人生を変容に導くハートの働き『LIVING ENERGIES⑨』
リーラ・ラブガーデン
インタビュアー：江谷信壽
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リーラ、あなたはハートのスペシャリストとして知られています。それは、なぜでしょうか？
私が初めてハートセンターの存在を知ったのは1975年のことです。そこから一生をかけた長い、成長と発見の旅がはじまりました。そして、その旅は今もまだ続いてい ます。
初めてハートを知ったとき、その感覚は、ある意味なじみがあるものでしたが、同時にまったく新しい世界が目の前に開けた経験でもありました。愛はハートの旅のはじまりにすぎないことが分かったのです。
それがあまりにすばらしい体験だったので、他の人たちにもわかちあいたいと思いました。そして1975年以降、40年近くにわたり、ハートに気づくための瞑想法をリードしてきています。
ハートについて教えはじめたのは、カリフォルニア州の バークレーでした。 バークレーでは、初めてチャクラについてのクラスを受け、そこでハートについて学んだのですが、そこでプラサー ド・ワンドレスに初めて会いました。
今は同僚であるプラサードとは先生として出会い、彼はチャクラについて教えてくれました。 それから、すぐに私はプラサードとともにクラスを教え はじめたのです。
これまで長い年月を通じて、世界中の国々を訪れ、40カ国以上の国の人々にハート瞑想をリードしてきました。 そのなかで、日本には1977年に初めて訪れました。 それ以来、ほとんど毎年日本に戻っています。
これまで日本を訪問したのは32 回くらいになると思います。 ある年、九州地方の島からやってこられた、お坊さんとその奥さんに出会いました。お坊さんは、「九州でハート瞑想をリードしてくれませんか」と私を招いてくれたのです。
お坊さんは、こう言ったのです。 「私たちには空（くう）がありますが、あなたには愛があります。あなたが持っているものを私に教えてください」と。
あなたにとってハートとはなんでしょうか？
ハートとは、胸の中心に位置するエネルギーセンターのことです。心臓のことを言っているのではありません。 ハートセンターは、スピリチュアルセンターともいわれています。
ハートの働きは、ずっと昔から知られていて、愛、慈し み（慈愛）、思いやり、感謝、許し、親切さなど、美しい特質がたくさん存在する場所であるとともに、辛い感情や欲望、恐怖、攻撃性、否定的な思考、それに肉体のアンバランスなど、ネガティブな状態を変容させる能力を持つ場所でもあります。
リーラの生活では、ハートについて、どのような経験をされていますか？
まず、思考や感情、記憶などを司る働きをマインドと呼ぶことにしましょう。 子どものころ学校では、他者とコミュニケーションを行ったり、論理的に考えたり、困難な状況やチャレンジに対する解決策を発見したりするために、マインドを使いなさい と教わりました。
後になって、マインドはとても役に立つけれども、どんなこともすべてマインドで対処しようとすると限界があるし、生きていることの豊かさ、美しさを与えてくれるわけではないことがわかりました。
マインドだけを通して生きていると、満足感も得られな いし、自分が欠けるところのない全体的な存在だという感覚も持つことができません。 マインドでは、私たちのなかのひとつの部分があることを望むと、マインドの別の部分は違うものを欲しがるのです。
こうして私たちは内側の葛藤、ストレス、緊張に苦し むことになります。 一方、スピリチュアルハートは広大です。マインドのすべての側面を、そのなかに含めることができます。
そしてハートの内側でこそ、くつろげてポジティブなバラ ンスと調和を発見することができるのです。解決策がハー トからやってくるとき、それはより繊細で、クリエイティブで、 知性があり、マインドに比べてずっと深い理解に基づいたものなのです。
ハートはどのような仕組で働きますか？ そして、あなたのふだんの生活や仕事において、ハートはどう助けになりましたか？
私がなにかを教えるときには、まず自分で実際に実践するところからはじめます。 ハートについて教えるときにも、ハート瞑想のテクニックをくりかえし使っていき、自分の人生がどのように変化していくのかを経験することで、ハート瞑想を人にもわかち あいたいという気持ちが湧きあがってくるのです。
それは、 他の人たちの人生も改善されていくのが見たいからです。 自分の生活が改善されたときの喜びは、他の人たちの生活が改善されるのを見ることで、数千倍にも膨らみます。
