せじゃないのだろうか。
私が楽しい、幸せと感じる瞬間は1秒もないのだろうか。

幸い、答えは「No.」だ。
私だって幸せだと感じる時は少なからずある。


例えば、展望台めぐり。
自己紹介の時に話すと大体珍しがられるが、私は展望台に行くのが好きだ。

忙しなく過ぎていく毎日の中で、嫌なことも辛いことも沢山あるけれど、素敵な景色を見ている間は忘れられる。気分が晴れる。
目の前に広がる景色を見ながら、ふと「幸せだな」と感じる。

展望台が、私にとっての幸せの場所なのだ。

みんな同じじゃなくていい。
私は、私だけの幸せがあればそれでいいんだ。

そう気付いた時から、展望台めぐりの旅は私にとってより大切なものとなった。


展望台への旅はいつだって最高。
展望台を訪れた思い出とそこで見た素晴らしい景色は、キラキラと輝く私だけの宝物。

今日は、そんな私だけの宝物を、特別に少しだけお裾分けしたいと思います。


春は始まりの季節。
新しい学校、新しいクラス、新しい担任の先生。
学生時代は、普通に生きているだけで毎年新しい日常が幕を開けていた。
大人になった今、昔に比べたら変化することは少なくなったけれど、それでも、胸が躍るのは昔の名残だろうか。


御前崎灯台 (静岡県御前崎市)

今日はよく晴れているが、海沿いに来たからかとにかく風が強い。
暦の上では春とされる3月でもまだ風は冷たく、冬の面影を残していた。

海に来た理由は、砂浜の散歩でもサーフィンでもない。
灯台に登るためだ。
全国各地にある灯台だが、登ることが出来るものは16基しかないらしい。
そのうちの1つが、この御前崎灯台だ。

視界いっぱいに広がる真っ青な空と海に映える、白い外観がとても眩しい。
堂々と聳え立つその姿からは凛々しさを感じるが、近づいて見ると胴体がむっくりしていて、優しい雰囲気を纏っていた。

白くてツルッとした灯台の中は、意外にも木の壁だった。
ぐるぐると螺旋状に階段を登っていくと、灯台上部に到達した。

風が強い。
地上にいた時より何倍も強く感じるけれど、それ以上に目の前に広がる景色の綺麗さが勝って思わず目を見張る。

海を見た時、視覚的にも気持ち的にも目の前がパッと開ける感覚がとても好きだ。
日常の嫌なことが全て、この青い海と空に溶けていくような気持ちになる。
日の光が反射してきらきらと輝く水面。
その光がゆらゆら揺れる様子は見ているだけで、とても癒される。


御前崎灯台の展望デッキに出てからも上を見上げてみる。
“灯ろう”と呼ばれる屋根の部分がレースみたいに見えてとても可愛らしい。灯台って、白いドレスを纏ったお姫様みたいにも見える。
こんなことが発見できるのも、ここに来たからだ。


フジテレビ球体展望室 はちたま (東京都港区)

前にお台場に来たのはいつだっただろう。
お台場の空気は、都心とは少し違う。
人の気配があまりないというか、少々現実離れしたような雰囲気が漂っている気がする。
そんなお台場が、私は結構好きだ。

ミーハーな私にとって、テレビ局や華やかな芸能界は憧れの場所。
だから、フジテレビ本社に入ることは、そんな芸能界に少しでも近づけたような気になれるし、ここから日本中に楽しいことが発信されているんだと思うとワクワクする。

若者のテレビ離れは加速し、昔に比べてテレビの影響力が少なくなってきたと言われているけれど、私は、テレビでなければ生まれない面白さや感動があると信じている。頑張れ、テレビ。

そんなことを考えながら球体展望室へ。

ここから見るレインボーブリッジ越しの東京は、子どもの頃から毎朝見ているテレビでよく映る光景だ。
お台場ならではの海に囲まれた景色。
それに加えて、沢山の高層ビルが近未来な世界を感じさせてくれる。


日本一有名なテレビ局の、誰もが知ってるあの丸の中に入ったことは、一生の思い出になると思う。

また明日、天気予報の後ろにこの場所からの景色が映ったら楽しかった記憶を思い出せる。
だからきっと、今までよりも朝がつらくないだろう、と信じたい。


銚子ポートタワー (千葉県銚子市)

