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【マガジン・エイトデイ】       私には、プリンがどうしても必要だった。



プリンについては
好みがはっきりしている。

イカも好きで、お寿司は全部イカで
いいくらいなので、どんな種類、状態の
イカでも、イカだというだけで
許容してしまう、きらいがある。
ハリハリもトロントロンも
煮すぎてかたくても、すき。
(メロメロ)


プリンは、そうはいかない。
固めで、たまご感をしっかり感じたいし
カラメルは、極ニガでたっぷり、
ひたひたしててほしい。
生クリームもミントも
本当は、不要だ。
但し、さくらんぼが鎮座される場合の
土台のみ重要とされる。


乗っかってるのは、暑い日の
アイスクリームで、じゅうぶん。
まんまるいだけで映える
アイスクリームの助演も讃えたい。


どうしても、追記しておく必要があるのは
プリンアラモードだ。
プリンアラモードは、流派として
最終形態だと思うので、
プリンアラモード独立国家とする。
何より、プリンがおめかししてもらって
嬉しそうなのがいい。


プリンは身近でもある。
コンビニのそれらは、ほぼトロントロンで
最近の若者に傾倒して、ひよっていると
感じる。カスタードを飲みたい
わけじゃないのよ!って、思うのは
昭和脳のせいなのか。
(珍しく「!」使用)


観光地の、かわいい瓶入り。私には
あいつは最早、飲み物にしか見えない。
何度もトラップにかかっていたが、近年
確認もせず、スルーできるようになった。


スーパーにあるものでは
アンデイコの「極」は
素材で勝負していて、好感がもてる。
淡路島の2個パックも見つけたら
そっと抱き寄せる。


そもそもプリンの立ち位置が
急激に変化したのは、
映画「アメリ」で登場し
とても重要なアイテムとして
描かれている、あそこからじゃなかろうか。
アメリが、クレームブリュレの
飴上のカラメルをスプーンで
カンカンカンと叩き割ったあのシーン。

ああ、もう一回観たい。
そう、プリンは鑑賞物でもある。


あそこから、カフェでよく見かけるように
なったし、国を越えて、パンナコッタなんてのも、そのあと見かけるようになった。


純喫茶、にがーいカラメル
固めプリンの古参としては、
どんどん液状化するプリンが
流行っていくのを横目に、
「そうかいそうかい、若者は顎が
小さいから、噛むのが大変だって言うし
離乳食みたいなものがいいんだね。」

なんて、拗らせて、はすっぱにも
なってしまうってものよ。

それでも。
業界の底上げという恩恵に
預かり、レトロプリンの復活も
ちらほら見受けられる。


私はプリンを見るたび、フォルムから
かたさを推測し、せっせと注文する。
クリームチーズ入れられた日の敗北感。
あんたそりゃないよ。あのつんっと立つ
角度見たらそそられるに決まってるじゃん。
なのに、なに口当たりまろやかにしてるのさ。(完全なる個人の感想です)


ここまで書いて、自分とプリンは
ただならぬ関係であることに
気がついてしまった。


ここぞという時、さみしくなった時
甘やかされたい時、プリンを食べて
乗り切っているのか、私は。

なんだろう、あの
「ここに居てもいいよ」と
享受されてる感じ。
プリン恐るべしである。


アメリが、かち割ったものが
プリンの立ち位置なのであれば
あそこから随分と生まれた
ありとあらゆるプリン。

そこから、私のプリン探求が
始まっている。
当時、私もアメリの前髪を
真似したことを
こっそりここに記しておく。
(ちびまる子になったことは、伏せる)


私は脳内にこんなにプリンを
詰め込んで、一体、何を
かち割ってるのかは
今はまだわからない。

きっとこの先の私が
見せるのであろう。(遠い目)


なんの話だっけか。
では、また。

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