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睡眠テクノロジーがもたらす未来

現在、スリープテック(睡眠テクノロジー)が世界的に活況を帯びていますね。アメリカなど海外だけでなく、日本でも睡眠に関するスタートアップも続々出てきています。

※こちらの元記事は以下となります


このスリープテックと呼ばれる睡眠ササポートのテクノロジー企業は、海外でも投資家から多くの資金を集め、AIを活用した睡眠アプリやスリープテックのアイテムをユーザーへ提供しています。
スリープテックの世界市場規模は、2014年に580億ドル(日本円で約6兆5820億円)と評価されていましたが、来年の2020年までには800億ドル(約9兆785億円)に達するとも言われています。


◉開発リリースされたスリープテック(睡眠テクノロジー)アイテム

数年前からApple Watchをはじめとするウェアラブル(スマートウオッチなど)アイテムが普及していますよね。
スマートウオッチには睡眠の状態を観測するアプリと連動しているものも多く、これにより人々が自分の睡眠について状況を理解をすることが可能になりました。
ただ一方では、その弊害として「完璧な睡眠を求めるがゆえに数値や結果を気にしすぎる」ことが原因で、逆に不眠を加速させるようなケースも少し増えているとも言われています。

アップル社はApple Watch専用のアプリ「AutoSleep Watch」などを使って世界中のユーザーの睡眠データを収集しています。

また、アップル社は2017年にベディット(Beddit)社を買収して「Beddit Sleep Monitor」と呼ばれる睡眠トラッキング製品をもリリースしています。

Beddit Sleep Monitorは、ベッドに敷く帯状のセンサーを使ってユーザーの睡眠をトラッキングする製品で、iPhoneアプリと連携しながら眠りの状態を測定し、スコア形式で分析できるようにするものになります。
睡眠時間、心拍数、呼吸、いびき、ベッドルームの温度や湿度といった睡眠状態に関わるデータも測定されるのだそうです。

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日本でもアップルストアで15800円(税別)で発売されているようです。
アップルは睡眠記録装置の新たな特許申請もしているようなので、睡眠に関する商品を今後も提供してくるのかもしれませんね。


また、有名どころではボーズ(BOSE)が発売したノイズマスキングがありますね。
ユーザーを安眠に誘うという高級イヤープラグ「BOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDS(定価32400円)」です。通常の音楽再生はできないので注意が必要ですね。ヒーリングサウンドが流れる仕組みとなっています。

メルカリなどでも中古で売られていて相場は20000円〜25000円ぐらいのようです。

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フィンランドのヘルステック企業オーラヘルス(Oura Health)社が開発したスマートリング「Oura Ring(オーラリング)」も有名。

リングデザイン睡眠サポートデバイス「Oura Ring(オーラリング)」

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Oura Ringには、内側にセンサーが付いていて、血流のパルスにより心拍数や血液循環量を計測し、運動や睡眠など健康に関する状態をモニタリングしてくれるそうです。

専用アプリを使って下記の項目を測定できるとのこと。

・心拍数 / Resting Heart Rate

・心拍変動 / Heart Rate Variability

・体温 / Body Temperature

・呼吸の回数 / Respiratory Rate

・睡眠時間 / Total Sleep Time

・睡眠効率 / Sleep Efficiency

・睡眠段階 / Sleep Stage

・消費カロリー / Total Burn

・歩行距離 と歩数 / Steps

・活動の強度 / Activity Intensity

自分の体内時計(空腹感や眠気などを感じる生理現象)を把握しやすくなるメリットがあリます。見た目も普通のシルバーリングと何も変わりません。
お値段は299ドル〜なので3万円ぐらいになりますが、国内では高額で5万〜6万円ぐらいでの販売サイトも見られます。
指輪のサイズを調べるサイジングキット(1500円ぐらい)を事前に購入して、測定することもできます。


また、ちょっと変わった睡眠テックアイテムとして、睡眠ロボットがあります。下記Somnox Sleep Robot (ソムノックス・スリープロボット)は、オランダ生まれの快眠をサポートするパートナーロボット。

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寝るときに、ぬいぐるみのように抱いて眠る「ソフトロボット」です。

Somnoxを抱いたままリズミカルに呼吸をすることで、呼吸が無意識のうちにSomnoxの呼吸リズムと同調するようになります。(Somnoxのくぼんだ部分が呼吸と共に膨らんだり、縮んだりします)