「展望台のためにそんなに遠くへ行くなんて、頭おかしいですよ。」
そう言いながら同僚は笑う。

確かにそうかもしれない。
展望台にいる1時間のために、東京駅から片道3時間かけて千葉の端っこに行くのは、一般的に見れば普通ではないのかもしれない。

でも、どうしてもそこからの景色が見たいから、私は今高速バスに揺られている。

都会を通り過ぎ、自然豊かな道のりを抜けると、今度は海の気配が漂ってきた。
海の近くの街というのは、どこも少々似たような雰囲気がある気がする。
明るくて、広く開けていて、時間がゆったりと流れている。都会にも山奥にもない、あの感じ。

初めての銚子。初めて耳にする停留所でバスを降りる。
そこから少し歩くと、銚子ポートタワーは現れた。

ツインタワーが展望室部分で繋がる、独特な外観。
実際に目の当たりににすると、まるで芸能人を生で見た時のように「本物だ!」とテンションが上がる。

ここからの景色の魅力は、とにかく視界いっぱいに広がる海。
光が降り注ぐガラス張りの展望室からは、自然溢れる景色が360度楽しめる。

銚子漁港、周辺を行き交う船や釣り人たちがザ・港町の魅力的な雰囲気を演出してくれる。
この場所のゆったりとした時間の流れは、都会の喧騒とは全く違ってとても癒された。


眼下を流れる利根川の向こうは茨城県らしい。
随分と遠いところまで来たと実感すると、妙にテンションが上がった。

1階の売店で銚子名物のぬれせんべいを購入して帰りのバスに乗り込む。
空腹に耐えられずバスの中で1枚食べたが、感動するほど美味しくて、もっと買ってくればよかったと後悔した。
初めて行く土地で今まで知らなかった名物に出会えるのもまた、展望台めぐりの醍醐味。


東尋坊タワー (福井県坂井市)

東尋坊という観光名所があることは知っていた。
学生の頃、観光業界に興味があった当時の私は、卒業後は旅行会社に就職するのだと信じて疑わず、観光関連の勉強に勤しんでいたからだ。

結局、今の私は観光とは全く関係ない職に就いているけれど、こうして休日には大好きな展望台に来て楽しんでいるし、人生は何があるか分からないものだ。

話が逸れたが、とにかくその時に「福井県の観光地といえば東尋坊」と覚えたのだった。

電車を降りた時、北陸の空気の冷たさに驚いた。
そういえば、学生の頃に卒業旅行で訪れた金沢でも同じように驚いて、急いでマフラーを巻いたっけ。
春はまだまだ先か、なんて考えながら、芦原温泉駅から出るバスに乗った。

温泉が立ち並ぶ駅周辺を通り過ぎ、バスはどんどん進む。
しばらく山の中を走っていると、急に目の前に海が現れ、そして東尋坊タワーが姿を現した。


初めて訪れた東尋坊は、平日にも関わらず想像以上に観光客で賑わう場所だった。
バスを降りた皆が東尋坊を目指す中、私はその手前に聳え立つ東尋坊タワーに向かって一直線。

存在感があるのにどこかひっそりと建っているそのタワーは、シュッとした現代のタワーとは違う、ずんぐりむっくりと言いたくなるような見た目だった。
タワーの外観、色使い、醸し出す雰囲気…その全てが、古き良き昭和の香りを漂わせているが、こぢんまりとした展望台ならではの魅力に溢れていた。


落ち着いた雰囲気の展望台から見る日本海の景色には、海ならではの美しさと同時に力強さも感じられる。

また随分と遠い所へ来られた。
そんな達成感が、目の前に広がる景色を更に輝かせているような気がした。


東山スカイタワー (愛知県名古屋市)

真冬の厳しい寒さを乗り越え、少しだけ暖かくなった頃。
東山動植物園は、家族連れで賑わっていた。

みんな動物を見たり遊園地で遊んだり、園内を楽しんでいるのに意外にも気付かないスポットがある。
それが、「東山スカイタワー」だ。

ロケットのような外観のタワーは、今にも空に向かって飛び立ちそう。
こんなにも目立つのにここに来ないというのは、展望台好きの私からすれば非常にもったいないと思う。
知り合いも「東山動物園にそんなものあったっけ?」って言っていたし。

