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【単巻5冊読書感想55】『ネット右翼になった父』『われら』『赦しへの四つの道』『一粒の麦』『掘るだけなら掘らんでもいい話』

 なんかまた、単巻が溜まっています……。

 というわけで、サクサクいきましょー。

 今回の五冊は、こちら。




【1冊目】等身大を見つめれば、ネット右翼ではなかった……『ネット右翼になった父』

※Kindle Unlimited対象

 ネトウヨ。

 政治的な主張をすることなく、単に批判したい人たちを叩いている右翼っぽい人たち。

 年老いて闘病中の父が、ネトウヨな語彙を喋り出した。

 リベラル寄りのライターである著者は、そんな父親に嫌悪感を覚えます。

 そして、父の死後。

 知的好奇心のあった父が、年老いてネトウヨ系マーケティングに取り込まれてしまった……と憤りを感じます。

 しかし。

 本当にそうだったのか?

 と、著者さんが亡き父に向き合うというエッセイですね。

 三十代後半から四十代の男性向けって感じ。

 わたし、著者さんの子ども世代なんですよねーーーーー。

 興味深くは読みましたけど、ターゲット層じゃ無いなって。

 KUに講談社現代新書が登場して、気軽に読めそうなものをとりあえず、と読みました。

 ブルーバックスは一冊も読んで無いので、わたしって結局、人文学系なのんですね……。



【2冊目】ソ連出身の作家がおくる、ディストピア小説『われら』

光文社古典新訳文庫版はKindle Unlimited対象

 ソ連出身の作家さんが書いている、ディストピア小説の古典。

 主人公が、流されるだけの小市民。

 この設定がひたすら効いてる。

 しかも、綺麗なバッドエンド。

 面白かったです。

 自由意志や、個人の幸福について考えさせられました。

 いや、バッドエンドが好きなのかも。  

 もっとディストピア小説読んでいきたいですね。

🔽詳しい感想はこちらから。 



【3冊目】宇宙。奴隷・女性解放。『赦しへの四つの道』

 アーシュラ様好きなんですけど、あんまり読んで無いんですよ。

 というわけで、新刊のこちら。

 珍しいラブロマンスにテンションが上がったんですが、四話全部そうだと思い込んでしまい……。

 奴隷とか女性とか解放運動を宇宙規模に。

 歴史書並みの厚いストーリー。

 ちょっと疲れ気味で楽しみきれなかった気がします。



【4冊目】ケニア、独立前夜『一粒の麦 独立の陰に埋もれた無名の戦士たち』

 ケニア。

 独立前夜。

 「非常事態」といえば、コロナ禍の最中で出された「非常事態宣言」が思い浮かびます。

 が、ケニアの「非常事態」は、独立闘争を弾圧するための政府が発したもの。

 スポットライトが当たるのは、抵抗勢力以外のどこにでもいる平凡な人びと。

 でも、彼ら彼女らには清算しなければならない過去がある。

 非常事態のなかでは、凡人としてしかたなかった出来事。

 時代の波にさらわれて、苦難ののちに下した決断。

 そのときは仕方なかった。

 それが、将来、世間的に大罪とされてしまう。

 圧政化ゆえに悲劇が出来上がっていく様子が、克明に描かれています。

 独立の陰の犠牲、平凡な人々を等身大に描き出しています。



【5冊目】考古学ガチ勢なら読んで!『掘るだけなら掘らんでもいい話 藤森栄一考古学アンソロジー』

 考古学エッセイだと思ったら、90年代の文章だった。

 メソポタミアや中国文明は、記録が残っているので、何かが出れば何かはっきりわかるが、日本ではそういうものは何も出ない。何もない考古学で、名もなき人々の声を聞く魅力がある

 農耕化は何を作ったのかではなくて、どういう環境になって作るようになったのかが大事。

 とか、面白いエッセンスがたくさん。

 ではあるんですけど、考古学の知識がないのでかなーり難しい。

 土器の様式とか知らんしフツーに、みたいな。

 わたしはそこまで考古学は追いかけてないので……。

 ので、考古学スキーな方向けの本ですね。

 




 

 というわけで。

 皆様の読書の充実を祈って。

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