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「視点」と「知見」を売ればいい 価格競争しなくてすむひとりビジネスの作り方


ふと思いついたことを言語化がてら殴り書きします。読みにくいかもしれませんがご了承ください。「視点」と「知見」が売れるという話です。僕は個人事業で自分のサービスを売って生計を立てています。今まで売ったことのある自社サービスは「筋トレの教材」「個人向けのコーチング」「ビジネスのコンサルティング」「コーチング販売の教材」「ライフコーチング」など様々です。パッケージで分類すると「色々な分野で売ってきた」と言えないこともないですが、僕は専門家ではありません。筋トレの教材を売るためにインストラクターの資格を取ったり、個人にコーチングを提供するためにコーチングの資格を取ったりしたことはありません。僕が売っているのは「視点」と「知見」であり、「技術」ではないからです。


この考え方が一般的ではないと気づいたのは、個人向けのコーチングを売り始めてから半年ほど経ったときのことです。僕は1人で活動していたので同業者と会う事はほとんどなかったのですが、ひょんなことから「コーチングコミュニティに参加している人」「有資格者で独立している人」など、同業を営んでいる人と連続出会うことがありました。彼らは一言目から「私は〇〇でコーチングを学んでいます、なおとさんはどちらで?」「〇〇の資格を活かして活動しています、なおとさんはどんな資格を?」とまるで当たり前かのように僕の所属や所持資格を聞いてきました。違和感を感じながらも「僕はそういうのやってないんですよねぇ、コーチに直接教えてもらったので〜」と言うと(本当は教えてもらってすらいない)、「珍しいですね」「それでどうやってクライアント獲得を?」と目の色を変えて質問してくる。僕から見たその人たちは小綺麗な格好をしていたし、指定してもらったカフェもおしゃれな場所だったので、「儲かってるんだろうな」と思っていました。が、実際のところ話を聞くと「自分はまだ勉強中だが、先輩にはコーチとして活躍して稼いでいる人がたくさんいる」と答えるばかり。あまりに何人もそう答えるので、「この人たちの信じているものと自分が見ている景色は違うんだろうな」と思い、それから同業者と積極的に会うのはやめました。信仰のちがい、と表現してもいいかもしれません。


先ほども言いましたが僕は「技術」を売りません。そもそも僕には他人に証明できるような技術がないし、「学んで手に入るもの」を売るということは同じく学んだ人と売り物が被る」ということだからです。僕が商売をする理由は「自分らしく生きることで周りにいる誰かを勇気づけられたらいいな」と「それだけやって食っていきたい」を両立させることなので、「手に入れるのにお金も時間もかかる、人と被る可能性もあるもの」を売るのは目的に沿いません。それに比べて「経験」は他の人と被りません。誰しもオンリーワンのものを持っています。100%僕と同じ人生を歩んできた人は1人もいないので、そもそも外に仕入れに行く必要はないのです。自分の内側に金山が眠っているイメージです。自分の中にある金山を掘ればいいのに、どうしてみんな「ライバルがわらわら群がっている銀山」を目指してお金と時間をかけるんだろう。僕にはそう見えています。「そんなこと綺麗事だ」と言われ続けてきた僕が6年間で生計を立て、妻と子供を養い暮らしていることは、「視点と知見」を売ればささやかながら暮らしていける証明にはなりませんでしょうか。そんなことを今考えています。


「なおとさんのあの一言のおかげで救われました」と言われることが多々ありまして、そう言う時に限って僕は「この人を救ってあげよう」と思っていません。思ったことを言い、面白いことを面白がり、興味があることを「もっと教えれ」と深掘りし、自分の知見を伝えるだけ。本当にうまく行く時ってそう言う時なんです。逆に「こんなタイプの人に役に立てるようにこう言おう」と思った時はスベリやすい。それで当たることもあるけれど、こけることの方が多い。こんな僕でも「全人類にコーチングが必要だ」って思っていた時期があるんですよ(noteをずっと見てくれてる人は信じられないと思うけど)。で、「あなたには自分との対話が必要だからコーチングが必要だと思います」って発信して、「あなたの助けになりまーす!」って言って回ったことがあるんです。実際にそれでお客さんがついたこともあったんです。ちょっとだけだけど儲かった。でもそれではとても食っていけませんでした。100頑張って3報われた、だから何?って感じでした。なぜか、「あなたにはコーチングが必要だ」というロジックの中には自分にしかない
「視点」も「知見」もないからです。僕じゃなくたって売れるものを売ったんです。だから競争に勝つしかなかった。いかに自分があなたの役に立てるかどうかを熱弁して、何回提案しても振られ、次の人、次の人、次の人。そんなことをしていると「誰が提案してもこの人は買ったんだろうな」って人が出てくるのは確率の問題なので、一応仕事はもらえるんです。でも続かない。関係もそこで終わり。また100分の3を狙って人に自分のことを説明する日々が続きました。信じられないでしょ?実際にやってみたから言ってるんです。「人に真似できるものを売ってはいけない」という教訓は、僕の「視点」と「知見」なんです。喫茶店やzoom通話で消耗する日々を経験してない人には言えないですよ。だから被らないんです。被らないって事は「それが欲しい」と言ってくれる人が必ずいるということです。競争する人がいないって事は価格競争をしなくていいって事です。ひとり起業は「自分の限りある時間とエネルギーをどう効率良く使うか」が勝負です。「儲かればあとは数の暴力で」ができるのは力を持った企業の戦いかたです。弱者の戦略とはすなわち、最小の労力で最大の結果を出せるポイントを探し抜き、そこ「だけ」に全てを投下する事です。


「視点」と「知見」を売りましょう。そうすれば人と被りません。あなたにしかない経験は。あなたのことを特によく評価してくれている人はあなたについてなんと言っている。あなたのお客さんはあなたのどこに惚れてお金を出してくれているのか。恋人は、パートナーは、お子さんは、あなたのことをどう見ているのか。あなたのファンである読者は、フォロワーは、あなたのどこを好きになってあなたのことを見ているのか。そこに答えがあるんじゃないですかねえ。そんなことを考えました。

いただいたサポートはミックスナッツになって僕のお腹の脂肪として蓄えられます。