展望台にのぼって名古屋の街を見下ろす。
動物園や遊園地を上から見る機会はレアで非常に面白いが、それ以上に目を引くのは街の至る所あるピンク色だった。

桜だ。

桜を見ると、ベタな感想ではあるけれど「日本に生まれて良かったな」と思う。
桜は、何かが始まるワクワクとともに、安心感を覚えさせてくれる。

お花見のように桜の木の下で楽しむのももちろん素敵だが、上から見る桜も珍しくて悪くない。
そんな景色を見ながら、また明日から始まるちょっとだけ新しい生活に思いを馳せる。そんな時間が幸せだった。


太陽の光が痛いほど降り注ぐ。
そうかと思えば急に空が暗くなって、雷が鳴ったり大雨が降ったり。
めまぐるしく天気が変わる夏は、正直展望台めぐりには向かない季節。
でも、だからこそ晴れた時には嬉しさもひとしお。
きっと、夏にしか見られない景色があるのもまた事実。


通天閣 (大阪府大阪市)

今度初めて通天閣に行くんですとルンルンで話す私に、「通天閣なんか見るとこないよ」とその人は言う。

え、そうなの?
でも、私は楽しむ自信はあった。
私から言わせてもらえば、見るところのない展望台なんこの世にないのだから。

結果、その人が言ったことはやはり大嘘で、見所多すぎて滞在予定時間を大幅にオーバーしてしまった。


展望台は高すぎず、街がよく見える。
通天閣の足元に広がる新世界や天王寺動物園、あべのハルカス……知識として頭の中にあった大阪の景色が、目の前に広がっている。

展望台を降りてからも、過去の風景を模したジオラマや、グリコに関する展示などとにかく見所が多すぎた。

楽しいと感じることは人それぞれ。
やはりこの世の中は、実際に足を運んで体験しなければ分からないことで溢れている。


横浜マリンタワー (神奈川県横浜市)

青は、癒しの色。

子供の頃は真っ先にピンク色を選んでいた私も、大人になった今では青色に目が行くことが多くなった。
いつの間に、青の魅力に魅せられていたのだろう。

ここに限らず、展望台からの景色で最も印象的な色は、青だ。

まず、空が青い。
どんなに都会にある展望台でも、空が見えないところはひとつもない。

そして、海沿いの展望台であれば、視線を落としても青が広がっている。
横浜のシンボル的存在、横浜マリンタワーもそんなそんな青に囲まれた展望台のひとつだった。

空の青、海の青。
山下公園の緑。
空の青と海の青に映える白い橋や建物たち。

そんな癒しの色に加え、横浜を感じる風景が満載で、海の向こうには東京の景色も見える。

横浜マリンタワーは、癒しと幸せが詰まった、都会のオアシスのような場所だった。

中華街だけで満足して帰ったらもったいない。
少し足を延ばせば、今まで気付かなかった横浜の魅力に出会えるだろう。


子どもの頃は、一日の長さなんて気に留めていなかったと思う。
けれど、大人になると「日が短くなったな」なんて感じるようになる。
うだるような暑さは和らいで過ごしやすくなるけれど、一日の短さに少しだけ寂しさも覚える。そんな季節。


千葉ポートタワー (千葉県千葉市)

随分長いこと電車に揺られている。
夢の国がある舞浜も、ライブで行ったことのある幕張も通り過ぎて、私はまだ電車に揺られている。
そして、初めて訪れる千葉みなと駅でやっと電車を降りた。

やはり海の近くは風が強い。
しかし、この道が海に続いているのだと思うとワクワクして、少しくらい険しい道のりもすいすいと足が進むのだった。

しばらく歩くと、一面ガラス張りで鏡のような外観のスタイリッシュな千葉港のシンボル「千葉ポートタワー」に辿り着く。

空と海を映すこのタワーは、訪れる時間帯によって違う表情を見せてくれる、魅力的な建造物だと思った。

ここから見る海の景色は、港町のそれとは違っていた。
京葉工業地帯、幕張新都心、東京アクアライン、遠くにはぼんやりと東京スカイツリー…
電車に乗って遠くまで来た気でいたけれど、意外とそうでもなかったらしい。
周囲の景色はまだまだ都会の色を強く残していた。

