バーベキュー2

鹿児島から来るって


前回の話の続きである。

冷静に考えてみて、バーベキューをしに、鹿児島から栃木に来るってヤバい。三連休の中日だったとしても、けっこう信じられない。

観光とかも一切せず、バーベキューをやりに、というか多分僕に、その日集まったみんなに、会いに来てくれたのだ。

カナダにいたのはもう10年くらい前だから、まあでもその間で5年前に一度会っているから、5年ぶりなのだけれど、本当に嬉しかった。

さらにさらに、僕の絵本を実はネットで購入してくれているというのだから驚きだ。

カナダ時代から、僕が絵本を描き始めたときから、なんだかんだで応援を続けてくれているのである。

感謝以外に何があるというのだろう。

友達っていいな〜。

また明日から、みんなが日々(日常)に戻ってゆく 

バーベキューなんてやったのが夢だったかのように、楽しかった時間は脳内に残るだけで(写真を撮るのを忘れてた)生活は続いていく。

寂しいな〜。

暑かったけど、うちの庭にできたわずかな木陰に椅子を並べて、

「風があると涼しいね」

なんて言い合って、焼けたお肉が網の隙間から落ちちゃって

「ああ!もったいない!」

なんて言いながら、誰かがビールをこぼしたりして、みんなもうけっこういい歳なのにめっちゃ笑った。ずっとあの時間が続いたらいいのに、なんて思ってしまったが、それはそれで多分飽きちゃうんだろうし、きっとこれで良いんだと思った。

みんなが日々に戻っていって、僕は一人、後片付けと、すごく汚れた網を洗って、見事な初陣を飾ったバーベキューグリルを物置にしまった。

また使う日がきたらいいな。バーベキューグリルは、どこか誇らしげだった。

またいつでも使ってくれたまえよ、キッズたち。

そう言ってくれたような気がした。気がしたのではない。確実にしゃべった。

そして僕もまた、日々に戻ることにする。

楽しいこと、辛いこと、めんどくさいこと、大小さまざまある。僕だけじゃなく、みんな、生きている限り間違いなくある。日々というのはそういうものなんだ。

またバーベキューグリルを活躍させるためにも、次の機会まで、この日々を続かせようと思った。

この日々の延長線上に、きっと、その日はあるのだから。

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