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特別支援学級担任

特別支援学級(自閉症・情緒障がい)を初めて担任し、今の学校に異動して同じく支援級担任で4年
もうすぐ5年たつことになります

支援学級の担任をして、特別支援教育の視点をより強く持つことができたのは自分の強み
障がいについて、実態と対応、配慮の仕方や方法、発達検査やその見方について、薬物療法のメリットデメリット等、学んだことは山ほど
現在進行系で学んでいることも、学ばなければならないことも、知識のアップデートも山ほど

学級の児童数は4つの学年にまたがって7人
一人ひとりを見る時間は多いから、本人の気持ちの成長がよく見える
やりがいはある と思う

でもね、しんどい
成長はよく見えるけど、小さいんだ
 注意して見とかなきゃわからないくらい
毎日同じ指導をする必要もある 何年も
 言っても言ってもできないんだよ 忘れるから
 覚えておけないんだよ 特性で それは分かってる
自閉症・情緒障がい学級は教育課程1で学習を進める
 通常学級と同じ内容を進めるんだよ
 個別の配慮をしながら
 集中できないけど
 授業中立ち歩くけど
 地図帳ずっと見てて話聞いてないけど
分かってて友達にちょっかいかけて勉強の邪魔する
椅子を傾けて座って、後ろにひっくりかえる
宿題を面倒くさいって理由でやってこない
集中すると意識せずに歌ってしまう子がいて
授業中に歌うことを決して許せない子がいる
自分は課題が終わったら騒がしくしゃべるのに
友達がそれをしてると断固として許せない子がいる
人を注意することで自分の自己肯定感を保つ子がいる
友達に手をあげてしまっても自分は悪くないって言う
怒らせた相手が悪いんだ自分は悪くないで謝れない

通常学級の担任はたいてい1年で代わる
持ち上がることはあるけどそれでも2年
どうしても性格が合わない子っている
合わない保護者っている
でもね、通常学級は代わるんだよ
1年経てば代われるんだ

4年間 同じ子ども 同じ保護者と接してるとね
疲れるんだよ ほんとに
どれだけ促しても発達外来に相談に行かないんだよ
ADHDで本人がすごく辛そうなのに
学校ではできる範囲の配慮しかできないんです
限界があるんです 万能じゃないから
できる配慮をして様子を見る
ダメなら配慮を変えるか付け加えるかして様子を見る
これの繰り返し 
うまくいっても 本人の成長の過程で合わなくなる

だから薬物療法を並行して進めたいんです
薬がその子に合えば配慮の効果が上がるんです
落ち着いて過ごせることが増えて褒められて
自己肯定感が上がってやる気が出る
好循環になる可能性が大いにあるんです
でも僕らは診断はできない 処方もできません
それは病院でしかできません
受診を促すしかない それしかできません

5年間 通常学級から離れている
集団づくりをどうやってたか 忘れてきてる
集団での授業の仕方 忘れてきてる
集団全体で、学級全体で一つの目標に向かう感覚
他の学年の先生と協力しながら進める感覚
全体を見ながら個を見る 個を見ながら全体を見る
チョークで黒板に書く感覚
学級全体の力がついてきて自分たちで色々できるとか
先生に頼ることがいい意味で減ってきたねとか
そういう充実感とか
一つの集団を子どもと一緒につくっていく達成感とか
7年間積み上げてたものが薄くなってるんです

自分は集団づくりがやりたい
特別支援で学んだことを集団づくりに活かしたい
そしたらどんな集団ができていくのか見たい

管理職には面談の度に言ってる
毎年 自分は集団づくりをやりたいと
特別支援教育の視点を持った自分がどんな集団づくりに取り組めるのか
よりよい集団づくりに挑戦したいと
でもね 変わらないんです
保護者はそのほうが安心だから
子どもはそのほうが落ち着くから

それはわかってる
みんなの希望を聞くわけにもいかない
保護者にも言われてます
来年も先生だといいんですがって
ありがたいことです
うまく指導できてるかもしれない
相性良く見えてるかもしれない

でも、安心して休めないんです
自分の子どもが熱を出して仕事を休むと
放課後になって喧嘩したって電話がかかってきます
先生じゃなきゃ無理だって
先生じゃなきゃ見れないって
先生がいたら喧嘩が起きないって
それじゃだめなんです
だって一生めんどう見るわけじゃない
どの先生でもそれなりに過ごせなきゃ
少々口喧嘩しても手はでないようにならなきゃ
そのためにはずっと担任が同じじゃだめなんです
今はよくても将来困るのは子どもと保護者なんです

初任校の書道の講師の先生に異動のときに頂いた文字
『柔』
私を表した 私のイメージの文字だそうで
自分が思っていた教師イメージに近かったから
異動した2校目で出会った、絶対忘れない音楽専科の先生に言っていただいた言葉
『先生のクラスの子たちはのびのびとしてるけどちゃんとまとまってる』『発想が自由で音楽教えてて楽しい』『オンとオフの切り替えが上手』『毎年見てるからよく分かるよ』
あぁ、いい集団がつくれてるんだなって実感したから

だからもっといい集団をつくりたくて
自分の視点を広げたくて 強みを増やしたくて
特別支援学級の担任を引き受けた
その想いはずっと変わってない

だからずっと特別支援学級の担任をするのはしんどい
やりたいことができない
自分のやりたいとことと やってることが乖離しているのは しんどいんです

まとまらない文章ですが
自分の気持ちを整理するために書いてみました

支援学級が嫌いなわけではないし
得るものも多い
精いっぱい担任を務めることにはかわりないんですけどね

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