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敷居は上げなくていい‐気軽に楽しめるコンサートを作る人たち

 2024年で設立30周年を迎える佐野市民文化振興事業団。来る5月4日(土)には佐野市葛生あくとプラザにて記念コンサートが開催されます。
 今回の記事では出演するアーティストのお三方と、当事業団でコンサートディレクターとして奔走しているスタッフのお話を伺いました。
 堅苦しいことは抜きにして、シンプルにコンサートを楽しめるヒントが散りばめられています💎

ヴァイオリン神山みどりさん

 まずはピアノ三重奏へ出演される神山みどりさんにお話を伺います。落ち着いた雰囲気とチャーミングな笑顔がとても印象的な神山さん。コンサートではピアノ新井啓泰さん、チェロ佐藤愛雅さんとご出演されます。
 神山さんのプロフィールからご紹介しましょう。

神山みどりさん

神山みどりさんのプロフィール

佐野市出身。東京藝術大学音楽学部器楽科ヴァイオリン専攻卒業。白鴎大学足利高校音楽科講師を経てマレシーシア国立オーケストラヴァイオリン奏者。その後、上海にて演奏活動を行った。室内合奏団カメラータ慈恩(ジオン)のメンバー。

佐野市民文化振興事業団ホームページより


ピアノ三重奏は個性のぶつかりあいを楽しんで!

Q1.ヴァイオリンをはじめたきっかけを教えてください
-神山さん

バイオリンを始めたのは3歳くらいです。兄が先に習っており、両親の教育方針でした。

Q2.音楽やヴァイオリンを通じて変わったこと、学んだことがあれば教えてください
-神山さん
器楽の習得はとても時間がかかるものなので、忍耐強さはついたと思います。

Q3.今回のコンサートの選曲に込めた思いを教えてください
-神山さん
ソロの曲はクラシックをあまり聴いたことがない方にも楽しんでいただける小品を選びました。

Q4.特に聴いてほしい注目(耳⁉)ポイントはありますか
-神山さん
ピアノトリオは3人で作り上げていくダイナミックな曲です!
それぞれの個性のぶつかり合いを聴いてほしいです。

Q5.今回特に難しかったところはありますか
-神山さん

人に演奏を聴いていただくのは何回ステージを経験していても難しいことです・・・!

Q6.最後に、神山さんが思う佐野で好きなところを教えてください!
-神山さん
佐野で好きなものはイチゴと佐野ラーメンです!


ピアノ 新井啓泰さん

 続いて神山さんと一緒にピアノ三重奏に出演する新井啓泰さんにお話を伺います。写真の構図や質問内容など気さくに提案してくれた新井さんのプロフィールからご紹介します。

新井啓泰さん

新井啓泰さんのプロフィール

佐野市出身。ピアニスト。東京藝術大学卒業。文化庁在研員として欧州に留学。東京文化会館でのリサイタルやサントリーホールでの協奏曲ソリスト等に定期的に出演。宇都宮短期大学音楽科教授及び学科長。

佐野市民文化振興事業団ホームページより

その他栃木県からとちぎ未来大使を嘱託されていたり、栃木県民必聴のRadio Berryで音楽のミナテラスとちぎ(毎週土曜日8:25~8:55)でパーソナリティを務められたりするなど多彩なご活躍をされています。

主役もわき役も!ピアノはマルチ俳優!?

Q1.ピアノをはじめたきっかけを教えてください
-新井さん

母親が中学の音楽の教師だったので、いつの間にかピアノを始めていました。なんとなく続けていたのですが、のめり込んだのは高校からです。そこからは本当に自分から音楽することにずっとハマっています

Q2.音楽やピアノのの好きなところを教えてください
-新井さん
音楽は芸術の中でも特に人の心に寄り添うことができる素晴らしいジャンルです。また、ピアノは万能楽器なので、ソロもアンサンブルも、主役も脇役もこなせます。自分自身も、役者のようにいろんな役をこなすのが、楽しく感じています

Q3.音楽を通じて変わったこと、学んだことがあれば教えてください
-新井さん

若い時はずっと音楽の中から物事を見ていましたが、最近はそれ以外からの視点も保ちつつ、改めて音楽の価値を感じています。

Q4.今回のコンサートの選曲に込めた思いを教えてください
-新井さん
楽しんでもらえることを中心に考えました!

