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老後を生きる上で知っておくべきこと(3)

人は正体がよくわからないものに不安や恐怖を感じます。
老後のお金に対する不安を、数値で可視化して正体を明らかにしましょう。

2019年、年金だけでは老後資金が2000万円足りないという話が金融庁から飛び出し、話題になりました。
この2000万円という金額は、95歳まで生きることを前提とし、年金の平均受給額、高齢家庭の平均支出額を元に計算されています。
年間70万円、月々にして5万5千円ほどの不足になります。

心身ともに元気な間は働くことで収入を増やし、不足分を埋めることが現実的です。国は2013年から、原則65歳まで働ける制度を導入することを各企業に求めています。

働くことは、単に収入を得ること以外にも大きなメリットがあります。
脳の老化を防ぎ、健康な体を維持し、夫婦生活を円満に保ちます。私たちは働けるうちは働いた方がいいということが言えそうです。

老後のお金に対する不安から、金融機関のカモになってしまう高齢者が続出しています。
定年後、銀行に行って退職金をどうすればいいかと相談するような行為は絶対にしてはいけません。
金融機関は何も知らない客に対して、毎月分配型の投資信託を勧めてきます。仕組みが複雑な上、最初に支払う手数料も毎年支払う信託報酬も法外に高く設定されています。

投資や金融商品の誘惑に抗うのは、年齢を重ね認知能力が落ちるに従って難しくなっていきます。
元金保証で年4〜5%で回る商品があるんですがどうですか?と勧められたとき、どう思うでしょうか。
現在の超低金利な世の中で、こんな商品はありえません。1%の金利でも疑ってかかった方がいいくらいです。
にもかかわらず、こういった怪しい勧誘がまかり通っています。
投資・金融商品に関する最低限のリテラシーは身につけておく必要があります。

老後の資産運用に関しておすすめなのは、ノーリスクでできることは全てやってみるということです。
今メガバンクで定期預金を組むと金利は0.01%ほどになります。一方、ネット銀行ではキャンペーン時に0.3〜0.5%程度の金利がつきます。
0.5%ということは、メガバンク定期預金の50倍です。
過去の実績も含めて調べ、今後も金利の良い定期預金を用意すると思われる複数のネット銀行に口座を開き、資金を回しておくと良いでしょう。
また、ネット銀行は一定額以上預けておくことで、限度回数までの振込手数料がタダになります。

リスクを取る場合はインデックス投資に徹するのも手です。
インデックス型の投資信託とは、日経平均株価やアメリカのNYダウなどの指数と同じ値動きをするように設計された投資信託のことです。
購入手数料は無料、信託報酬は年0.2%以下という、圧倒的に手数料の安い商品を各社が用意しており、ネット証券でも購入できます。
半分になっても困らない程度の金額をコツコツ投資するのが良いです。
インデックス投資であれば、今回のコロナ禍のように一時的な暴落はあっても、長期間持ち続けていれば最終的に報われる可能性が高いです。
株式市場と資本主義の歴史がそれを証明しています。

老後の大きな収入の柱として介護保険があります。
介護保険とは、40歳以上の人が保険料を支払い、65歳以降支援や介護が必要になったときに給付やサービスを受けられる制度です。

65歳になると市区町村から介護保険被保険者証が交付されます。これは、これまで介護保険料を支払ってきたという証明書のようなものです。
これを持って役所に行き、介護が必要な状態かどうかの調査を受け、介護が必要ということになれば給付やサービスを受けることができます。

例えばデイサービスやショートステイを利用できたり、車椅子や介護用ベッドの貸し出し、自宅をバリアフリー化する代金の助成、週に1回程度ヘルパーさんに掃除や洗濯を頼むこともできます。
うまく活用して、払った税金を取り戻すようにしましょう。

それ以外にも老後に国からもらえるお金というのは結構あります。
高年齢雇用継続給付金、年金生活者支援給付金、高齢者家賃補助制度などがあります。
条件をクリアしている場合は必ず申請しましょう。

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