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【マガジン・エイトデイ】高貴な気分の猫のように、どこでくつろいでもいいと許可が降りたお届けもの。



夢の話を嫌いな方が多いらしい。
私は夢と現実と空想がごちゃ混ぜの
世界にいるので、こんな話しに
なるのをご了承ください。

小さな包みが届いた。
中からいくつもの
ありとあらゆる細かい部品が
ザラザラと出てくる。

小さくとんがるえんぴつ、
新品の消しゴム、
何かを繋ぎ止める蝶番。
ネジは3種類。
短い、細い、丸い。
あとはなにかの細かなパーツ。
小さな焼き菓子。
とにかく全部小さい。

「これらで何かを作りなさい。」
そう言わんとする材料だけで、
説明書は見当たらない。
メモ書きすら、見当たらない。

どうしたものかと眺めていたら
この小さな包みを準備する
送り主の気配が立つ。

えんぴつを削り、消しゴムを入れる。
削ったえんぴつで
消しゴムが汚れるかもと
思い立ち、一度取り出す。
それぞれを袋に入れる。

ついでにネジもまとめて別袋へ。
あちこちバラバラにならないように。

メモを入れようかと、メモ紙を取るも
書くことが思いつかず、メモ紙を置く。
メモを書くことを諦めたようだ。

あれこれ思案した気配が漂う。

宛先に書かれたこちらの住所、名前。
見覚えのある、あの人の文字。

入っていた小さな焼き菓子を
ぽこんと口に放り込む。
小さくてほろほろと甘さが広がる。

書かれた名前を指でなぞる。
身体中に甘い気持ちが広がる。

私が心許ない時
うまく眠れない時
おなかすいたと呟きたい時

この文字をなぞればいいのか。

あらゆるものが詰め込まれた
小さな包みから受け取ったものは
甘やかな、お守り。
なんでも創造出来るパーツたち。

「あなたはなんでも創ったらいい」

今、いちばん欲しいものが
何かわからなくなって困っていた。

日常に溶け込むような
甘やかな時間。これだ。

くつろいでいる私だ。
そこから生まれる創作を
欲していた。

たとえば、夜中もう
お布団に入るような時間。
ぽつり「おなかすいた」って
言える人は特別だ。


「おなかすいた」は
甘やかなくつろぎを持つ。


こういうのは恋人か家族か
気楽に受けてくれる
深いところまで知ってくれてる友人が
受け手としてピッタリだ。


ーおなかすいたー
訳すると

「生きる気まんたん元気」
「美味しいもの食べようよ」
「かまちょ」
こんな意味も含まれる。

簡単な言葉のようでいて
放つ相手を選ぶ言葉。

私は、くつろぎ方をたまに忘れて
途方に暮れる。
警戒心の強い野良猫に
戻ったように。

誰かにどこか美しい場所で
くつろがせてもらいたいと
待つ自分がそこに居た。

ここではくつろいでいいよと
許可を待つ癖が未だにあるのか。

何故か、どこにいても何をしていても
くつろいでいるように見られるので
この胸の内をあまり知る人がいない。

くつろぐ人を見るのが好物なので
会う人を甘やかな気持ちにするのは
得意なんだけどなあ。

自分の事となると途端に不器用。
このフィルターを外す
タイミングが来たようだ。

甘やかな口の中に
濃いめに淹れた珈琲を
トロンと含む。

苦さと甘やかが混ざって溶けていく。
甘やかを強く欲して、ずっと苦いままで
いなければならないと、昔のわたしは
決めていて、そのルールが未だ
適用されているのか。
それがくつろげない呪縛か。

自分をくつろがせるのは苦手だ。
という呪縛をほどいて
綺麗な布を見つけて
くつろぐ、あの猫のように
私は私のくつろぐ場所を決める。

ロングスカートを広げて座る私の隣に
猫がスルッと寄ってきて、ふわりと
すわり、カラダを布に預けたことを
ある日を思い出していた。

その猫はこちらが撫でようとしても
気分じゃなければ触らせてくれない。
気に入った場所しか座らない。
私のスカートは選ばれし神聖な布となり
持ち主の許可なくくつろぎの場となり
トロンとまどろみの空間になった。

そうか。猫のように決めればいいのか。
くつろぐわたしが邪魔かどうかは
まわりの人が決めたらいいね。

包みの文字をなぞりながら
ひとりでもくつろげるという体験。
正確には、気配を感じてるから
ひとりじゃないのだけど。

これでようやく、また
描く仕事が進む。
実は、描けないで困っていたのです。
くつろぐことは仕事においても
人生においても重要案件のようです。

おかげで、毎月届くお便りのような
物語の輪郭が顕になりました。
届いたら、指でなぞりたくなるような。
あらわ。

12篇最後に
まとめて冊子になるような。
決まり次第、またお知らせしますね。

では、また。

果歩

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