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LOONA「So What」とガールクラッシュについての覚え書き

今年はもうほとんどTwitterを触る気がないので、noteで聞いている音楽の感想などを書こうと思う。

一週間ほど前に、LOONAEVERGLOWがカムバした。

一週間経た現在のMV再生数は、「So What」が約1250万に対し、「DUN DUN」が約6200万。某グループを始め、KポのMV再生数に関しては妙な動きをする場合があるので一概には参考にしがたいとはいえ、これだけ見たらLOONAの完敗である。

正統派ガールクラッシュとしての地位を固めつつあるエバグロに、付け焼き刃の「I'm so bad〜〜!😎 I'm so bad〜〜!😎」は分が悪すぎるだろ〜〜〜という話です、今日は。

前回の「Butterfly」からして、「やや背伸びしすぎでは?」感の否めなかったルーナ。童顔・身長低め・ファンシーなメンバーが多いため、不思議系サブカル・コンセプトで特化していけばいい(実際、合流前はそんな方向性を予感させるような楽曲が中心だった)だろうに、どうして真逆にいくのだろうか。「I'm so bad〜〜!😎 I'm so bad〜〜!😎」じゃないんだよ。Vlogなんか見てても、10代そこらの女の子たちがキャッキャ騒いでいる(おもにチュウ)のがルーナであって、誰一人とってもbadではない。となると「I'm so bad〜〜!😎 I'm so bad〜〜!😎」は"""嘘"""ということでは? 嘘はつかないでほしい。

とはいえ、「favOriTe」からヤンキーコンセプトはあったわけなので、これはもうプロデュース側の迷走ではなく、「ガールクラッシュはウケる!」という風潮への戦略的迎合でしかないのだと思われる。実際にウケてるのかは知らないけど、風潮としては確かにあると思われる。

(G)I-DLEも似たような流れに乗っていた。メンツがメンツなので、LOONAのそれに比べたら全然悪くはないんだけど、こちらも世界観的にどうなんだ?と思わせられるようなカムバであった。

ヤンキー系ガールクラッシュの弱点(場合によっては強みかもしれないが)は、リアリズムに根ざしているせいでグループが一気に庶民的になってしまう点だ。「LATATA」「HANN」など、神秘的・超越的なコンセプトでデビュー当初から大ハネしていたアイドゥルは、その崇高さこそが売りであったはずなのに、「Uh-Oh」で一気に平均レベルのイメージに引き下げられてしまったと思う。(いや、アイドゥルは「Senorita」から様子がおかしかったといえばおかしかったのだが、個人的に好きな曲なのでノーコメント)

ほとんど唯一の例外としてRed Velvetの「Bad Boy」があるわけだが、こちらはそれなりにキャリアを重ねて、グループとしての世界観が出来上がっているからこそできる遊びなのであって、デビューから日の浅いLOONAが気軽にできるものではない。実際、コンセプト的には挑戦的な「Bad Boy」がRed Velvetの代表曲になるほどハネた、というあたりが格の違いを感じさせられる。メンツの覇気が違うので比べるような対象ではないのだけど。(あえて&強いて言えば、二個前の「Umpah Umpah」は庶民的すぎて、コンセプトとしてはいまいちだったかも。曲はいいのだが。)

ところで、つい昨日カムバしたCherry Bulletもここぞとばかりにガールクラッシュ。チェリバレとしてはようやくまともな曲を得たな、という感もあるが、どうもMAMAMOOの「HIP」を思わせる質感が気がかりだ。鳴り物入りでデビューしたわりにいまいち強みを見つけられていないグループなので、いろいろ試してみるのはいいかもしれないが……。

と言うか、この手のガールクラッシュだとMAMAMOOの存在感が強すぎて、まともに太刀打ちできるグループがない。「HIP」は本当に💯のカムバであり、まさに"K-POP"であった。ママムにしろレッベルにしろ、一個前の世代にあたるグループが強すぎて、向こう三年は世代交代がなさそうに思われる。

MAMAMOOやRed Velvet、あるいはBLACKPINKの活躍を見ているといくらか考えさせられてしまうが、メンバーはたくさん集めればいいってもんではなく、5人ぐらいの精鋭を特化したほうが完成度は必然的に上がる。その点、2018年以降の若いグループとしてもEVERGLOW、(G)I-DLE、ITZYが伸びているのはまことに納得がいく。メンバーひとりひとりの差異化がしっかりしていて、応援する側もフォーカスしやすい。10人超の大人数グループは、いまや練習生の受け皿になっているだけでは、と邪推してしまうほどだ。

とりわけ、LOONAにおけるメンバー間の扱いについては、もはや心配になってくる。具体的にはヒジン周辺の優遇とビビ周辺の冷遇だが、かなしいので黙ることにする。だったらはじめから強めのメンバーだけでよかったのでは?というのが正直なところ。

昨年、デビューからたった二年で解散を発表した悲劇のグループPRISTINも、末期には「主要メンバーだけを集めたユニット」で活動するなど、奇行が目立っていた。これが意味するところとは? 押して図るべし。

ということでLOONAに戻ってくるわけだが、よしんばこの曲を別のグループ、例えばEVERGLOWにやらせたとしてもイマイチだろうと思う。ITZYのアルバム曲でギリ、といったクオリティではないか。紆余曲折あったとはいえ、一年越しのカムバ。膨れ上がる期待に対して「I'm so bad〜〜!😎 I'm so bad〜〜!😎」は違った。それでなくとも、ルーナはティザーで力を入れすぎなのだ。

これを書いていて気づいてしまったが、個人的に見たがっているK-POPヨジャドルの諸々はすでに飽和していて、「飽和しているがゆえの面白さ」みたいな逆張りにもそろそろ飽きつつある。とりわけ、こうも安易なガールクラッシュの風潮が今後も続くようならぼちぼち撤退だな、といったところ。具体的には、fromis_9がガールクラッシュをやりはじめたら、僕はおしまいです。

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