思っているよりも世界は広いし、似ているようでも海の景色はそれぞれ違う。


香貫山公園展望台 (静岡県沼津市)

次第に息が上がる。
気軽な気持ちで訪れた香貫山公園までの道のりは、想像を遥かに超える山道だった。
登山口付近のバス停で降りた私に、運転手さんが「ここで大丈夫ですか?」とご丁寧に聞いてきたのもそのためだろう。

一歩、また一歩と進む。
いくら険しい道のりだからと言って、ここまで来て引き返すなんて選択肢はなかった。
ネットで見た、あのあまりにも綺麗な海岸線をこの目で見なくては帰れない。

しばらく歩いた先に、ようやく展望台を発見。
やっと、やっとあの絶景に会える!

自らの足で辿り着いた景色は格別だ。

そこには、事前に見ていたあの景色。
しかし、実際に見るそれは思っていたより何倍も綺麗で楽しくて、ずっと見ていられると思った。
やはり、少しくらい苦労しても生で見る景色に勝るものはない。

よく晴れている日だったが、あいにく富士山は見られなかった。
よくここへ来ているという地元の方が、富士山が見られる日は本当に稀だと教えてくれた。
今度はぜひ、その数少ない日に訪れたいものだ。


アルカキット錦糸町 (東京都墨田区)

東京スカイツリーが綺麗に見える場所へ行きたい!できれば無料で!
そんな少々不純な動機で辿り着いたのがこの場所だった。

アルカキット錦糸町の11階にある屋上広場は、無料で入ることが出来る穴場の展望スポットだ。

無料とは思えないほどスカイツリーが綺麗に見えるし、高すぎない場所なので、街の様子もよく見える。
また、スカイツリーの逆側には錦糸町駅があり、南北で街の雰囲気が違う感じがするのも面白い。


ここから見るスカイツリーは、東京の街に馴染んで見える。
大好きなスカイツリーが、この街とともに成長しているような気がして、なんだか嬉しい気持ちになった。

これから先も、東京スカイツリーがみんなに愛される存在でありますように。
そして、そんな時代の移り変わりを、ここアルカキット錦糸町からいつまでも見守ることが出来ますように。

寒いのは大の苦手。だけど、展望台めぐりに最も適した季節、それが冬。
晴れた日には空気が澄んで、遠くまで見渡せる
この季節もそんなに悪くないなと思わせてくれる。


岩屋緑地展望台 (愛知県豊橋市)

山の中腹にある駐車場に車を停めて、山道を歩き出す。
ここからは、どうしても歩かなければいけない。
この山の上に、目指している展望台があるからだ。

基本的にインドアな私。
展望台が好きでなければ、ここに来ることはなかっただろう。
しばらく歩くと途中から整備されたコンクリート道に出たが、その頃には息が上がり、額に汗が滲んでいた。

途中、可愛らしい手作りの看板も見つけた。
あと少し。あと少しであの場所へ辿り着く。

辿り着いたその場所からの景色は、ここまでの努力を裏切らない素晴らしいものだった。豊橋の街が一望できる。
東海道新幹線が目の前を走っているのも見ていて飽きることがない。
少し冷たい風も、火照った体には心地よかった。

しばらく景色を眺めボーっとしていると、遠くの方からまた新幹線が走ってきた。
しかし、今まで通り過ぎていったものと明らかに違っている。
私は、仕舞いかけていたカメラを慌てて取り出し、必死にシャッターを切った。


幸せの黄色い新幹線・ドクターイエローだ。

なんとか画角には収めたものの、手前にある木の枝にピントが合っており、ドクターイエローは背景の一部と化していた。

写真の技術向上は今後の課題のひとつだなと落ち込みもしたが、ここからの景色を見られたこと、ドクターイエローに出会えたことだけで十分に幸せだった。


東京タワー (東京都港区)

