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新プロジェクトX (NHK ノンフィクション)

世界最長 悲願のつり橋に挑む 〜明石海峡大橋 40年の闘い〜

初回放送日:2024年5月11日

潮流激しい明石海峡に、世界一の長さとなる吊り橋を架けたい。今から70年前、白昼夢と笑われながら、橋の必要性を訴えた人物がいた。その思いを受け継ぎ、完成させた技術者たちの物語。重さ9万トンの橋げたを吊るす巨大ケーブル建設、ヘリコプターによる空中架設。不可能と言われた橋の建設に尽力したのは、その日のために技術を磨き続けた製鉄会社の師弟や、家族の悲願を背負った現場監督。全ては一人の夢から始まった。
(以上公式HPより)

両親が香川県出身の為、幼少時は新幹線と宇高連絡船を利用しての帰省だった。
瀬戸大橋開通以降はマリンライナーを利用するようになったが、車のないわが家では明石海峡大橋にはあまり興味が無かった。
しかしこの番組を見て、神戸市長だった原口忠次郎氏が夢見たこの橋のもつ物語に、いたく感銘を受けた。

特に、原口氏が神戸市長時代の昭和32年度予算に市自ら架橋調査費を提案した際。市議会から猛反発が上がり「市長は白昼夢でも見ているのか」と猛反発されたときに、「人生すべからく夢なくしてはかないません」と言い放ったお話。
それから約40年後に数々の困難を克服して「夢の架け橋」が完成するのだが、神戸製鋼の穐山氏と師匠の三田村氏のエピソードも含めて、全てはここから始まったのかと、極上の映画を観ているような思いになった。

ヘリコプターによる空中架設をやり遂げた、朝倉豊紀氏の「パイロット人生最後の大仕事」というくだり。
飛行前に「パイロットローブ渡海、やるぞ、やるぞ、やるぞ!」と気合いを入れる新日鉄の武野優氏と一同の姿も、当時の熱意そのままで見ていてグッとくるものがあった。

橋梁とび親方・高村義春氏の言葉「上にさえ持ってきてくれれば、なんとかする」など、現場最前線で実際に動いていたひと達の思いを、こういう番組で知る事ができるのは、本当に貴重だと改めて思った。


最後に個人的な思い出を追記。
2018年に神戸マラソンを走ったのだが、明石海峡大橋のたもと辺りに折り返し地点があったかと思う。

折り返し地点へ向かう頃に予想外の腹痛が起き、私はこの先走れるのかと、大いに焦りまくった。
しかし初めて見た明石海峡大橋の大きさに圧倒され、ペースを落として前進しつつ、その眺めに感動しているうちに、気づいたら腹痛も治まっていた。
今思うと、その辺りは橋に関わった全ての方々の熱い思いや力が渦巻いていた場所= 最強のパワースポットだったのではないだろうか。
いつかまた、あの場所に行きたいと思っている。

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