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一生治らない病気に立ち向かう

私は「潰瘍性大腸炎」という病気を患っています。
あまり聞きなれない病気なので、「実はさ…」と打ち明けると、
だいたい2,3回聞き返されます(笑)

簡単にご説明をすると、
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の 炎症性疾患 であり、血便や下痢を伴う病気です。
多い時は1日に10回以上トイレに行きますし、
行っても下痢しか出ない、血しか出ないなんて事もしばしばあります。
でも今の医療技術では原因や特効薬が確立されていない指定難病なんです。

病院の先生に診断を受け、
一生治りませんと言われた時はさすがにショックでした…。
ただ、自分のこれまでの生活を顧みた時には思い当たる節がありすぎたという事もあり、受け入れたくない、抗ってやると決め、どうしたらポジティブに捉えられるか、私の持てる思考をフル稼働して真正面から向き合ってやろうと決めました。

病気の本質を知る

なぜ治らないのかを把握する

一生治らない。という言葉をまず疑いました。
だいたいの病気は薬があって、治験が進むと特効薬もできる。コロナもそうだったようにいつかは誰かが見つけてくれると思い、たくさんの記事や臨床結果を見ました。開発は進んでいるようですが、今のところ特効薬はない。私が飲んでいるアサコールという薬も割と新しい薬である事がわかりました。
要は発生原因がわからないから治しようがないんですよね。免疫疾患、膠原病と同じような病気であると理解頂くとわかりやすいと思います。

原因を探ってみる

私はWEBを中心としたマーケティング・プロモーションを生業としています。
予算も何十万~何百万と大きな金額をいただく事になるので、進捗が悪いともうそれしか考えられなくなりますが、おかげ様で仕事も多くストレスより達成感ばかりでした。

だいたい21時〜22時に仕事を終え、そのまますぐに寝ればよいのですが、どうしても晩酌をしたい私はとにかく飲んでました。寝るのは大体深夜1時。
休みの前の日なんかは3時4時まで飲んでしまうような日もありました。
そうなると『何時に寝たっけ?』と、記憶もないのでだいたい気絶してるんですよね。

一番面白かったのは、朝ベッドで目覚めたんですけどなぜか正座。
目が覚めて、最初に見たのは膝の上に置かれた手でしたからね。これはさすがにやばい…笑

酒だけでなく食生活もかなり荒れてました。
私はとにかくラーメンやら肉やらと、脂の高いものしか好みませんでした。
ラーメンでいくと、一番好きだったのは
『辛ねぎ味噌チャーシュー麺』&ライス。
辛ねぎをチャーシューで包んでライスと食べるともう箸が止まらないんですね、本当に!

そして、私は料理が好きなのでおつまみは基本的に何時だろうと自分が食べたいものを作るんです。
ちなみに一番好きなのは麻婆豆腐です。

こんな生活を3年位続けてましたが、
健康診断は毎年再検査。しかも血便。
普通なら一回でも引っかかったら再検査行きますよね?ただ私は元々切れ痔になりやすい体質だったので『いつもの事』と見て見ぬふりをずっとしたのです。忙しいと都合のいい言い訳も上手くなりました。

原因の発生理由を考えてみる

私が考えた原因は3つ。睡眠不足・お酒・食生活。
ここまでわかっていれば気をつけようで終わりですが、気をつけるって、どうすれば?どこまで気をつければいいの?それで治るの?原因も完治もわかっていない病気だからその基準もないのです。
なのでもっと根本的に考えてみる事にしました。

・睡眠不足が発生する理由
→寝たくない、自分の時間が欲しい
 →自分のやりたい事ができていない
  →じゃあ、やりたい事やっちゃおう!
・お酒を飲んでしまう理由
→習慣。飲まないとやってられない
 →酒を飲める位には時間がある
  →じゃあ、強制的に別の事に時間を使おう
・食生活を改善しない理由
→考えるのがめんどくさい
 →そこまで気をつける理由もない
  →じゃあ、ダイエットしよう

なんて自堕落な人間なんだろうって思いましたね…。でもなんとなく自分の中で見えてきたんですよね。こうすればいいんじゃないかって。

まずは仕事。これまでは会社のため、顧客のためという思考でしたが、自分のためと置き換えてみたんですね。決められた事、会社のルールはありますけど、とにかく成果を出せばいい。
私は仕事の仕方を変え、自分軸で働く事にしました。無難な提案はしない、自分がいいと思った事をぶつける。これまでは上司の意見や顔色伺って内容を変えたりしましたがそれもやめました。反対されても失敗しても死にはしない。むしろもう一生治らない病気持ってんだし。失うものは何もない。
お腹を気にして冷や冷やしながら通勤するのももうやめよう。中2か!って位の反抗期です笑
でも不思議なもので、成果も出ましたし仕事を終える時間もめちゃくちゃ早くなりました。
19時には家族と夕飯食べれる生活になったんです。

時間の使い方にも変化がありました。
これまでは晩酌が習慣になっていましたが、その時間は本を読んだりセミナー受けたりと仕事のインプットに当てました。仕事では成果を出す事に必死でしたし、この生活を容認され続けなければいけないって常に自分に言い聞かせてました。

最後は食生活。
これはやっぱり苦労しましたが、気にする理由を病気だからではなくダイエットに変えました。
まずは一ヵ月で○kgという目標を決め、目標を達成するためには1日○kcal、脂質は○gとかなり細かく設定しましたね笑
病院行くと栄養士からもやりすぎと言われる位に食材や数字は徹底しました。面白いもので人って達成感があると前向きになれるんですよね。
まずは病気を診断された初月、3kg落とす目標を自分で決めて、そのプランも自分で設定。
結果は3kg落ちたんです。コントロールできない病気と言われてるからこそ、自分でコントロールできるんだって示したかったように思います。
その後も毎月目標を決めて3ヶ月で目標の体重を達成する事ができました。

潰瘍性大腸炎の患者数は16万人と言われています。
でもこの病気に完治という言葉はなく、
症状が落ちついている『寛解』という表現になります。落ちついていたとしてもいつ再燃するかわからないし、そもそも原因だってわかってない。
UCであるほとんどの方は一生付き合っていかなければいけないというリスクを背負っています。
ただの腸炎でしょ?死なないでしょ?と言われる事もあるし、トイレにこもりすぎて文句を言われたり、誰かと軽く約束する事もできない。外に出かける事が怖くて仕方ない。そんな病気です。

でもわからないだけで怖がってても仕方ないし、
怖がってる人がいたら助けになりたい。
話しも聞いてあげたいし、普通の人と同じように毎日楽しく生活してほしいと本気で思うんです。
仮設トイレもたくさん欲しいんです笑。

なので私はUCという病気をもっと広めるために、コントロールできない病気だけど一生懸命毎日気をつけているUC患者の努力を広めたいと思います。
そのために、私の体験を通してUCについての発信を
していきたいと考えています。

UCの方はもちろん、そうでない方も賛同頂ける方がいれば嬉しいです。

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