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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:33 移染

請戸一帯を撮り終えて二本松市へ向かう。福島県の東西半分の距離を1時間半ほどで移動することになる。カーラジオから太陽光発電関係のCMがよく流れてくる。家のリフォームで「ソーラーパネルを付けませんか?」、家電量販店で「ソーラーパネル設置のご相談を受付けています」などのCMが福島県に入ると多くなる。原発は懲り懲りだという県民意識がビジネスチャンスになるのだ。日本中がこうなればいいのに。
国道114号の山道を行けば、まだまだ除染作業が続いている。猛烈な放射線量を残す津島地区周辺は長く立ち止まることを禁ずる立看板が並ぶ。

浪江町の津島地区


度々すれ違う細い山道に似つかわしくないトラックの車列。“環境省 除去土壌等運搬車”と書かれた旗を貼ったトラックは放射性廃棄物を運んでいて第一原発周辺の中間貯蔵施設に向かっている。その数、なんと1日1,000台以上だ。

中間貯蔵施設情報サイト

中間貯蔵、仮置き場、仮仮置き場などと名付けられた場所に移動される放射性物質を含んだガレキの山や土の山。そんな危険なものに決まった置き所などない。
樋口裁判長の大飯原発訴訟の判決文には、こう記されている。
「福島原発事故は我国始まって以来最大の公害,環境汚染である」。

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