Q5.特に聴いてほしい注目(耳⁉)ポイントはありますか
-新井さん
神山さん、佐藤さんとはご縁のある関係で、3人でステージに立てて嬉しいです。エッコの皆さんもお知り合いが多く、共演が楽しみです。アンサンブルから空まで幅広く楽しんで頂けると思います。

Q6.最後に、神山さんが思う佐野で好きなところを教えてください!
-新井さん
生まれ育ててもらった故郷、体の細胞にそれを感じます。水が美しく自然の息づきを自分の中に感じるときに佐野を思います

(左)チェロ佐藤愛雅さん (中央)ピアノ新井啓泰さん (右)ヴァイオリン神山みどりさん

和やかな雰囲気の中で行われていたリハーサルでは、至近距離で聴かせていただきました。体中に音の振動がダイレクトに伝わってきてしばらく動けませんでした・・!生演奏だから感じられる醍醐味ですよね。
佐野市出身のアーティストによるピアノ三重奏をお楽しみください♪


混声合唱団コール・エッコ チャンドラー秋さん

 次に佐野市の混声合唱団コール・エッコのチャンドラー秋さんをご紹介。今回は団内指揮者としてステージでタクトを振ります♪

混声合唱団コール・エッコとは?

私たち混声合唱団コール・エッコ は1988年に活動を開始し36年目を迎えます。20~70代の団員が、指揮者初谷敬史先生の指導を受け、音楽を創り上げる喜びを実感してます。一緒に歌う仲間を募集してます!

佐野市民文化振興事業団ホームページより

 36年の歴史ある合唱団、コール・エッコさんは毎週火曜日に風の子保育園で活動しています。幅広い年齢層の方が集まり、時に繊細に、時に和やかに真剣に練習されていました。

チャンドラー秋さん

合唱の楽しさが味わえる選曲に注目!

Q1.合唱をはじめたきっかけを教えてください
-チャンドラーさん
ピアノや歌が好きな父の影響ではじめました。コール・エッコには高校生の時に加入したので「秋ちゃん、秋ちゃん」とみなさんにかわいがってもらいました。

Q2.音楽や合唱の好きなところを教えてください
-チャンドラーさん
音を合わせるっていうのがすごく楽しいです。カラオケも好きなのでよく行きますが、カラオケと合唱の楽しさってやっぱり全く別だと思います。カラオケは好きな歌をのびのび歌ったり、個性のある声を楽しんだりするのがカラオケの楽しさです。
一方で合唱はそれぞれの個性を合わせて、メンバーでひとつの個性を作り上げていくように捉えています。シビアな部分もありますが、みんなできれいな音を作れるところが好きです!

Q3.音楽を通じて変わったこと、学んだことがあれば教えてください
-チャンドラーさん
大学は教育学部でピアノを専攻していました。その受験勉強の過程で初めて声楽に触れたとき、歌声の技術が成長したように感じました。
1人での表現とは別に、自分の声がこの団や曲に合う声になるためには 何が必要なのか、どういった声がいいのかなとかっていうところが考えられるようになりました。
また高校生から団のみなさんにかわいがってもらい、人間性の面でも成長を実感しています!

Q4.今回のコンサートの選曲に込めた思いを教えてください
-チャンドラーさん
団の選曲基準としては、聴いている人たちに楽しんでいただくを考えて選んでいます。その中で合唱のために作られた曲と、みなさんに楽しんでもらえるポップミュージックをバランスよく選曲しました。

Q5.特に聴いてほしい注目(耳⁉)ポイントはありますか
-チャンドラーさん

古典的な合唱曲と現代のポップミュージックそれぞれの良さを楽しんでいただきたいと思っています。20代~70代を様々な年齢層の団員がいる中で新しい曲にも日々チャレンジしています。聴いてくれているみなさんの気持ちも楽しくなるような演奏を届けたいです!

