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地震に事故、2024年はとんでもない年になるのか?と思うも

先日の羽田空港の事故で、JALが400名近い乗客を全員無事に脱出させたことがメディアで大きく取り上げられています。


厳しい保安訓練を日頃から行い、窓の外で炎が上がっている状況でも冷静に乗客の安全を守ったJALはすばらしい。
そんな声が多い一方で「全員大人しく席に座っている日本人は情けない」という批判のコメントをどこかのネットニュースで見ました。

確かに思考停止になって、大きいものにただ巻かれていればいいという日本人にありがちな姿勢は問題だと私も思います。
実際に私の回りにも上からの指示をただボーっと待っているだけの人は多くいますし、特にこれからの正解のない時代を生きるには、常識にとらわれず自分の頭で考えて動くことは不可欠なことです。

しかし事故当時の映像を見ると、機内は相当なパニック状態になっており「ドアを開けてください!」「早く出してください!」という絶叫の声も聞こえ、乗客はただ大人しく座席で座っているようには見えませんでした。
ではなぜ乗客たちは、そんな極限な状況においても最終的に客室乗務員・CAさんたちの指示に従ったのでしょうか。

私は、乗客の方々の中に「このCAさんたちになら、自分の命を預けられる」という信頼があったから。のように感じました。

CAさんの訓練は過酷です。訓練では保安訓練というより軍隊のそれに近い。

以前私が見たCAさんの非常事態を想定した訓練では、教官が「ドアは爆発によりすべて開きませんよ!どうするんですか!?」と訓練生に怒鳴りながら詰めます。(訓練では機体は全て使用不可という設定だそうです)
教官に詰められた訓練生はとても華奢で美しいお顔立ちの女性ですが、すごい形相と野太い声で「死んでも開けます!!」と返答していたのが印象的でした。

火の手と煙が上がって誰もが死を覚悟するような状況でも、保安要員として最後までお客様を守る。その覚悟、肝の強さ、魂の叫びに、乗客たちは「この人たちなら」と命を預けたのではないか。
逆に言うと「この人たちになら自分の命を預けてもいい」と乗客に思わせるだけの気迫をもしもの時に背負えるように、彼女たちは厳しい訓練を日々積んできたのではないか、と私は思いました。

既に多くのメディアで報じられているように、着陸後に機体の後方はすぐ火が上がっており、安易にドアを開けると爆発する可能性もありました。客室乗務員さんたちは状況を確認した上で、前方のドア3つを開けたようです。
厳しい訓練を積んでいるとはいえ、非常時にそうした判断と行動が出来たことは、賞賛されるべきではないかと思います。

日本人の自己肯定感が低い方が都合が良い人たちによってこうしたすばらしい行動も重箱の隅をつつくように批判されてしまいますが、私の足りないおつむで考えても今回の乗務員の方々も居合わせた乗客の皆さまも、やっぱりすばらしいとしか思えません。

とはいえ乗客・乗務員すべての方にとって本当に恐ろしい体験だったと思いますので、しかるべき心理的ケアが取られることを願います。
信頼できる誰かに話を聞いてもらったり、ヨガや呼吸法などボディワークから心身を休めるように、大変な目にあった方々が意識的にケアをできますように。

地震に事故に、2024年はとんでもない年になりそうだという見方もありますが、私はこのような事態の中でも職務に全うされた方がいる日本と、日本のあるこの世界はまだ大丈夫だと思っています。

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