子どもの頃から、朝起きることと寒さが苦手だった。
だから、冬の朝なんて普段の私からすれば最悪以外のなんでもない。

でもそんな私の気持ちとは裏腹に、冬の朝は空気が澄んでいて、展望台に行くには最高のタイミングだった。

頑張って早起きして、ほとんど人がいない東京タワーに行った。
タワー周辺はもちろん、この日は富士山までも見ることが出来た。

東京タワー、というか、展望台に来るのはやはり冬の朝が最高かもしれないと思ってしまった。
夜景も素晴らしいが、私はやっぱり街の様子がよく見える昼間の景色が楽しくて大好きだ。

とにかく天気が良く空気が澄んでいて、人が少ない。
本当に遠くまで見渡せて最高の時間だった。
このままいつまでも眺めていられると思えるほどの絶景に、早起き出来た喜びを改めて噛み締めた。

季節や時間帯が変われば見える景色も表情を変える。
冬の朝とは違った、また新たな感動に出会えるだろう。
大好きな東京タワーには、また必ず来ようと思った。


さきしまコスモタワー (大阪府大阪市)

全くと言っていいほど土地勘のない場所 大阪で、乗り換えアプリが言うのに従って初めて乗る電車に乗った。

大阪といえば都会のイメージ。
こんなに遠くまで来たことがなかったので、いつの間にか海の近くに来ていることに気付いてひどく驚いた。
人が多くごちゃごちゃしたイメージがあったけれど、こんな場所もあるんだ。
私は、大阪のことなんてまだほとんど知らないに等しいらしい。

風の強さで、改めて海の近くに来たのだと感じた。
風が強すぎて、先ほど鏡を見ながら整えた前髪はぐちゃぐちゃになっていたし、全身に当たる風が冷たすぎて、一人なのに思わず「寒い……」と口に出してしまう。やはり寒いのは苦手だ。

ようやくたどり着いた「さきしまコスモタワー」は、週末ということもあり、それほど賑わいはない。

シースルーエレベーターで上まで行った後、長いエスカレーターを上ると、太陽の光がこれでもかと降り注ぐ感動的なほどの絶景が目の前に現れた。

開放的な大きい窓から外を覗けば、周囲の海にもその光は降り注ぎ、水面で反射してキラキラと輝いていた。


年末ということもあり、このところ仕事が忙しい日々が続いていた。
なんとか生き抜いて迎えた連休初日。
光に溢れたその場所は、まるで天国のように思えた。

カラフルで個性溢れる建物や、周囲の海を行き交う船。
ここから見る景色は美しくて楽しくて、冗談でも何でもなく心の底からずっと居られると思った。

きっと、大阪にはまだ知らない絶景がたくさんあるのだろう。
都会の喧騒に疲れた時は、電車に乗って少し遠出して景色を眺めていたいものだ。


人生に彩りを

生きている間に、どれくらい多くの景色を見ることが出来るのだろう。

知らない街の景色を見るほど、感動や発見が生まれ、様々な思いが頭を巡る。
そこで考えたことや感じたことは、地上にいる時には出会えなかった新たな感情。少しだけ新しい自分。
新しい景色に出会った数だけ、人生は豊かになると思う。

今回紹介した以外にも、全国には素晴らしい展望スポットが沢山ある。
それらを巡って思い出を集める、まるで宝探しのような展望台めぐりの旅は、まだ始まったばかりだと思うとわくわくする。

人と比べて悩んだり落ち込んだりしている時間はもったいない。
幸せのカタチは人それぞれ。
私は、私だけの幸せを求めて、これからも展望台へ行くこう。
だってそれは、誰にも真似できない、誰にも邪魔させない私だけの幸せなんだから。


今日もまた一人、結婚報告の投稿をしている友達がいた。

でも、私は知っている。
スマートフォンに収まるこの小さな世界が全てではないということを。
目線を上げて遠くを見渡せば、もっと広い世界とまだ見ぬときめきがあるということを。

自分だけの幸せを集めて、もっと人生を彩ろう。

あなたの素敵な人生にも、展望台めぐりという彩りを添えてみてはいかがでしょうか?

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