Q6.今回特に難しかったところはありますか
-チャンドラーさん
個人的なことになりますが、本ステージが指揮者初挑戦になります。今からとても緊張していますが、頑張ります・・・!

Q7.最後に、チャンドラーさんが思う佐野で好きなところを教えてください!
-チャンドラーさん
佐野の人のゆったりとした気質や自然が多いところが好きです。
佐野ラーメンやいもフライも好きです!

練習に来られないメンバーが置いていかれないよう、音源を共有するなど助け合っているそう

 荘厳な宗教歌から最近のポップミュージックまで幅広いジャンルを演奏してきたコール・エッコさん。今回もモーツァルトからSEKAINOOWARIと様々な面を魅せてくれます。何層ものハーモニーに耳を傾けたり、一緒にリズムに乗って盛り上げてくださいね。


コンサートディレクター 荒川幸子さん

 最後に当事業団でコンサートディレクターとして奔走してきた荒川幸子さんにもお話を伺いました。キラキラのステージの裏には裏方スタッフの暗躍あり!今回のコンサートの企画から各所の調整、ポスターデザインと幅広い業務をこなしてきたスタッフのお仕事に迫ります。

佐野市民文化振興事業団の荒川幸子さん

敷居を下げて気楽に文化に触れてほしい

Q1.コンサートの準備期間はどのくらいでしたか。
-荒川さん
昨年末から、約5か月間準備をしてきました。

Q2.どんなお仕事をされていますか。
-荒川さん

まずはコンサートのテーマを決めるところからスタートしました。
今回は特に場所の確保に苦労しました。というのも佐野市文化会館がリニューアル閉館期間になり、会場が限られなかなか希望の日に空いていませんでした。
幸いなことにお願いしたかった出演者の方たちとぴったりとタイミングが合い、素敵な演奏をしていただけることになってほっとしています。
その他デザインツールを使ってポスターやプログラムも手作りしています。市内のお店の方が快くポスターを貼ってくれてうれしかったです。
当日もボランティアさんを含めたスタッフのみなさんと会場づくりをします。多くの人が関わるので円滑に準備ができるよう、スケジュールや必要な業務の洗い出しをしているところです!

Q3.特に聴いてほしい注目(耳⁉)ポイントはありますか
-荒川さん
同じ空間で、様々な人が楽しい時間を共有することができるのがコンサートの良さです。当事業団では講座やイベントを行っていますが、コンサートは気軽に来やすいかと思います。今年は事業団設立30周年の記念イヤーでもありますが、多くの人に文化や芸術を楽しんでほしいです。

Q4.最後に、荒川さんが思う佐野で好きなところを教えてください!
-荒川さん

水です!
毎日蛇口からおいしいお水が飲めることが佐野の1番の魅力だと思います。


デザインツールも使いこなし、広報物に親しみをプラスしてくれます

 一人で何役をこなしているんだろう、と淡々とすごいスピードでお仕事をこなす様子にいつも感心しています。
 いい演奏ができるなら・・・とアーティストのお弁当にまで気遣える繊細さは見習いたいポイントです。表には出ないけれど、縁の下の力持ちがコンサートを支えています。当日はスタッフの皆さんと笑顔でお出迎えしたいと思います!


佐野市民文化振興事業団 設立30周年記念コンサート

開催日 2024年5月4日(土・祝)
開 演 13:00(開場12:30)
会 場 佐野市葛生あくとプラザ大ホール(栃木県佐野市あくと町3084)
入場無料 全席自由

~プログラム~
◇Ⅰ部 13:00~13:40
~混声合唱団 コール・エッコ ~
夢見たものは 
 彼方の光  
 スターライトパレード ほか

◇Ⅱ部 14:00~15:30
~佐野市出身の音楽家によるピアノ三重奏~
愛の喜び 
 白鳥 
 魔王 
 ラ・カンパネラ 
 ピアノ三重奏曲第一番より ほか


🌟 公益財団法人佐野市民文化振興事業団 佐野市大橋町2047(佐野市郷土博物館内)
🌟 公式Instagram ディスカバーサノブンカ
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