ハートの働きの仕組みですが、ハートの経験はとてもシンプルで、いつでもどこでもできることなのです。ハート瞑想のテクニックは、聴く、感じる、見るという感覚を使うことに基づいています。
ハート瞑想を実践していくのなら、最初は心地よい環境 で、シンプルで簡単なテクニックからスタートする必要があります。たとえば、美しい音楽や自然の音を、ハートを通して聴くことなどです。
もうひとつの簡単なテクニックは、胸の中心にただ片手を置いて、ハートを感じるというものです。あるいは、花のように美しいものを見ながら、目とハートをつなげて感じるのもいいでしょう。
ハートにつながる経験を積んでいくと、ハート瞑想のテ クニックを、もっと難しい状況でも使えるようになります。 そうなると、ハートから気づくことで起こる変化を体験することができます。
たとえば、マインドとネガティブな感情から物事を見ることで、状況に対する見方が制限されていたとしましょう。 そこでハートにつながり、ハートから気づくと、人間の内側 にあるずっと深いところから、広い視野で状況を見ること ができるようになります。
広い見方ができるようになると、状況が正確に見え、全体像を捉えることができます。そのうえ、その状況で助けになる、さまざまな可能性も視野に入ってくるのです。
たとえば、勇気が必要な状況では、勇気を持つことができます。愛情深いアプローチが必要な状況では、愛が内側深くから湧きあがってきて、愛を持って行動することができます。
明晰さ、直観、忍耐、あるいは知恵が必要な状況では、 ハートを通して、これらの内側の質に触れることができるのです。
ハートについて学ぶことで、人生にどのような違いが生まれますか？
私たちはみなハートを持っています。内側に美しい質が、 すでにあるのです。 しかし、さまざまな理由からマインドを通して生きていると、ハートの存在を忘れてしまいがちです。
あなたにもそれがあてはまるのなら、ハートについて学ぶことで、もとも と内側にあるリソース（資源）を使うことができるようになります。 なかには、自然にハートにつながることが容易にできる人もいるでしょう。
そのような人でも、さらに深くハートにつながると、今まで知らなかった世界が開かれる可能性があるのです。そして、今まで以上に、すばらしい経験をたくさんしていくようになります。
ハートは広大で、深く入っていけばいくほど、私たちは成長し、自分の本来の姿をますます発見していくことになります。そして私たちの本来の姿は、今まで知っていたものに比べて、はるかにすばらしく、美しいものなのです。
ハートに入っていくことは、生きるうえで美しい旅だといえます。 ハートを経験せずに生きることは、非常に表面的に生きることであり、あまり満足も得られません。
だからこそ、多 くの人が人生の意味を見失っているのです。ハートがなけ れば、人生で本当に大切なものを見逃してしまいます。
ハートはどのように生活を変容させるのでしょうか？
初めのうちは、ハート瞑想のテクニックを非常にシンプ ルで、簡単にできるものにしておくことが大切です。 ハート瞑想は、初めは心地のよい感覚を与えてくれます。
しかし、最初からハートの持つ変容能力を経験できるわけではありません。この心地よく感じられる時期があると いうのは、とても大切なのです。 それが基礎になり、ハートを信頼できるようになっていきます。
信頼すると、ハートは人生を変容させるのに必要な強さを持つことができ、生活の改善に役立つようになります。 変容は、まず苦しく辛いフィーリングや、ネガティブな思考パターンに対して、それらを拒否したり、抑圧するのではなく、ただフィーリングや思考とともにいることで起こっていきます。
ハートは、変容が起こるのに必要なスペースを与えてくれるのです。誰でも辛い感覚やネガティブなものから逃げようとする傾向があります。ハートの働きは、まさにその正反対です。
辛いフィーリングから逃げたり、それを拒絶したり、押さえつけたり、あるいは避けたりするかわりに、ハートはそれを受け入れます。受け入れるだけでなく、辛いフィーリン グを喜んで迎えるのです。
すると、内側にあるたくさんの可能性が開きはじめます。 ときには自分にも人にも慈愛の気持ちを感じ、ときには新しい理解が生まれます。また、ときには見方が変わり、 それまで大問題に見えていたことが、実際はそれほどたいしたものではないことがわかり、解決法がシンプルではっきりしたものになることもあります。
問題だと思っていたことが、実は単なる誤解だったことに気づくこともあり、そうして問題は消え去っていきます。 よくあることですが、痛みのなかにはすばらしい贈り物があるのです。そして、ハートによって、その贈り物が手に届くものになっていくのです。 ハートを通して、状況に抵抗せず、それを経験するまま に任せられると、多くの可能性が開いていきます。
