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「ヒトラーVSチャップリン 終わりなき闘い」 (映像の世紀 バタフライエフェクト)


初回放送日: 2022年6月6日

わずか4日違いで生まれたチャップリンとヒトラーは、長きにわたって壮絶な闘いを繰り広げた。しかし、ふたりには多くの共通点があった。小柄でチョビひげ、そして映像を駆使して大衆を熱狂させるプロパガンダ術。チャップリンは民主主義を、ヒトラーはファシズムを訴えた。チャップリンは後にこう語っている。「ひとつ間違えば、私たちは逆になっていたかもしれない」。独裁者と喜劇王、因縁のふたりの終わりなき闘いの物語である 
(以上 公式HPより)

私は常々「面白くてカッコイイ人が好き」だと思ってきたが、この番組を見てその考えが少し変わった。「面白くて強い人が、カッコイイ」のだと。

喜劇王チャップリンと独裁者ヒトラー。誕生日がほんの4日しか変わらない因縁の二人。
どちらかというと当時優位なヒトラーに、笑いを武器に真っ向勝負を挑んだチャップリン。なんてカッコイイんだろう! ヘタすりゃ暗殺されるかもしれない相手に、全てをかける姿勢は痛快そのもの。
その後ヒトラーは死を選び、チャップリンも戦後は赤狩りの余波を受け米国を追われる。しかし長い目で見ると、チャップリンはヒトラーにも米国にも、そして敵とみなした時間にも勝利したといえるだろう。

制作当時の日本では公開不可で、1960年にようやく陽の目を見ることになった「独裁者」。そのラストシーンは今見ても、いや今だからこそ、私たちの心に強く響く。兵士だけではない、世界中の市井の人々が自分自身の意志をもって行動しなくてはならない。
戦争の際、最も被害を受けるのは庶民であり子ども達である。戦争を始めるのは、人の生命を何とも思わないくせに自分は安全な場所にいる無能な独裁者だ。そんな不条理を何度繰り返すのか。

居た堪れなさとウンザリする気持ちが充満している日々、自衛のためにも笑うしかない。笑いが武器になる事を信じながらも、愚者に神の鉄槌が振り下ろされる事を切に祈っている。



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