呼吸のリズムはアプリで設定ができます。また、ヒーリングサウンドを鳴らすこともできるそうです。

2017年にクラウドファンディングサイト「Kickstarter(キックスターター)」で、10万ユーロ(約1,300万円)を目標金額に設定して開始し、結果509人の支援者から目標額の2倍である20万ユーロ以上(約2,610万円)が集まり、この睡眠ロボットが製品化されたという経緯があります。


抱きながら眠ることで心拍なども落ち着き、リラックスすることで眠りやすい体に整うのですね。
小さい子供が「熊のぬいぐるみ」などを抱いて眠るのと同じような感じでしょうか?

なかなかの優れモノなようですが、気になるのはお値段。
オプションなしで599ドル(日本円で65000円ぐらい)とのことでした。


◉短い睡眠時間が続くと脳や身体に大きな負担がかかってきます


下記の記事でも書きましたとおり、6時間以下の睡眠ではかなり私たちの脳や身体などにダメージを与えてしまうようです。

・6時間以下の睡眠は丸2日徹夜した場合と同じインパクトを与えます

人間の身体では、毎日2時間ほど睡眠時間が短くなることにより、2週間後には48時間起き続けているのと同じ状態になってしまうとのこと。

ちなみに睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」と呼ばれる2種類の睡眠状態に分けられ、この種類の違う2つの睡眠パターンが一晩に交互に何度も繰り返されます。

「レム睡眠」とは、眠りが浅い状態を表します。いわゆる寝ている間にピクピクと眼球が急速に動く睡眠のことですね。
そして「ノンレム睡眠」は上記のような眼球運動が見られない、深くてしっかりとした眠りのことを言います。
この「ノンレム睡眠」の状態のときに現れる脳波の特徴で、「周波数の低い成分(徐波成分と呼ばれます)が中心となる睡眠」のことを「徐波睡眠状態」と言います。

余談ですが、CBD(カンナビジオール)を飲用すると、この「徐波睡眠状態」を促進して、浅い眠り状態である「レム睡眠」をブロックしてしまう効果があるので、深い睡眠が得られると言われています。

またスイスの研究チームは、2017年1月に「Neurology」誌にて、認知機能障害を持っている方は、睡眠の質が低いことが多いと発表しました。

研究チームはスイスに住む65歳以上の高齢者580名を対象に、睡眠に関するアンケートや検査、認知機能の検査などを行いました。結果、認知機能障害のある高齢者においては睡眠の質が低いだけでなく、寝ている間に低酸素となっていることが判明。

この結果から、睡眠の質や睡眠中の呼吸状態が認知機能障害と関連している可能性が明らかになったのだそうです。

私たちの睡眠時間や睡眠の質などが、認知症の発症との関連性がある・・ということなのかも知れません。


◉快眠を得られる未来(あした)のために・・

上記のようなスリープテック(睡眠テクノロジー)がさらに発達しても、最終的にはストレスがMAXな状態だったり、体調が悪かったり、寝室の環境状態(光や音・気温や湿度など)が悪いと、眠りも浅くなり、何度も起きたり、睡眠時間も短くなることでしょう。

睡眠は「質の悪い睡眠」と「質の良い睡眠」に分けることができて、最新の科学では下記のような事実が判明しています。

・最初の90分で質の良い睡眠がとれなければ、あとはいくら寝ても質の悪い睡眠となる。
・最初の90分で質の良い睡眠がとれれば、あとはいくら寝ても質の良い睡眠となる。

つまり、最初の90分に睡眠の質を上げることが重要となるのですね。

最初の90分での睡眠の質を上げるために、スリープテックのアイテムを使ったり、アロマオイルやお香などの匂いを使ったり、瞑想をしてみたり、スマホやパソコンなどを夜は触らなかったり、バスタイムの充実やCBDを利用したりすることは、有意義なことだと思います。

ただし「より良い睡眠のため」には、すべてにおいて言えることですが、自分なりに気をつけないと依存的になってしまったり(それをしないと眠れないと思い込んでしまう)、逆に眠ることに対して過敏に神経質になりすぎてしまう可能性も出てきます。

人々の眠りに関する欲求はとても大きいと感じます。

それだけ現代では眠りに不満がある人が多い・・ということなのでしょう。

スリープテック(睡眠テクノロジー)がもたらす未来は明るいと信じています!


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