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相棒19 #13「死神はまだか」

闇の中に無数の蝋燭が灯っている。
冒頭のこの描写、落語好きなら反射的に「死神」を連想するだろう。

落語の大看板・椿屋團路(笹野高史)が一門会の高座で「死神」をやり、サゲの直後に絶命する。
その死因と犯人探しが今回の物語だが、惣領弟子・椿屋小ん路を林家正蔵が演じている時点で怪しさ全開であろう。
意外な結末には少しダマサレタ感もあるが、落語の世界にスポットライトを当ててくれたのは落語ファンとして嬉しかった。

さはさておき、劇中にほんの少し語られる落語。
前座の女性は「道灌」、ヒザの正蔵は「芝浜」と、役の設定に合ったネタを語らせる工夫も良かった。
笹野高史はルックスも林家木久扇師匠っぽくて、芸達者な上に違和感も無かった。

"落語は男のもの"という認識も薄れ、最近は女性落語家も活躍している。
住宅事情や家族構成のせいか、"住み込みの前座修行"という形態は近年稀なようだ。
住み込み修行が定番だった昔は、今よりずっと大変だったかと思うが、その分一門の絆も深かったかもしれない。

さはさておき。
年明けからBS朝日ではじまった「御法度落語・おなじはなし寄席!」が面白い。
今回の相棒は地上波だが、もしかしたら今年の朝日系列は"落語を贔屓にする方針"なのだろうか?
だとしたら、とても喜ばしいことである。

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