ー異世界図鑑ー

ここでは、見たことのない生物や植物、生活用具などが見られる。それらをここに記録しておくことにする。

・ハングリーラビット

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体長2ピエ(約32センチ)。大型の肉食性ウサギ。ネズミなどを捕食しているところを度々見かけた。数頭~十数頭の群れで狩りもしており、牛の子供も仕留めていた、また、このウサギ自体も捕食対象になっていて、より大きな生物が追いかけている姿も良く見る。警戒すると普段しわくしゃの耳をうちわの様に広げる。

・ヨツメアゲハ

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翼長9プース(約25センチ)。大型のアゲハ。羽に目玉のような模様が4つありそう名付けた。赤や青の複数の色のものが確認された。雌雄の別か個体差かはまだ分からない。強烈な甘い香りを放ち、それを嗅ぐと酩酊状態になる。特に飛翔時にはそれが広範囲に広がる。出くわしたときは刺激しないようにそっと離れた方がいい。ただ、この羽の鱗粉は強壮剤になるらしく、ジュビーの町に持って行くと喜ばれる。

・ロングリーチ

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体長不明。大型のヤマビル。高木の上から最大20ピエ(約3メートル)ほども体を伸ばして触手から獲物の体液を吸う。小さな生き物なら口吻で獲物を包み木の上に引き上げてからゆっくりと吸う。体液は皮なめしに使うと毛がきれいに落ちるとのこと。伸びるときは素早いが縮むときはゆっくりなので、伸びてから捕獲することは容易。寝ているハングリーラビットの上に大量に垂れている姿は何やら地獄のような様であった。

・フォレストオーク

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体高6.5ピエ(約2メートル10センチ)。胴体は太く、推定体重は300リーブル以上(約150キログラム)。大柄で強面だが気性は臆病で、隠れる木々がある森から決して出ようとしない。衣服を着、斧などの道具を使うところから人間に近い知能を持っていると思われる。言語を発しているところは確認できていない。また鉄くずも収集している。以前奪った手斧を見たところ手製らしかったため、鍛冶仕事もこなすのかもしれない。服装からほかの個体は居ないものと思われる。

・イエロースラッグ
体長3.5ピエ(約120センチ)。トカゲを探しているとほら穴や暗い裂け目などで稀に遭遇する。暗く湿った場所でじっとしていて、ほぼ動かない。熟れた瓜のようなレモン色の体表はヌメヌメして柔らかいが、その割に刃物などは通りにくい。食材として人気があるが私は口にしたことは無い。加熱すると20分の1くらいまで小さくなり味が凝縮するそうだ。

・スティンキーラット
体長2~3プース(約5~8センチ)。クマネズミほどの小型のネズミで、長く毛羽立った茶褐色の体毛が特徴。町の外れなどにも現れ、湿気った布のような独特の腐臭を出すため嫌われている。多くの森の生き物もこれを嫌い、近づかれると自ら退散する。前述したヨツメアゲハ同様、臭いで捕食者から身を守っているものと思われる。小さな穴や木のうろなどに密集していることがあり、それは大変に臭い。湿気の多いシダ類の自生する環境でよく見られる。

・フライングラット
体長8~9プース(約22~25センチ)、尾長10プース(約27センチ)。カルマルやアジアで見られる「モモンガ」という生き物を彷彿とさせる怪物。樹上を飛行しながら往来する小型の猿で、大型のリスのようにも見える。1~十数頭の群れで移動し、主に木の実や虫などを食べている。縄張り意識が強く、そこに踏み入った者は大型の動物であっても激しく威嚇する。群れはリーダーを中心とする社会性を示すような行動も見られる。集団でいると大変に厄介な存在だ。

・レッドエイプ(アカテナガザル)
体長4~5ピエ(125センチ~160センチ)。インドに生息するテナガザルに類似する特徴を持つ、赤毛長毛の大型の猿。文献にあるテナガザルと比べるとだいぶ大きく、恐らく猿の仲間では最大。樹上で暮らしフライングラットとよく縄張りを争っている。木の実などのほか、小~中型の動物も獲物としていて、人間にも積極的に攻撃をしてくる。そのため威嚇などはほぼ通用しない。 しかし単体では臆病な一面も見せる。

・ポイズンスパイダー
体長1~2プース(3~5.5センチ)の小型のクモ。寸胴な本体に短い脚を備え、非常に硬質な体表を持つ。ハンマーで叩いても容易に潰すことができない。鉛色の鈍い光沢を持ち、町で装飾に使われているのをしばしば見かける。有毒で、嚙まれると強い倦怠感に襲われる。

・グレムリン
体長不明。町の人たちは不意に建物や持ち物が壊れると「グレムリンが出た」という。実際に見たという人は「翼の生えた小鬼のようだ」と言っているが私は未だ遭遇していない。様々なトラブルの原因をそのグレムリンという生物(?)のせいにしてるようだ。フランクで言うところの悪戯好きな妖精といったところだろうか?コウモリを捕らえてその羽を持って「グレムリンを退治した」というと町では喜ばれる。

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