メキシコ出産ばなし
出産といえば、一つの大きな出来事。
私の場合、帝王切開でラクに出してもらったし、色んなことを忘れっぽいし
覚えているうちに書いておこう。
メキシコ・オアハカでの出産。
当時、色んな人に「異国で初出産なんて凄いねぇ〜」と言われたけど、
いえ、全然!!!
メキシコの方が出生率高いから、なんか日本でより安心していた。
こっちでは、医師の都合上(手術の方がお金が稼げる、自分のスケジュールが立てられる)大半が帝王切開。
せっかくの機会だし、一度は想像もつかない程の
痛い!苦しい!と言われる経験をしてみた方がいいよね、ということで
自然分娩を推してくれる数少ないお医者さんを捜した。
そして偶然出会えた女医さん。名前はジャネット。
そこの胸元の大きいハートの窓、必要ですか?みたいなのとか、いつもセクシーな服を着ている美人女医。
ノリもよく、頭がキレて、私の乏しいスペイン語でもちゃんと理解してくれて、最初のうちから すぐに信頼できた。
何回目かの診察で、
ほら、ここにおチンチン見えるでしょ、男の子だね!
男の子がいいな、と強く望んでいた私はその日は大喜び。
そしたら次の診察で、女の子に変わった。
あれ、前回見たのは何だったのか。
みるみる大きくなるお腹。
不思議な感覚の何物でもない。
予定日3ヶ月前、夫婦二人では最後ということで旅行でビーチへ。
海を前に入らずにはいられず、入ったら思いっきり大波に流されたのを浜辺から見ていたカズさん、「嫁とお腹の中の子が大波に消えていった」だってw
あれよあれよと予定日も過ぎ、なかなか出てこない赤子。
女医さんに、「胎盤がだいぶ劣化してきているから、3日間だけ待って、それでも陣痛来なかったら促進剤打とうね。」て。
その診察から3日後の朝、お腹覗いてみたらまさかの逆子に転身。
女医さんも3日で逆子に?とビックリ。仕方なくその夕方帝王切開することに。
こっちでは、産む病院は自分で決めるスタイル。
決めた病院に担当医が出向く。
サチータ(自営のお店)とお家の間にできた新しい病院と、
友人が一度そこで出産したと言う、もう一つのの病院を事前に見学。
アットホームな感じの後者に決めていた。
金額もだいぶ安かったし。(こっちではもちろん出産費用はすべて実費)
じゃぁ今日の夕方5時にその病院で待ち合わせね、
とデートみたいな約束を女医としてから
お家に帰って入院準備。
夕方まで何も食べないでね、と残酷なこと言われたので
とりあえず、何となく、おにぎり握って病院へ。
手術室に入室。麻酔打ったのも感じないし、
お腹切って、開いて、腕突っ込まれてるのも感じなかった。
意識はハッキリしてるのに何も感じないという不思議さ。
手術ってこーゆーものなのか。
ただベットの上で自分の身体が揺れてるのがわかった。
お医者さんと同じ青い服と帽子をかぶったカズさんが隣で手を握ってくれた。
数分後、
女医が「ほら〜!」と、とれたての赤子を目の前に差し出してきた。
私の最初の一言。うわぁ〜〜〜〜〜、白!(膜で)
そこから助手の人が赤子のへその緒切ったり、身体拭いたり、ピアス開けたりして
その間私はお腹縫ってもらって終了。
手術室に入ってから約45分。早!
朝から何も食べてないしお腹ペッコペコで待っていた夜ご飯は、
病院近くのローカルな食堂?の作り置きおかず的なローカルフード。
温かくもないし、美味しくもないけど
とにかくお腹が空きすぎてたからすぐ間食、それでも全く足りず。
持ってきたオニギリに命を救われた。
日本では出産の、入院食がめっちゃ贅沢で退院時はフレンチコースとか出てきたりもすると聞いてたんだけど。あれ、全然違うのね。
手術翌日、もう一泊する?て聞かれたけど居心地も良くないしご飯も美味しくないし、すぐにでもお家帰りたかったため、「いえ、帰ります!」
退院手続きや支払い等々、カズさんはスペイン語話せないから自分でやるしかなかった。
下の受付と自分の病室を何往復も階段走って登り降り。
そう、病院なのにエレベーターがなかった。
産道を必死になって通ろうとせず、スッと取り出してもらった赤子と、
なんの苦労もない母親のなんとも印象に残らない出産だったのでした。
出産のあと是非叶えたかったことがあった。食べると若返ると噂のプラセンタ・胎盤を食べたかったのだ。
なのに胎盤を病院に忘れて帰ってきてしまった。
捨てられる~~~~!!と焦りまくってたら
カズさんがタクシー飛ばして取りに行ってくれた。
胎盤食べたい!と言っていたのを女医が覚えてくれていて
冷蔵庫に入れてとっておいてくれたようで、血まみれのビニール袋ぶら下げてカズさんが帰ってきた。
わさび醤油につけてお刺身で、
焼いてステーキ風に、
パスタと一緒にボロネーゼ風に、
3パターンで食べた。
人間ひとりを創り上げた胎盤に神秘を感じながら、美味しかった。
結婚生活7年目にしてカズさんとふたりの生活に急にひとり入ってきて
不思議な感じに3人暮らしスタート。つづく
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