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カギケノリが地球を救う

牛は温暖化を進めている!?

温室効果ガスは二酸化炭素、というのがちょっと前までのイメージだったがここ数年でメタンガスも問題視されている。
温暖化への寄与度は二酸化炭素の28倍らしい。

そして、そのメタンを排出している大きな要因の一つとして「牛」が注目されているのである。
それもあってか、代替肉だの代替乳だの出てきて「牛は悪者です」感がすごい。
(個人的には肉や乳のまねをするのではなく、食材そのもののおいしさを伝えればいいのに…と思う)

その点については今回は触れませんが…。

なぜ牛はメタンを出すのか?

牛を飼っている以上、バイアスがゴリゴリにかかった意見となっております。ご了承ください。

牛って草食なんですよね。
4つある胃の1番目の胃の中に無数の菌がいて、それらが牛が食べたものを分解し増殖する。その増えた微生物を牛はタンパク質としていただくわけです。
その微生物がうまく働くために、メタンが発生するのはある意味で必要なこと。

食べたものから菌をうまく利用し「タンパク質」を作り出す草食動物、牛。

すごくないですか?

牛・メタン問題に立ち向かう

とは言え、出るもんは出るわけで。
メタンに温室効果があるということも証明されているわけで。

「うーん…じゃあ、牛はやめよう!」

となる前に。
いろいろと取り組みはなされています。

カシューナッツ

厳密にはカシューナッツの殻の抽出物です。
これはある種の菌を抑えてあげるというはたらきがあります。カシューナッツを与えると菌が作る様々な有機酸(牛はこれも利用している!)のうちプロピオン酸が増え、その結果生産性が高まる、といったものである。
実は、このプロピオン酸が増えるという流れが、実はメタン産生にもかかわっていて、2割ほど排出量を減らしていたのであった!

微生物

前述の「プロピオン酸を増やす」ことがメタン産生量の低減につながるというところから、プロピオン酸を作る材料を増やしてくれる菌を増やすことでげっぷでのメタン排出量が減る!ということだ(ややこしい)

プロバイオティクス的な感じになるのでしょうか。まだ、製品化はされていないようです。
今後の研究に期待!

カギケノリ

カギケノリとは…

Asparagopsis taxiformis (Delile) Trevisan, 1845
 筆の穂のような形をもつ紅藻で、高さは10~30 cmくらい。水中では白っぽい赤紫色を呈す。「鉤毛海苔」の名があるが、鉤のような構造はみられない。大月の海では水深10 mで比較的よくみられる。

公益財団法人 黒潮生物研究所

・・・全然知らないんですけど!
でも、この海苔がすごいのです。

カギケノリに含まれるブロモホルムがメタン産生を抑制するのだそうです。
他の海草でも合成されるが、カギケノリはブロモホルムを蓄積することができるため、メタン削減効果が高いということです。

2014年に報告された論文では、牛の腸内環境を再現した試験管実験が行われ、通常の飼料にカギケノリを添加することで、98.9%のメタン発生を抑制できることがわかりました。

国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

…98%!!??
試験管の中の話とは言え期待が高まりますね〜。

がんばれカギケノリ!がんばれ日本!

他にもワクチンを打つとか、育種改良とかあるみたいだけどやはりここはカギケノリに期待したい!
研究も国内外で行われているようです。

日本は島国。
海洋資源は豊富な国ではないかと思われます。

良いものだけど結局輸入。
それじゃあちょっとさみしいし、国産で国内需要を賄ってこその温暖化対策なのではないでしょうか。

研究はまだ始まったばかりのようなので、今後に注目!!

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