ハートについて学ぶことは、どのようにオーラソーマの役に立ちますか？
オーラソーマのセッションを提供するプラクティショナー、オーラソーマのクラスを教える先生、また、自分のためにオーラソーマを使っている方たちにも、ハートを学ぶことはとても役に立ちます。
理由はさまざまありますが、もっとも大切な理由は、さきほどお話ししたように、ハートがあなた自身の生活を変 容させることができることにあります。
オーラソーマは、美しいシステムです。そしてハートに深くつながることで、さらに豊かな感受性を持って使うことができるのです。 ハートは愛に満ちた雰囲気を生みだします。
その雰囲気 のなかでクライアントや生徒たちに会うようになります。 ハートはまた直観をも開き、セッションやクラスの質が向上します。そして、だんだんとハートを通してクライアント や生徒たちと、シンクロニシティの状態に入ることができる ようになっていくのです。
シンクロニシティの状態に入ると、オーラソーマの理解を、 クライアントや生徒たちの性質に合った方法で提供するこ とができるようになるのです。 そしてハートは、あなたが伝えたいことについて、言葉 だけでなく、言葉にこめられたエネルギーをトランスミット （伝達）する能力を高めてくれます。
そうなると、教えてい ることは、ずっと強力で効果的なものになり、クライアントにも生徒にも、よりよい結果をもたらすことできるのです。
ハートは、どのように学ぶことができますか？
ハートについて学ぶ方法はたくさんあります。 ひとつは本を読むことで、たとえばプラサードとアルヴィ ナ・ワンドレス夫妻と私、リーラ・ラブガーデンの共著である「悟りのシンクロニシティ」や、「サトルボディヒーリング」 を読むのもよいし、OSHO の本にもハートについて書かれ たものがたくさんあります。
もうひとつの方法は、ハートのガイド瞑想（書籍「悟りの シンクロニシティ」付属 CD）を聴くことです。私たちはモー ガン・フィッシャー氏より提供していただいた美しい音楽を使い、たくさんのハート瞑想を制作しました。その CD は、 ユニティインスティチュートからお買い求めいただけます。
もうひとつの方法は、瞑想グループや、他のグループで もハート瞑想がコースの内容の基礎になっているものに参加することです。たとえば、ユニティインスティチュートで提供されている「サトルボディヒーリング」のトレーニングがそれにあたります。
初めのうちは、経験豊富な人からハート瞑想を学んでみてください。その方が、より強力な体験をすることができ ます。 ところで、私たちが現在教えているトレーニングクラスが あります。
それは「ハート瞑想ティーチャートレーニング」で、1年近くかけて行うインターネットクラスに加え、土日2日間のコースがこれまで 2 回、日本で行われました。
このトレーニングを受講することで、1 時間半から2 時間くらいのハート瞑想を紹介するワークショップを行うことができるようになります。 毎回のコースでは、ハート瞑想のテクニックをひとつ紹介し、その瞑想をガイドしていきます。
全部で6 回のプログラムがありますが、ひとつずつ、順番は関係なく受講できます。 コースでは、五感のうち、主要なひとつの感覚に基づいたハート瞑想を行います。
聴くことに基づいた瞑想テクニックが二つ、見ることに 基づいたハート瞑想が二つ、フィーリングに基づいたものが二つあります。全部を試してみて、どれが自分にとってや り易いかを見つけるといいでしょう。
私たちが、日本でいつどのようなワークショップを行っているのか、興味がおありの方は、ユニティインスティチュー トにお問合せください。 また、トレーニングを受けて、ハート瞑想をリードしてい る方たちもいますので、お住まいの地域でハート瞑想リー ダーがいるかどうかもお問合わせください。
リーラ・ラブガーデン
プロフィール： ゴダード大学心理学修士課程を修了。チャクラリーディング、パストライ フセッション（過去生回帰セッション）、ハート瞑想などのセラピストとし て長年の経 験を持ち、現在までに、35カ国以上の何千人という人びとにセッション、グループを提供。葛藤と苦痛に満ちた感情を受けとめ、癒 すことができる天賦の才を持っています。非常に多くの、そしてさまざまな国の人々との広範囲なワークの経験から、リーラはハートが本当はな んであるかの深い理解を持っており、人びとが深いハートの理解を得て、 自分自身でハートの体験をすることのできる機会をシェアしつづけていま す。 来日経験も豊富で、ハートの人として親しまれています。
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