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【絵本】 たんぽぽライオン


1

「がおにゃわー!!」

とても心地よい風が吹いていたので、おびちゃんはライオンのかっこうをして ライオンになる れんしゅうを していました。

2

すると、どこからともなく わた毛さんが ふわふわ とんできました。

3

「えーと、えーと このわた毛さんの なまえは にゃんだっけ?た、た、たんぴぽ・・・?」

4

風にのって ふわふわ とんでいく わた毛さんを おびちゃんは おいかけることにしました。

5

「おーい、わた毛さん、どこにいくにゃー?」

「きみはだれ? ライオンのつもり?どうして ついてくるの?」

「ぼくは しろねこの おびちゃんにゃ。ライオンになる れんしゅう中だったんだけどにゃ、きみに ついて いきたいにゃ」

「おびちゃんなんて へんな なまえ。まあいいけど。わたしは、わたしが さくばしょを さがしているの」

6

そのとき 「ぶわぁーっ」と 風がふいて、わた毛さんは とても とおくまで いってしまいました。

「わっ!まってにゃ、おいていかないでにゃ!えーと、えーと、たんぺぽ・・・?」

7

しばらくいった先で、わた毛さんは クモのすに ひっかかっていて、みうごきが とれないようすでした。

「クモさん、ごめんにゃあ」

おびちゃんは ライオンパワーで わた毛さんを クモのすから とってあげました。

8

「ありがとう、おびちゃ・・・あーれー!」

おびちゃんの 小さな手から はなれた しゅんかんに わた毛さんは また とんでいってしまいました。

「あっ!まってにゃ、えーと、んーと、たん・・・たんこぽ?」

9

ふわふわ ふわふわ わた毛さんは 空を およぐように ただよっています。

「わたし、今は わた毛だけれどね いつか きいろい花を さかせるの」

「きみを しってるにゃ。たんこぽ」

「たんこぽ?ちがうよ、わたしは たんぽ・・・あーれー」

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ずいぶん とおくまで わた毛さんは はこばれてきました。

やがて、わた毛さんと おびちゃんは だれもいなくて なにもない ばしょに たどりつきました。

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「きめた。わたしは ここでさく」

「そうにゃの?さみしくないにゃ?」

「先頭を走るって そういうものだよ」

わた毛さんは いいました。

「でも その さみしさと ひきかえにね、わたしは このばしょで さく さいしょの いちりんに なるの。それにね、たまに おびちゃんが あそびにきてくれたら さみしくなんかないよ」

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「うん」

そういって おびちゃんは、わた毛さんに 手をふって おうちに かえることに しました。

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「あっ、思い出したにゃ」

14

「たんぽぽにゃ」



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