雑記2 革製品に翻弄される男
幼少の頃からpunkだの、ロックンロールだの、そんなヤツを愛好している。
今も絶賛愛好中だ。ここまで来たので多分死ぬまで「こんな感じ」なんだろう。
一切後悔は無いがソレに伴ったヤツで、一つ引っかかるのがある。「革ジャン」だ。
ダブルの。ライダース。うん。憧れ憧れ。欲しいけど持って無いの。
金を出せば買えるモノではあるが、俺が欲しいのは「若い時から着倒して己のクセがガッチリ反映されたクッタクタになったヤツ」なのだ。
金では買えないヤツ。
そりゃあ若い時「買おう」と何度も思った。もう「一生モノ」と思って。
「ライダース」と言っても、タイプが 大まかに「米」か「英」に分かれると思う。
「米」を選んだ場合「S社一択」だ。近所のお店にも売ってるし現物を見て試着して買える。決して安い訳では無いが買えない金額ではない。
みんな大好きラモーンズ。俺が着る様な小さいサイズは取り寄せになるけども。
が、比較的に「英」のバンド群を好んで聴いていたので「コッチ!」となるが近くには売っておらず「米」より割高、「何十万」とかものある。しかも「数社から選ぶ」し、通販になる上、試着もできないし革の感じもわからない。
大枚をはたくのだ、何か最近のユニクロ的な所で売ってるペッラペラな「ウレタンみたいなゴミ革」だけは避けねばならん。
米か?英か?で、どっちか迷っていると段々「ラモーンズVSロンドンパンク」的な妄想が始まり数秒妄想し、目的を見失う事多々。
好きなので、うんちくが増えすぎて実行に移れないパターン。
それに加えて「結構いい値段」という障害。
そして最大の障害「似合わない」という事実。
本当に似合わない。
悲しいが事実だ。
「着続ければ何とかなるのでは」と思いソレっぽいのを買って着たこともあるが「着ている」感が酷かったのか毎回のように「お、着ているね!」みたいなことを言われ続け恥ずかしくなって脱いだ。
諦めたのだ。
いや待て、悲しいがソッチの革じゃなくて「軍モノ」の革ならいいんじゃ無ぇか?とムックリ思う。アレはアレで格好良い。不本意だが「作業着」的なものは似合うと自負している。
「A-2」!スティーブ・マックイーン的なオットコ臭い格好良い奴だ。
俺ぁこっちの革だぜ!
友人がそういうのを取り扱うお店に勤務していたので、高級A-2とせっかくなので高級チノパンを試着させていただく。隙が無い完璧セットアップ。
しかし、鏡に映ったのはマックイーン様では無く「幸せの黄色いハンカチ」の健さんをだいぶ劣化させたものだった。
悲しいが事実だ。
健さんになれれば大したものだが、そもそも俺は健さんに成りたい訳では無い。
「方向性の違い」みたいなモノを痛感させられる。
もう俺に残された革は「土建屋のおっさんがスナックに着ていくようなブルゾン」くらいしか残っていない。
根拠は無いが似合う自信は有る。それか野球のグローブ。