ETV特集「汚名 沖縄密約事件 ある家族の50年」
初回放送日:2024年5月11日
沖縄返還時の日米の密約に迫った新聞記者、西山太吉の逮捕から52年。起訴状に書かれた「情を通じ」が国家の密約の問題を男女のスキャンダルへと塗り替えていった。渦中にあった太吉の妻、啓子がつづった日記がある。国の圧力や社会の好奇の目の中でもがき苦しんだ夫婦の記録でもある。著書「密約」で知られる作家、澤地久枝が読み解く啓子の葛藤。残された家族が初めて知る両親の苦悩。事件に翻弄された記者と妻の思いに迫る。
(以上公式HPより)
以前、この問題に関するテレビドラマを見た記憶がある。西山記者の役を本木雅弘がやっていて、当時知識の無かった私は内容を理解できなかった。(2012何TBS)
しかし、このノンフィクションを見て「ああ、そういう事だったのか!」と答え合わせをした心境である。
事実はまさにドラマのような展開で進むが、西山記者の奥様・啓子さんの肉筆で綴られた日記がより深く切なく私の心を打った。
当時37歳・二児の母でもあった啓子さんの強さと意地は凄いと思う。そんな母の姿を思い出す長男さんのご様子を映し出す、ノンフィクションならではの凄みを感じた。
晩年の啓子さんの笑顔には「本当に良かったですね」と声をかけたくなった。
片や、そんな市井の人々の人生を弄んだ国・政治家・裁判所の姿勢には憤りしかない。自分たちの都合のみを考え、明るみにできない嘘を隠すために記者の尊厳を踏みにじるやり方は、今も同じで虫唾が走る。
予算を出してもらったうえに小遣いまでもらったと、正直に文書に残しているアメリカの方がよほど潔いではないか!
50年経っても変わらず汚い日本の政治。
心ある政治家の方々には、こんな日本を洗濯して欲しいと切に祈るしかない。
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