毎日1曲『三種の神器』20220203 - ドライフラワー
作詞、作曲、歌唱、演奏、DTMを趣味や仕事にしている人に向けて書いています。毎日1曲、頭に浮かんだ曲を取り上げて、僕が独断で『ヒット曲の三種の神器』と呼んでいる、世界のヒット曲に共通する不思議な法則を数値化して解説をしているコラムです。興味を惹かれたら『ヒット曲の三種の神器』の詳細についての過去記事もご覧ください。
今日の1曲
日付:2022年2月3日
タイトル:ドライフラワー
アーティスト:優里
『三種の神器』度数
ヨナヌキメロディ度:0
弱起度:10
客観描写度:10
解説:2021年、個人的に最も街鳴りしていたと記憶に残る曲です。街鳴りとは、普段の生活のいたる場所でこの曲を耳にする、それくらい街で鳴っていたという意味です。
ギターの真面目なコード進行と、歌い出しだけが弱起ではない神妙な顔つきのメロディ。でも始まった途端に言葉が心を捉えて離さない、非の打ち所のない歌詞の素直さ、女心を歌う男ボーカルの切なさが、演歌、フォーク、歌舞伎にも共通する日本独特のジェンダー文化に繋がっています。
全然ヨナヌキではないので度数は0、必ずしも誰もが覚えやすいメロディではない、言葉とギターの音楽です。上で述べたように、冒頭以外のほとんどの文節は弱起、度数は10です。
可視的な描写はほとんどありませんが、恋人を失ったひとりの女性の、手紙でも、独り言でもない心の言葉を、相手の男性の主観や作者の主観を一切排除した、装飾のない言葉で綴る歌詞は客観描写度を10にします。
作者の気持ちが一切語られない、主人公の心の台詞だけの歌詞です。
コメント:
歌詞には参りました。
ドライフラワーは、その瞬間から命を止めるけど、美しさを保ったまま色褪せていく。
別れの歌だけど、生きていこうとしている歌です。
聞き手の人生に寄り添うことができるでしょう。
そんな歌を作ることは、難しくないんだということを証明しています。
そしてボーカルは鳥肌立ちます。いつか会いたいと思うのであります。
各種リンク
優里 『ドライフラワー』 Official Music Video -ディレクターズカットver.-
ドライフラワー (Wikipedia)
優里(Wikipedia)
『ヒット曲の三種の神器』解説記事
大平太一流 作詞作曲の必殺技『ヒット曲の三種の神器』解説記事です、是非あわせて読んでみてください。
①ヨナヌキメロディ/なぜか覚えやすい音階の不思議
②弱起/インパクト大!言葉やメロディが飛び込んでくる
③客観描写/具体的で無感情な描写が人の心に感動を生む
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