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「シバトラ」安童夕馬/朝基まさし

漫画の紹介。
完結、全15巻。

「きのみきのまま、木の実ナナ」たぶんなんかで芸人が言っていたセリフだ。
女優の木の実ナナ、今何しているんだろう?
そして今の若い人で知っている人がいるのだろうか。

かつて、刑事ドラマといえばハードボイルドな刑事たちが、バンバンと銃をぶっ放すドラマだった。
石原軍団全盛の時代、ショットガンまでぶっ放していた。
そんな刑事物の中で、どこかおしゃれでかっこよいドラマがあった。
それが「あぶない刑事」だ。
刑事はデカと読む。
柴田恭平と舘ひろしのコンビものの名作だ。
そのドラマに木の実ナナが出てた。
木の実ナナは主人公の2人とは違う部署、「少年課」の課長で、たまーに出てきて主人公達を助ける役回り、ドラミちゃんみたいなね。
これが品行方正な自分が「少年課」という部署が警察内にある、ということを認識したはじめてだった。

少年犯罪は通常の警察官ではなく、少年課が担当する。
他にも家出した少年少女の補導などを行うと。

少年課をテーマにしたのが本作。

あらすじ。
まるで中学生と見間違えるような童顔の警察官、柴田竹虎は父親が少年課の刑事だったことから、自身も少年課刑事を目指す青年。
彼は中学生時に剣道大会で優勝した実力者で、その腕とまっすぐに心根、そして中学生のような容姿を武器に、少年事件に立ち向かうとうストーリーだ。

本作の中で非常にこころに残っているセリフがある。
「少年犯罪をたどっていくと必ずといっていいほど、腐った大人たちに行き当たる」と。
このセリフに表されるように、少年達の犯罪がテーマなのだが、少年達は大人たちの心無い仕打ちやネグレクトによって犯罪を犯してしまう。
竹虎は無事に少年課の刑事になるのだが、少年課の刑事の役割が少年犯罪の犯人を捕まえる、だけでなく少年達を救うということだと気づくのだ。

また本作には超常的な設定も一部ある。
主人公はこれから死の危機が訪れようとしている人がわかる。
その人の周りに死神の手と呼ばれる手の幻覚が見えるのだ。

この設定いるのか?と思った。
思ったのだが、最後はこの死神の手が綺麗な結末へと導くので、まあよかったんじゃないかと思う。

シリアスなシーンもあるのだが、コメディ要素も多く、深刻な問題を描いているが、そこまで深刻にならずに読める。

そもそも少年犯罪を、少年を捕まえるそして少年を救うという視点から描いている漫画ってそんなに無いのではないかと。
だから、、なんというか名作でもあるし、貴重な作品でもある、と思う。

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