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ハケンの品格2 (ドラマ)

特Aランクのスーパー派遣社員・大前春子(篠原涼子)が、派遣先の会社や同僚らのピンチを救うドラマ。

13年前も見ていたが、今回も文句無しに面白い。「非正規雇用なのに、正社員以上の戦力を発揮する正義の味方」これはドクターX・大門未知子(米倉涼子)と全く同じ設定。脚本家がどちらも中園ミホなので納得ではあるが、正社員の不甲斐なさにイライラするところも同じ。

さはさておき。今回も2回まで見てきたが、こんな凄い派遣社員は実在しないだろう。ドラマだから可能な世界という事を、見る方も作る方も承知しておかなくては。

私も派遣社員の経験はあるし、派遣社員の存在を否定はしない。しかし、確固たる保証もなく雇用の調整弁のような存在を生み出した社会には、諸手を挙げての賛成はできかねる。

社員を、人を育てる底力の無い企業が増えたのは、何のせいだ? 特に就職氷河期世代を放置し続け、更にその増加を静観しつつ利用した某勢力には憤りを禁じ得ない。

本人のやる気次第といわれても、その前に差別があればスタートラインにさえ立てないのである。

だから私は、このドラマはドラマとして視聴する。と言いつつ今回の終盤、高齢の経営者が蕎麦屋を閉店するくだりは胸に迫るものがあった。資本力さえあれば、閉店を免れたかもしれない。現にコロナ禍で閉業せざるを得ない企業は数多存在している。これからもその余波は広がり、大前春子曰く「日本は沈没する」は冗談ではないのだ。

そうならない為のヒントがあれば、このドラマは伝説になるかもしれない。

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